創業融資のポイント

【政策金融公庫の新規開業資金と新創業融資制度】どちらが向いている?

・小規模な起業家は新創業融資制度を選ぶべき4つの理由

日本政策金融公庫の融資の中で、創業に当たって特に用意されている制度が、「新規開業資金」と「新創業融資制度」です。
大きな元手を必要としない事業であれば、まずは「新創業融資制度」を検討すべきです。
以下で、その4つのメリットから見ていきましょう。

①不動産担保が不要

資金に乏しい個人や中小事業者にとって、最も借りやすい制度といわれる所以です。一方、「新規開業資金」では不動産担保や保証人が必要です。

②生計が別である第三者の保証も会社代表者の保証も不要

通常、会社で融資を受ける場合、会社代表者の保証を求められます。「新創業融資」では代表者の保証も必要ありません。ただし、任意で代表者を保証人として立てることはできます。会社代表者が連帯保証人になった場合には、利率が0.1%軽減されるという特典もあります。

③信用保証協会の保証も不要

よく「新創業融資」と比較される自治体の制度融資では、信用保証協会の保証が必要です。「新創業融資」ではこれも不要であるため、機動的な融資が期待できます。

④自己資金の9倍まで借入れできる

③と同じく、制度融資の場合では、自治体によって若干の差はあるものの、自己資金の額が融資の上限となっているケースがほとんどです。

このように、「新創業融資」は、比較的小規模の事業を始める起業家にとっては大変借りやすい制度となっています。

逆に、多くの設備投資を要するなど比較的大きい事業をスタートさせる場合には、「新規開業資金」を検討するのも一つです。

こちらは、不動産担保や保証人が必要ですが、設備資金であれば7200万円までの借入れができます(運転資金は4800万円以内)。

「新創業融資」の方は、設備資金は3000万円まで、運転資金は1500万円までとなっています。

・新創業融資制度のデメリットは?

良いことばかりのように見える「新創業融資制度」ですが、デメリットがないわけではありません。以下で、デメリットについて見ていきましょう。

①利率が高め

無担保・無保証で実績も信用もない起業家に融資を行うため、日本政策金融公庫の融資の中では金利がやや高めに設定されています。
基準金利は2.5%~2.9%となっており、「新規開業資金」に比べると、0.2%~最大1.6%高い利率です。

②返済期間が短い

返済期間は、併用する融資制度にもよりますが、運転資金では凡そ5年以内です。据置期間も設けられていますが、事業を一から立ち上げ、軌道に乗せつつ並行して短期間で返済を行わなければならない点を考慮すると、認定支援機関などの専門家とバランスの取れた借入額をよく検討すると良いでしょう。

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