日本政策金融公庫(以下、公庫)の創業融資を受ける際には、様々な書類の提出が必要になってきます。そして、その中でも特に重要なものが創業計画書(事業計画書とも呼ぶ)です。
創業融資の審査において、創業計画書に書く内容や完成度は大きな加点になることもあれば、創業融資の失敗の原因になってしまうこともあります。
そのため、どんなことを書くのかを知っておき、事前に準備しておくことで創業融資の成功率を上げられる可能性があります。
今回は創業融資で重要な創業計画書について、9つの項目別に簡単にご紹介します。
公庫の創業計画書のテンプレートはこちらのリンクからダウンロードできます。
ぜひ、テンプレートを参照しながら読み進めてください。
創業計画書の9つの項目
<1>創業の動機
最初の項目は、創業の動機です。
創業の動機はもちろん人それぞれですから基本的には自由に書いてよいのですが、いくつか注意点があります。
まず、動機に説得力がない場合や消極的な理由が動機である場合は、審査の際に悪くとらえられてしまう可能性が高いです。できるだけ積極性や熱意の感じられるよう書きましょう。
また、なぜこのタイミングで操業に踏み切ったのかについても触れておくとよいでしょう。例えば、業界で十分な経験を積んだため・人脈作りに成功したため・自己資金が貯まったためなどです。
<2>経営者の略歴等
2番目の項目は、経営者の略歴等です。経営者の経験について見られます。
ここでは、経営者の略歴・過去の事業経験・取得資格・知的財産権等の4つが聞かれます。
過去の事業経験・取得資格・知的財産権等の3つ項目については、事実を並べていくだけなので特に問題はないですが、経営者の略歴については勤務先のみではなく担当した業務や役職、身に着けたスキルについても聞かれます。
全体として、業界での経験値をうまく表せるように書きましょう。
<3>取扱商品・サービス
3番目の項目は、取扱商品・サービスです。どのような事業を展開していくのかについて見られます。
ここでは、取扱商品、サービスの内容・セールスポイント・販売ターゲット、販売戦略・競合、市場など企業を取り巻く状況の4つが聞かれます。
取扱商品・サービスの内容の項目では、実際に取り扱う商品と単価及び売り上げシェアについて書きます。取扱商品は簡潔にわかりやすく書きましょう。
セールスポイントの項目では、そのままセールスポイントについて書きます。セールスポイントとは自身の事業の中でどのような点が強みであるかですので、同業他社が多い中で「ここで商品を買いたい」と思わせることができる要素について書きましょう。
販売ターゲット・販売戦略の項目では、どのような人に売りたいのか・どのように売るのかについて書きます。販売戦略については経営者の計画性や事業の今後の展開について、なるべくわかりやすく簡潔に書きましょう。
競合・市場など企業を取り巻く状況の項目では、同業他社の事業の状況や競合の状況について書きます。なるべく根拠のある情報にもとづいて書きましょう。
全体として、事業の内容を理解してもらえるように書きましょう。
<4>取引先・取引先関係等
4番目の項目は、取引先・取引先関係等です。
ここでは、すでに取引することをが決定している取引先について聞かれます。販売先・仕入先・外注先の3つが聞かれますが、なるべく3つすべて埋めましょう。全くの白紙の場合、事業の見通しや計画性について疑問視されてしまう可能性があります。
<5>従業員
5番目の項目は、従業員です。
ここでは、常勤役員の人数や従業員数について聞かれます。特筆する点はありませんので、正確に書きましょう。
<6>お借入れの状況
6番目の項目は、お借入れの状況です。
ここでは、借入の状況について聞かれます。ここで嘘の記述をしても信用情報を調べられる際に必ずばれてしまうので、正直に書きましょう。
<7>必要な資金と調達方法
7番目の項目は、必要な資金と調達方法です。
ここでは、設備資金や運転資金等の必要な資金と調達方法について聞かれます。正確に記述することが最も重要です。
<8>事業の見通し(月平均)
8番目の項目は、事業の見通し(月平均)です。
ここでは、事業が軌道に乗るまでの明確な数字を用いた具体的な展開が聞かれます。創業当初と軌道に乗った後の<売上高・売上原価・経費(人件費・家賃・支払利息・その他)・利益>の具体的な数値を設定して書きます。また、計算の根拠も書く必要があります。
軌道に乗った後の売上高などの計画は、現実的に設定しましょう。
<9>自由記述欄
9番目の項目は、自由記述欄です。
ここでは、追加でアピールしたいことや事業での悩みなど補足的なことを自由に書くことできます。必ず書かなければいけないわけではありませんが、何か追加でアピールしたいことがある場合などはぜひ利用しましょう。
最後に
創業計画書は自由に書ける分どのように書いたら良いかわからなくなってしまいがちです。自らすべての項目について書くことに不安がある場合には、専門家に協力を依頼するというのも一つの手段です。
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