副業をするサラリーマンが増える中、その活動を拡大するために融資を検討する方も多いでしょう。
しかし、「サラリーマンが副業で融資を受けることは可能か?」という疑問は、多くの人にとって重要なポイントです。
本記事では、サラリーマンの副業における融資の可能性やおすすめの金融機関を解説します。
目次
サラリーマンでも副業で融資は可能?
結論から言うと、サラリーマンでも副業を理由に融資を受けることは可能です。
しかしながら、事業一本で取り組んでいる方と比較すると副業で事業に取り組んでいる方は厳しめに見られます。
理由は「副業で取り組んでいる場合、真剣度が他の事業者と比較して低いと判断されるケースがある」「本業に副業がばれた場合、本業はやめなければいけないのではないかと不安視される」というのが主な理由です。
そのため、これらの点は融資面談時に聞かれる可能性が高いため、予め対策しておく必要があります。
具体的には「収益性」「事業の本気度」「本業の副業に対する考え方」についてしっかりとアピールしておく必要があります。
収益性
副業が実際に利益を上げているかどうかが最も重要です。
収益が安定していれば信用度が高まります。
今後、どのように収益を拡大していけるかという点もアピールしていきましょう。
また、金融機関の多くは本業の収入も重要視しています。
事業が上手くいかないときに本業の収入から返済できる能力があるかという点を知りたいからです。
本業+副業いずれも現在の収益はどのくらいで、今後の収入はどうなりそうかという点を具体的に説明していきましょう。
事業の本気度
事業の本気度もアピールしておきましょう。
金融機関は融資の際、長期間の付き合いになると考えて融資します。
そのため、副業を短期間でやめてしまうような懸念がある場合、融資に後ろ向きになる可能性が高いです。
今後も継続的に副業を続けるという点はしっかりと面談のときに話しておきましょう。
本業の副業に対する考え方
本業が副業に対してどのように考えているかという点も整理しておくことをおすすめします。
例えば、副業が本業の上司などにばれた場合、「本業や副業をやめなければいけないのか」「ある程度許容してくれているのか」といった点です。
金融機関の中には本業か副業どちらかやめた場合に、返済に問題がないか気になることがあります。
そのため、「ある程度許容されている」「許可をとっている」「どちらかやめても十分に返済できるような経済状況である」旨、説明しておきましょう。
法人化の検討もすべき
個人事業主で副業をしており、融資をしてほしい場合、法人化を検討することをおすすめします。
個人事業主の場合は簡単に副業をやめることができるので、信頼度が薄いなどの理由で融資に後ろ向きになるケースが少なくありません。
法人化することで、事業が長期的に安定しているという印象を与えやすくなります。
法人として事業を運営する場合、事業計画や財務諸表を金融機関に提示することが求められますが、これが信頼性を高める重要なポイントとなります。
また、法人化することで、副業が本業に与える影響についての懸念を軽減する効果も期待できます。
法人化のメリット
- 信頼性の向上
法人は個人事業主と比べて「事業として本気で取り組んでいる」と判断される傾向があります。法人化により、事業規模の拡大や長期的な成長のビジョンを金融機関に示しやすくなるため、融資審査が通りやすくなる可能性があります。 - 税制上のメリット
法人には個人事業主よりも優遇された税制が適用されることが多く、経費として計上できる範囲も広がります。これにより、事業を効率的に運営しながら資金繰りを改善できる点もメリットです。 - 社会的信用の向上
法人格を取得することで、取引先や顧客からの信頼を得やすくなります。これは、金融機関の融資審査にも有利に働く要素です。
ただし、法人化にはコストや手間がかかるため、副業の収益が安定してから検討するのがおすすめです。
公庫の創業融資の活用の検討
サラリーマンの副業で融資を目指す場合、最初に検討すべきは日本政策金融公庫(公庫)です。
公庫は創業支援に力を入れており、副業者でも融資を受けられる可能性があります。
公庫の創業融資である新規開業資金の内容は下記の通り。
項目 | |
---|---|
融資限度額 | 最大7200万円 |
運転資金の融資枠 | 上限4800万円 |
返済期間 | 設備投資:最大20年 運転資金:最大10年 |
据置期間 | 最長5年 |
自己資金要件 | なし |
内容について解説していきます。
公庫融資のメリット
公庫の創業融資のメリットは下記の通り。
- 低金利・無担保
公庫の融資は低金利で、担保や保証人が不要な場合もあります。 - 柔軟な返済条件
据置期間(返済開始を一定期間延ばす措置)や長期返済が可能です。 - 幅広い資金用途
運転資金で在庫購入、広告宣伝、設備投資など、さまざまな目的で利用できます。
公庫融資の注意点
- 勤務先への確認リスク
副業が本業に知られる可能性がありますが、公庫は基本的に本人の許可なく勤務先に連絡することはありません。
担当者に「勤務先には連絡しないでほしい」と明確に伝えることが重要です。 - 書類準備の徹底
収支計画書、事業計画書、副業の収入証明など、必要書類をきちんと準備しましょう。
これにより審査がスムーズに進みます。
公庫の副業の創業融資については下記の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
他のおすすめの金融機関
公庫以外の選択肢として、信用金庫や信用組合などの地域密着型金融機関もおすすめです。機関は地域経済の活性化に重きを置いており、副業者への融資に柔軟な対応をするケースが多いです。
例えば、信用金庫・信用組合の場合、地域の実情を理解しており、個別の事情を考慮してくれる傾向があります。
副業の収益や事業内容を丁寧に説明することで、融資の可能性が高まります。
一方で、メガバンクや地方銀行で副業の融資を受けるのは非常に難しいのが現実です。
これらの金融機関は、安定した収益や十分な信用力がある企業や事業主を優先するため、副業のような小規模な活動には興味を示さないことが多いです。
融資成功のためのポイント
サラリーマンが副業で融資を受けるには、以下の点に注意することが重要です。
事業計画の具体性を高める
融資を成功させるには、具体的な事業計画が不可欠です。
- 事業の背景や目的を明確にする
- 現在の収益状況や将来的な収益見通しを詳細に記載する
- 必要な資金額とその用途を明確にする
これにより、金融機関に対して信頼感を与えやすくなります。
自己資金を準備する
自己資金が多いほど、金融機関からの評価は高くなります。
自己資金は事業への真剣さを示す重要な指標であり、自己資金が十分であれば、金融機関の融資審査も通りやすくなります。
収益性の証明
現在の副業の収益を証明できる書類(確定申告書や売上記録など)を揃えておくことが重要です。
また、収益が安定している場合には、どのようにしてその安定を維持しているかも説明する準備をしておきましょう。
リスク対策を提示する
融資を受けた場合のリスクに対して、どのような対策を講じる予定かを明確にすることが大切です。
- 本業に支障が出た場合の返済計画
- 事業の収益が減少した場合のリカバリー案
これらを具体的に説明できれば、金融機関の安心感を得られます。
金融機関との信頼関係構築
金融機関の担当者と良好な関係を築くことも重要です。
定期的な連絡や面談を通じて、自身の事業や経営方針を丁寧に伝えましょう。
信頼関係が構築できれば、融資審査も有利に働く可能性があります。
まとめ
サラリーマンの副業における融資の可能性やおすすめの金融機関について解説してきました。
ポイントは下記の通り。
- 収益性の証明: 副業の収益を安定的に維持し、金融機関に対して具体的な数字やデータを提示する。
- 事業計画の具体性: 将来のビジョンを明確にし、資金用途を詳細に説明する。
- リスク対策の提示: 本業や副業が困難になった場合の返済計画やリカバリー案を準備する。
- 法人化の検討: 信頼性を高める手段として法人化を視野に入れる。
- 適切な金融機関の選択: 公庫や信用金庫など、副業者に理解のある金融機関を活用する。
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