副業として起業を考えている人が増えています。
副業解禁が進む中で、自分のスキルやアイデアを活かし、将来的に本業として独立するための準備をする人も少なくありません。
そこで本記事では、副業起業の魅力や具体的なメリットについて解説していきます。
目次
副業起業とは?実例を紹介
副業起業とは、本業を持ちながら自分でビジネスを始めることを指します。
例えば、週末や夜の時間を活用して小規模のECサイトを運営したり、スキルを活かしてフリーランスとして活動することが含まれます。
この形態はリスクが少なく、自分のペースで取り組めるのが特徴です。
近年は政府の副業解禁の流れを受けて、副業起業する人が増えてきました。
勤務を続けながら起業する「副業起業者」は起業者全体の27.5%を占め、その中で約半数が起業後に専業へ移行しています。
業種としては、クリエイティブ系(ライター、デザイナーなど)、専門性の高い事業(コンサルタントなど)、趣味や資格を活かした事業(講師、教室運営など)が多いことが特徴です。
副業起業者は女性や若年層が多い傾向があります。
具体的には、女性の割合が30.2%(専業起業者では19.3%)、29歳以下の割合が32.1%(専業起業者では12.4%)と顕著です。
参考資料:(副業起業は失敗のリスクを小さくする―「起業と起業意識に関する調査」(2016年度)より― 日本政策金融公庫)
副業起業事例
副業起業は失敗のリスクを小さくする―「起業と起業意識に関する調査」(2016年度)より― 日本政策金融公庫 より実際の起業事例を紹介していきます。
事例1: 写真業(男性)
- 副業起業年:2010年、専業移行年:2014年
- 背景と動機:本業で印刷業として働く中でカメラマンとしての独立を模索。副業を通じて収入を補填しながら、機材や人脈を整備。
- 成果:本業を辞めて独立後、事業を迅速に軌道に乗せることに成功。
事例2: 食品加工品製造業(女性)
- 副業起業年:2013年、専業移行年:2016年
- 背景と動機:福島移住後に臨時職員として本業に勤務。地域の課題(農産物の売れ残り)を解決するため、補助金を活用して食品加工品製造業を起業。
- 成果:勤務中に製品開発や販路開拓を進め、専業移行後も地域農家と連携して事業を拡大。
このように若手や女性を中心に副業起業をする人が増えています。
政府が副業・兼業を推進している昨今では、今後副業起業を考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで次の章では具体的に副業起業のメリットについて解説していきます。
副業起業の3つのメリット
収入が増える
副業起業の最も大きなメリットといえるのは収入が増えることでしょう。
パーソルキャリアが実施した副業の実態調査によると副業の平均月収は6万5093円という結果がでました。
副業の場合は青色申告控除を使った場合、最大65万円までの収入の控除が使えますので、ほぼこの月収がまるまる手取りになります。
会社員の場合は、年収が65万円増えたとしても、社会保険料や税金などが引かれ、最終的に30万円から45万円程度しか残らないことが多いと思います。
そのため、見た目以上に収入が増えるというのは大きな副業起業の大きなメリットとなるでしょう。
専業後の成功率が高い
副業が本業の収入を超えてきた場合、副業を専業にしようと考える方も多いかと思います。
実は副業起業者は副業しないで起業する専業起業家よりも成功率が高いことが分かっています。
専業起業と副業起業の業績比較を比較すると下記の通りとなりました。
- 事業の軌道化
- 「事業が軌道に乗っている」と回答した割合は以下の通り:
- 専業起業者:34.0%
- 副業継続者:35.3%
- 専業移行者:47.4%
- 専業移行者は、助走期間を経たことで専業起業者よりも業績が良好。
- 「事業が軌道に乗っている」と回答した割合は以下の通り:
- 収入満足度
- 「収入に満足」と回答した割合:
- 専業起業者:23.0%
- 副業継続者:34.9%
- 専業移行者:35.2%
- 専業移行者の満足度が特に高く、副業を経た準備期間の有効性が示唆される。
- 「収入に満足」と回答した割合:
このとおり、副業から専業に移行した専業移行者の事業の軌道化及び収入満足度が高いという結果がでています。
また、海外でもこのような働き方は2003年ごろから取り入れられており、「hybrid
entrepreneur」と呼ばれています。
日本の結果と同様に、海外でも専業起業家よりも高い成果や満足度が得られています。
そのため、今後も非常に注目されてくる働き方になる可能性は高いでしょう。
副業が個人事業主の場合、社会保険料がかからない
本業を通じて厚生年金や健康保険に加入している場合、副業では原則として追加の保険料は発生しません。
つまり、本業の収入をいくら副業が上回っても新たに社会保険料を支払う必要がないということです。
例えば、本業のサラリーマンの収入が年収300万円で個人事業主の副業が所得800万円だった場合、社会保険料の対象となるのは年収300万円の部分のみで、個人事業主の副業の部分にはかかりません。
しかしながら、このスキームは社会保険削減スキームといわれており、問題視されている部分でもあります。
今後条件が変わる可能性がある点には注意しなければなりません。
副業起業でも融資は可能
副業起業でも専業起業家と同じように融資を獲得するのはかのうとなっています。
しかしながら、副業起業家独自の課題もあり、事前準備や金融機関との信頼構築が重要です。
以下では、融資成功に向けた具体的なステップをご紹介します。
1. 事業計画書を徹底的に作成する
事業計画書は、金融機関が融資の可否を判断する際の重要な資料です。以下のポイントを押さえた具体的かつ明確な計画書を作成しましょう:
- 事業の背景と目的
なぜ副業を始めたのか、どのような課題を解決するのかを説明します。 - 市場分析
ターゲット顧客や競合の情報、事業の成長可能性を示します。 - 収益計画
初年度の収益見込みと、3〜5年先の中長期的な見通しを具体的な数字で提示します。 - 資金用途
借り入れる資金をどのように使い、どのように事業を拡大するのかを明確にします。
2. 自己資金を準備する
自己資金があると、事業への本気度を金融機関にアピールできます。
副業起業では一般的に、融資額の1/3程度の自己資金があると望ましいと言われています。
3. 法人化を視野に入れる
個人事業主として副業で活動している場合でも、法人化を検討することで融資審査の際に有利になる可能性があります。
- 信頼性の向上
法人化により、事業が本格的であると認識されやすくなります。 - 税制面での優遇
法人化することで節税対策が可能になる場合があります。 - 社会的信用の強化
取引先や金融機関からの信頼が向上します。
4. 融資対象の金融機関を選定する
副業起業者にとって融資を受けやすい金融機関は以下の通りです:
- 日本政策金融公庫
創業融資や副業起業者向け融資があり、低金利・無担保での借り入れが可能。 - 信用金庫・信用組合
地域密着型の金融機関で、副業者の事情を考慮した柔軟な対応が期待できます。 - クラウドファンディング
プロジェクトに共感した支援者から資金を集める方法も検討に値します。
下記の記事で、サラリーマン副業融資について解説していますので、こちらの記事についてもぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回は副業起業のメリットについて解説してきました。
ポイントは下記の通り。
- 副業起業は本業を続けながら収入増加やスキル習得を目指せる魅力的な選択肢
- 青色申告控除や社会保険料負担の軽減など、税制面でのメリットがある
- 副業起業者は専業移行後の事業成功率が高く、計画的な準備期間が重要
- 融資を受ける際は事業計画書や自己資金の準備が成功の鍵
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