創業融資を受けるにあたり、必ず決めなければならないのが返済期間です。できる限り早く返したいからと短期間で設定する方もいますが、返済ができなくなって大変な思いをすることになると困るので、慎重に考える必要があります。
金利なども関係してくるので、返済期間や据置期間についてどのように考えれば良いのかご紹介しましょう。
目次
創業融資の返済期間と金利の目安は?
最も代表的な創業融資とも言える日本政策金融公庫の新規開業資金について、期間と金利についてご紹介します。こちらは申請前に確認しておく必要がある項目だと言えます。
新規開業資金の条件や内容については、こちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひご確認ください。
返済期間
各種融資制度によって異なるものが設定されています。そもそも「新規開業資金」という独立した融資があるわけではなく、その他の融資を申し込む際、それを無担保・無保証で利用するための特別枠です。
そのため、何をベースに融資してもらうかによって期間が変わります。新しく創業する方が選択することの多い新規開業資金をベースにした場合の返済期間は、設備資金が20年以内、運転資金が10年年以内となっています。自分の利用する融資の場合はどの程度の返済期間になるのか事前に確認しておきましょう。
金利
日本政策金融公庫の新規開業資金(無担保・無保証人)を確認してみると、2025年1月6日時点で基準利率は2.60~3.70/年となっています。
この数字は市場動向によって変わるので、実際に申し込みをする前に確認しておきましょう。無保証人・無担保でありながら、その他の融資と比較してもかなり金利を安く抑えられます。
金利についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
設備資金や運転資金に該当するものとは
先述したように、返済期間は設備資金と運転資金のどちらにあたるのかによって変わってきます。それぞれ何が該当するのか確認しておきましょう。
設備資金
主に会計で資産に計上できるものが設備資金に分類されます。例えば、内部装飾費用、外部装備及び装飾費用、椅子、備品、車などです。家賃に関しては保証金のみが設備資金に該当します。初期費用としてかかるものの多くが設備資金です。
運転資金
運転資金は、継続して事業を行っていく上で必要になるものです。例えば、人件費や仕入れ代金、宣伝費、地代家賃などであり、設備資金以外の資金が該当します。
設備資金と運転資金についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
据置期間と適切な返済期間について
返済期間について考える際に、金利のみの返済が認められる据置期間を設定する方法もあります。
というのも、多くのケースでは事業を始めたとしてもすぐに軌道に乗るわけではなく、ある程度時間が経ってから少しずつ売り上げが上がってくるため、事業開始後すぐに返済が必要な状態になると大変だからです。
据置期間に関することと返済期間の考え方についてご紹介しましょう。
据置期間の決め方
据置期間は元本も支払いが必要なく、金利のみの返済が認められています。多くの創業者が据置期間を設定しているため、遠慮せずにこの制度を利用しましょう。
日本政策金融公庫の新規開業資金を利用する場合、運転資金は5年以内、設備資金は5年以内で据置期間の設定が可能です。ただし、希望した据置期間が必ずしも認められるわけではなく、審査の結果によっては希望よりも短くなることがあります。
据置期間の考え方についてですが、一般的に創業後を半年ほどは利益を出すのが難しいと言われているので、半年以上は据置期間を設定しておいた方が良いです。事業についてよく考え、どの程度で軌道に乗るのか十分も検討しなければなりません。
元本の返済を始めた途端に経営が苦しくなるようだと困るので、元本の返済をしても問題なくなる時期を事業計画で考える必要があります。売掛金が発生する場合はいつ入金されるのかも含めて考えましょう。
よくあるのが、適当に据置期間を設定して失敗してしまうケースです。「多分半年後くらいになれば安定するだろう」とよく考えずに設定すると、実際にその頃になっても売り上げが安定しておらず、返済が困難になることもあるので注意しなければなりません。
適切な返済期間の設定
返済期間の考え方として、長ければ長いほど良いと考えるのは、やめたほうが良いです。先述したように、新規開業資金をベースに新規開業資金を利用した場合、返済期間は設備資金が20年以内、運転資金が10年以内ではありますが、適切な返済期間を考えるためには毎月の利益を計算しなければなりません。
例えば、毎月の利益が30万円出るとしても、この利益の中から事業の運転資金や生活費、税金なども支払うことになるため、30万円すべてを返済に回すことは不可能です。
そのため、返済期間について検討する際には月々どれくらいの利益が出るかだけでなく、毎月かかる生活費などについても細かく計算し、余裕を持って金額を決める必要があります。また、いつ何があるかわからないわけなので、ギリギリの設定ではなく、ある程度手元に現金を残せるような返済額と返済期間を考えましょう。
月々の返済額を低く設定した方が安心だろうからと返済期間を長めに考える方もいますが、この際にデメリットになるのが追加融資に関することです。最初の借り入れの返済が約30%未満しか完了していない場合、追加融資は難しくなってしまいます。
そのため、無理のない範囲内で短く設定しておきましょう。
創業融資を低金利で借りるには?
日本政策金融公庫の新規開業資金の金利は一律ではなく、条件を満たせば低金利で借りることが可能です。担保をつける、連帯保証を付けるなどの方法もありますが、特におすすめなのが認定支援機関(専門家)を通して申し込む方法となります。
認定支援機関を通して申し込みをすると中小企業経営力強化資金という制度が利用できるようになり、基準利率よりも0.2~0.5%低い金利が適用されるのです。特に借入金額が大きい場合はかなり変わってくるので、ぜひ認定支援機関に相談することを検討してみてはいかがでしょうか。
中小企業経営力強化資金については、こちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひご確認ください。
まとめ
今回は、創業融資の返済期間について、スポットをあててご説明してきました。
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駒田会計事務所 代表
税理士・公認会計士 駒田裕次郎
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