創業融資のポイント

時々、耳にする「プロパー融資」とは!?

融資にはいくつか種類があります。その中の一つに「プロパー融資」というものがあります。今回はプロパー融資について、ご説明させていただきます。

プロパー融資とは

プロパー融資とは、保証協会の保証を受けずに金融機関から直接融資を受けることをいいます。

金融機関が直接借入をする方と契約を交わすことによって、融資をします。万が一、借入をする方がお金を返済できなくなると、その損失は金融機関が100%負担しなければなりません。金融機関からすると大きなリスクを伴います。そのため、プロパー融資は必然的に審査が厳しくなるという特徴があります。

それゆえに金融機関がプロパー融資を行う際には、会社の決算書や事業計画書、業績や担保、保証人の信用力などから返済能力を総合的に判断し、融資額・適用金利等を決めます。

たとえば、創業間もない企業などは信用力が低く、プロパー融資を受けることは非常に難しいと言えます。まずは公庫の創業融資など比較的ハードルの低い融資に挑戦するのが賢明です。加えて、公庫の融資を受けられたという事実によって、信用力も上がります。

「プロパー融資」と「保証協会の保証付融資」の違い

信用保証協会は、保証協会が保証人となることで企業が金融機関から融資を受けやすくするための制度で、主に中小企業や小規模事業者のための制度といえます。

そのため、金融機関のプロパー融資の審査より信用保証協会の審査の方が通りやすくなっています。

プロパー融資では担保が必要なことも

金融機関は、融資の際には担保をとることがあります。
それは倒産時や返済が滞った時の回収原資として使うことができるためです。
不動産であれば、競売や任意売却といった方法で、預金であれば相殺という形で債権を回収します。

また、担保で貸付金がカバーされている場合には、金融機関が個別の債権に対して引き当てる貸倒引当金の引当率が減少しますので、金融機関の決算上メリットがあるという一面もあります。

プロパー融資のメリット

保証料がかからない

信用保証協会の保証付融資では、万が一、債務者が返済不能になった時には金額の80%を保証協会が金融機関に支払い(立替払)ます。

したがって、融資を受ける側は信用保証協会に、保証を利用する対価として所定の信用保証料を支払う必要があります。信用保証料の料率は、中小企業・小規模事業者の財務状況などを考慮され、原則として9つの料率区分から適用されます。

借入金額に限度がない

信用保証協会の保証付融資には、保証の限度額があります。無担保の場合には8,000万円、担保を含めれば2億8,000万円です。
一方、プロパー融資の場合には、このような限度額はありません。

プロパー融資のデメリット

プロパー融資は審査が厳しい

繰り返しになりますが、プロパー融資は金融機関が100%貸倒れのリスクを負う融資の為、当然審査はかなり厳しいものになります。

信用保証協会が保証を行うためにも、信用保証協会の審査が必要となりますが、金融機関のプロパー融資の審査より保証協会の保証審査の方がハードルは低いです。

なお信用保証協会の保証付融資の場合でも、信用保証協会の審査に加えて金融機関でも融資審査を行います。

しかしながら、信用保証協会の保証付融資では、将来金融機関が貸倒れとなった時に金融機関が負担しなければならないのは、貸倒れた金額の2割だけのため、信用保証協会の審査が通ると金融機関の審査も通りやすくなります。

プロパー融資を受けるためには

これまでご紹介したように、プロパー融資は審査が厳しいため、プロパー融資を受けるためには、まずは日本政策金融公庫の創業融資や信用保証協会の保証付融資で実績を積むなどの対策が必要となります。

融資に強い認定支援機関に相談する

資金調達を検討する際には、資金調達に精通している認定支援機関に一度相談してみましょう。金融機関が気にする問題点は何か、その問題点を改善するためにはどのような対策が必要かなどについて有益なアドバイスを受けられます。

もちろん、弊社も認定支援機関の一つです。

さいごに

以上、プロパー融資についてご説明させていただきました。資金調達の方法は、プロパー融資や保証協会付融資だけではありません。

前述した公庫の創業融資を活用するのもよいでしょう。

それぞれの方法のメリット・デメリットを熟知している認定支援機関のアドバイスを受け、上手に資金調達を進めましょう。

創業融資 代行サポート(CPA)は、日本政策金融公庫や保証協会の創業融資を専門的に取り扱っている認定支援機関です。

多くの事業主様から公庫の創業融資のご相談を承っており、多くのノウハウと実績を兼ね備えた専門家が在籍しております。

万全の態勢で審査に挑むために、まずはお気軽にご相談いただければと思います。

 

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