シニア起業(高齢者による起業)は、近年増えており、多くの成功事例があります。定年後のセカンドライフで、自分らしい生き方を求める人が増え、長年積み重ねてきたスキルや経験、自分の趣味を活かして起業を考えている人は多いのではないでしょうか。
今回は、シニアの起業成功例などを紹介していきたいと思います。この記事を見て少しでも参考にしていただけますと幸いです。
弊社でも定年後の起業をお考えの皆様の起業サポートや創業支援を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
シニア起業とは?
シニアの定義は曖昧と言われています。公的年金の受給開始年齢や老人福祉保健法における定義では「高齢者」は65歳以上、所得税法や道路交通法では70歳以上です。
シニア起業とは、定年後の50~60代以降に、現役時代の知識や経験を活かし起業することと言えるでしょう。最近では健康寿命の延伸に伴い、定年後に生きがいややりがいを求めて起業する人が増えています。現代では医療の進化もあり、65歳や70歳でもまだまだ若々しい方が多いですね。
シニア起業は、長年培ったスキルや人脈、そして自己資金を活かして、老後の生活をより豊かにする一つの選択肢です。新たな目標に向かって挑戦することで、やりがいを見つけ、経済的な安定も手に入れることができます。
シニア起業の成功例
次に、シニア起業の成功例をいくつかご紹介します。シニア層の豊富な経験や知識、人脈を活かしたビジネスが成長を遂げています。
米粉パン&シフォンケーキの製造販売事業で起業~定年退職を迎えた元銀行員・村上孝博さん
村上さんは60歳で定年退職後、職業訓練プログラム「介護、農業、米粉パン」を受講。直後に東日本大震災が発生し、「社会に役立つ起業を志したい‼」と一念発起して、日本の課題の一つである米の消費拡大の解決を目指して、米粉パン&シフォンケーキの製造販売事業で起業を決意しました。現在は閉店されていますが、横浜で「カフェライサー」を開業し、地域コミュイティの場を運営していました。
NPO法人で起業~世界を舞台に活躍していた元商社マン・古久保俊嗣さん
母校の同窓会で再会した旧友と「男女共同参画社会の創生」に共感し、2004年「NPO法人エガリテ大手前」を起業した古久保さん。「祖父の子育て参画を促進するソフリエ」など独自プログラムを開発し、全国自治体と協働して普及を図っています。2015年には二束の草鞋で務めていた会社を退職して「ソーシャルビジネス」を本格稼働することを決断しました。
日本眠育普及協会を設立~3人の子育てと母親の介護が一段落した橋爪あきさん
橋爪さんは介護中に自身の睡眠障害を患い克服した体験から、「睡眠改善インストラクター」資格を取得。2013年に日本眠育普及協会を設立し「睡眠が変われば人生が変わる」という良質な睡眠(快眠)を得るためのさまざまな眠育普及活動を開始しました。
講師紹介センターで起業~広告代理店に勤めていた藤井敬三さん
定年後10名の仲間と決起し、2004年に元気な高齢者の社会参加を支援するNPO法人シニア大樂(だいがく)を設立した藤井さん。講師紹介センターの事務局長として、現在約500名の得意領域をもつシニア講師をコーディネートしています。また、シニア社会人落語家として「笑いと娯楽の講座」も運営しており大盛況。
犬の散歩ビジネスで起業~化粧品販売会社を定年退職した古田弘二さん
「愛犬のお散歩屋さん(株式会社JTL)」という犬の散歩ビジネスで起業した古田さん。全国FCメンバー70名のネットワークも構築して、年商3億円のビジネスを達成した。普段は個人で活動するメンバーと、月1回勉強会でサービス改善など情報交換するコミュニティがとても楽しいそうです。
ライフネット生命~日本生命を退職した出口治明さん
ライフネット生命保険は、割安な保険料やネットで契約を申し込める生命保険で人気の生命保険サービス会社です。ライフネット生命保険を立ち上げた現会長の出口治明氏は、もともと「日本生命保険」に努めていた経歴があります。58歳で同社を退職したあと、KDDIなど6社から計80億円もの出資を受け、「ライフネット生命保険」を設立。国内・海外の生命保険会社を親会社とせず、独立系生命保険会社として名を馳せるようになりました。
外国人観光客向けのバイクツーリングサービス「FUN RIDE JAPAN」~松林由紀子さん
「FUN RIDE JAPAN」は元CAの松林由紀子さんが立ち上げた会社です。こちらは松林さんが培った英会話、接遇スキルを活かした起業で、日本に訪れる外国人観光客へ「バイクのツーリングサービス」を提供しています。同社ではバイクのツーリングに特化したユニークな内容はもちろん、宿泊手続きやガイド、アテンドなどのサポートを徹底。ニッチな需要を狙ったことで、起業成功を収めました。
シニア起業 成功の特徴
シニア起業家の成功には、以下の要素が共通しています。
- 豊富な経験と知識・・・長年の経験を活かして、特定の分野でニーズを的確に捉えたサービスや商品を提供している。
- 社会的な課題の解決・・・高齢化社会におけるニーズ(介護、健康、生活支援など)に対応する事業が多い。
- 柔軟な思考と技術の活用・・・新しいテクノロジーやSNSなどのインターネットを活用し、シニア層にもアクセスしやすいサービスを提供。
これらの事例からも分かるように、シニア層の起業家は自分の強みを活かし、社会的な課題に対応したビジネスを成功させている例が多いですね。
シニア起業に適している業種
シニア起業に適している業種は、ご自身の経験やスキル、興味関心によって大きく異なります。ご自身が、これまでの人生で最も経験やノウハウを積んだ分野での起業が最も成功確率が高く、創業融資も通りやいと言えます。
しかし、一般的に以下の様な業種が挙げられます。
コンサルティング
特に特定の分野において豊富な経験とスキルを持つ人におすすめです。多くのシニアが幅広い分野でコンサルタントとして活躍しています。
コンサルトの開業方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。
教育・講師業
自身の専門知識や趣味を活かして教えることができます。ニーズの高い分野であれば、効率的にビジネスを回せるでしょう。
不動産賃貸業
すでに不動産を所有している方や退職金などを活用して不動産を購入できる方におすすめです。安定して長期的な収入を得ることができ、リスクも比較的低いといえます。
不動産屋の開業方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。
営業代行
自身の人脈やコミュニケーション能力を活かして他社の営業活動をサポートするビジネスです。長年の経験から得た信頼関係や業界知識を活用することができます。比較的簡単に参入でき、ランニングコストも低く、柔軟な働き方が可能です。
シニアが起業する際の資金調達方法について
シニア起業は一見すると、自己資金や経験を活かして低予算で始められるように思われますが、実際には資金調達が重要です。特に、事務所を構えたり、ホームページを構築する費用など、さまざまな固定費がかかります。また、新規顧客の獲得が難しく、開業初期にはすぐに収入が得られないことが多いため、資金繰りに苦労する可能性があります。
したがって、シニア起業においても資金調達は必須と言えるでしょう。日本政策金融公庫によると、シニア起業家が必要とする起業資金は平均605万円です。起業に必要な資金は、事業内容などによって大きく異なりますが、一般的に必要資金のすべてを自己資金でまかなうことは難しい場合が多いです。また、起業後には予想外の支出が出てくることも念頭に置いておきましょう。
シニアの起業に限った話ではないのですが、起業資金のための資金調達の方法には、以下のような方法があります。
- 全額自己資金で賄う。
自己資金の説明はこちらの記事で詳しく説明しています。
- 他人(家族・親族を含む)から出資を受ける。
- 日本政策金融公庫等の金融機関から創業融資を受ける。
日本政策金融公庫の融資についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
このうち、自己資金で開業できればベストなのですが、起業に必要となる資金を全額自己資金で用意できる方は少数だと思います。
次に、日本政策金融公庫等から融資を受ける方法について見ていきましょう。
融資先の例
下記は、創業や開業時に利用可能な融資先の例です。
【日本政策金融公庫:新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)】
日本政策金融公庫の国民生活事業では、女性の方、35歳未満または55歳以上の方の創業を「新規開業資金」にて支援しており、特別利率で利用が可能です。
【保証協会付き融資】
信用保証協会が保証人となって金融機関から融資を受ける制度です。実際には信用金庫や信用組合が窓口となって融資を行い、保証協会が連帯保証人となります。
【女性・若者・シニア創業サポート2.0(東京都)】
東京都内における女性、若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)で、創業の計画がある方
又は創業後5年未満(女性は7年未満)の方は、固定金利1%以内、無担保無保証での借入が可能です。「地域の需要や雇用を支える事業」であることが求められます。
まとめ
今回は、「シニアの起業」について、スポットをあててみてきました。
創業融資代行サポート(CPA)では、シニア世代の方や定年後の起業に関する相談を多数いただいており、日本政策金融公庫を含む各種の創業融資や創業支援のサポート実績があり、多くのノウハウを持っております。まずはお気軽にご相談ください。お客様にとって最適なアドバイスを行わせていただきます。