これから起業・創業するあるいは事業をはじめて間もない方の中には日本政策金融公庫の創業融資の利用を検討されている方も多いかと思います。
しかしながら、初めて融資審査をするという方は事前にどのような準備をすればよいか気になるところですよね。
今回は日本政策金融公庫の創業融資で審査の前に確認すべき4つのポイントについて紹介していきます。
本記事を見ることで、万全な体制で創業融資の審査に臨むことができ、融資審査通過の可能性を上げることができます。
創業融資とは
創業融資とは創業間もない事業者やこれから創業をする予定の事業者に対する融資制度です。
一般的な融資は、創業者に対して融資するケースはほとんどありません。
融資というのは過去の実績をもとに審査をするので、金融機関は過去の実績がない創業者に対して、融資をして良いか判断できないためです。
そのため、一般的な融資は創業者はほとんど利用できません。
そこで創業者が利用するのが創業融資制度です。
創業融資は創業者を対象とした融資制度ですので、事業実績がない方でも問題ありません。
創業融資制度は大きく分けて日本政策金融公庫の新創業融資制度、各自治体の融資制度、保証協会付きの融資の3つ。
最も利用されているのが日本政策金融公庫の新創業融資制度です。
日本政策金融公庫は政府系金融機関で、創業を支援する目的で事業運営されています。
ですので、創業者に対して柔軟な審査基準で積極的に融資をしています。
しかしながら、だれでも融資審査に通過するわけではありません。
事前にしっかりした準備をしておかなければ、審査に通過することは難しいでしょう。
そこで、次の章では創業融資の審査前に確認すべきポイントについて解説していきます。
創業融資の審査前に確認すべき4つのポイント
創業融資の審査前に確認すべきポイントは下記の4つです。
- 斯業経験は十分か
- 自己資金は貯まっているか
- 信用情報は傷ついていないか
- 創業計画書はしっかりかけているか
具体的に確認していきましょう。
斯業経験は十分か
公庫の創業融資において斯業経験は極めて重要です。
斯業経験とは起業しようと考えている事業と関連する仕事の経験のことをいいます。
斯業経験をしっかり積んでいる事業者の方が開業直後の業績が良くなりやすいため、融資審査の際に重要視する傾向にあります。
実際に日本政策金融公庫総合研究所の「開業者の斯業経験と開業直後の業績」で斯業経験の有無による目標月商達成率をみてみると下記のような調査結果がでていました。
- 斯業経験が1年以上・・目標月商達成率36.5%
- 斯業経験がなし・・目標月商達成率19.6%
明らかに斯業経験を積んだ事業者の方が目標月商を達成しやすく、結果がでやすいということがわかります。
斯業経験がない方は少なくても2年以上の経験を積んでから、創業融資を申し込みすることをおすすめします。
自己資金は貯まっているか
一定の自己資金を貯めてから、審査に申し込むようにしましょう。
自己資金が少なければ、資金繰りの悪化に対応できなくなったり、借入金の返済ができなくなったりするためです。
計画性のない起業とみなされ、審査にマイナス評価になります。
貯めるべき自己資金の目安としては開業資金の2割~3割程度です。
日本政策金融公庫の「2020年度新規開業実態調査」では新規創業者の開業資金に占める自己資金の割合は約22%でした。(開業資金:1,194万円 自己資金:266万円)
このことから最低でも自己資金は開業資金の2割は用意しておきたいところです。
ただし、自己資金を多く見せるために見せ金を使うのは絶対にやめておきましょう。
見せ金とは知人・友人・親族などから一時的にお金を借りて、自己資金を多めに金融機関に見せておき、融資審査が通過したら返すお金のことをいいます。
日本政策金融公庫を騙す行為であり、バレたら一発で審査否決になります。
創業融資審査時には自己資金の出所やどうやって貯めてきたのかを聞かれるうえに、半年間の通帳も提出しなければなりません。
そのため、見せ金は必ずばれますので、絶対にやめてください。
信用情報に傷ついていないか
信用情報が傷ついている場合、創業融資を受けることは難しくなります。
信用情報とは公共料金、税金の支払いやローンの返済などお金の支払いがしっかりなされているかという情報のことをいいます。
信用情報はCIC(信用情報機関)によって、金融機関を中心とする会員で共有しています。
ローンやクレジットカードの支払いが数回遅れている場合、信用できる人物ではないとみなされ、融資を受けることができなくなります。
自分の信用情報を確認したいという方はCIC(信用情報機関)を確認してみましょう。
どのような情報が金融機関内で共有されているか把握することができます。
CICに掲載されている記号は下記の通りです。
- $:請求通りに支払いがされている
- A:請求金額の全ての支払いがされていない
- P:請求金額の一部の支払いがされている
- -:請求がされていない
通常は$のマークが並んでいます。
しかしながら、AやPの記号が複数回ならんでいるときは信用情報が傷ついていますので、創業融資をうけることができません。
CICの情報は原則としてローンやクレジットカードの契約中の場合は2年、契約が終わった場合は5年で消えます。
過去にクレジットカードやローンなど支払いが複数回遅れたことがある方はCICの個人情報が綺麗になってから、または半年以上$の記号が並んでから創業融資を申し込みしてみることをおすすめします。
必要書類がしっかり書かれているか
最後に必要書類が細かく、正確に書かれているかという点も重要です。
創業融資は事業の実績がないため、審査の際、参考にすべきものは書類と面談しかありません。
面談は提出された書類に沿って行われますので、一番重要なのは書類といえるでしょう。
特に重要なのは創業計画書です。
創業計画書は創業者の履歴や事業内容、取引先や事業の見通しなどが記載されている書類です。
日本政策金融公庫の担当者が聞きたいことが1枚に凝縮されています。
ですので、創業計画書を根拠ある数値に基づき正確に記入し、想定される質問内容を事前に用意しておけば、融資審査の通過に大きく近づくのは間違いありません。
「数字が苦手だ」「創業計画書の作り方がわからない」という方は会計事務所に相談することをおすすめします。
会計事務所は銀行融資向けの書類作成に精通しており、融資に通過しやすい創業計画書の作成のお手伝いができるためです。
創業融資 代行サポート(CPA)では今まで数多くの創業融資の書類作成やサポートに携わってきました。
創業融資にお悩みの際はぜひ一度ご相談ください。
まとめ
今回は日本政策金融公庫の創業融資において事前に確認すべき4つのことについて解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通りです。
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創業融資は事前にしっかり準備と対策をしておけば、融資審査に通過する可能性は大きくあがります。
ぜひ本記事を参考にして、万全を期して創業融資の審査に臨んでみてください。
創業融資代行サポート(CPA)では、公庫の創業融資を含め、ご相談に乗らせていただいております。まずはお気軽にお問い合わせください。