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自宅でひとり起業する人が増加!成功する秘訣を解説

現在、自宅でひとり起業を考える人が増えています。
テクノロジーの進化やリモートワークの普及により、ローコストで起業することができるため、自宅ひとり起業は注目される形態の一つとなってきました。
そこで今回は、自宅でひとり起業を成功させるための方法や注意点について詳しく解説します。

自宅でひとり起業する人が増加傾向に

近年では自宅でひとり起業する人が増加傾向にあります。
日本政策金融公庫が実施した「2023年度新規開業実態調査」によれば、開業時の従業員数は以下の通りです

  • 平均従業員数:2.8人
  • 1人:44.9%
  • 2人:22.0%
  • 3人:10.3%
  • 4人:7.3%
  • 5~9人:12.4%
  • 10人以上:3.2%

実に44.9%の起業家が一人で起業していることが分かります

開業時の平均従業員数は近年右肩下がりになっています。
2014年時点では4.0人だったのに対して、2023年では2.8人となっていますので、約10年で1.2名減少しています。
ひとり起業の増加は、働き方の多様化、テクノロジーの進化、起業コストの低下、社会的価値観の変化、政府支援などが背景にあります。
また、副業から本業にするというケースも増えている傾向にあります。
近年、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関する取組について」という資料があるように副業や兼業を推進しています。
このように、現在は起業する環境が以前より整っており、今後もひとり起業する人というのは増えてくる可能性が高いといえるでしょう。

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起業のリスクは現在大幅に低下

以前までは起業のリスクは非常に高いとされていました。
理由は融資をする際に経営者保証が原則だったため、起業の失敗=自己破産に近い環境だったためです。
しかしながら、現在は日本政策金融公庫の新規開業資金があるため、起業のリスクは大幅に低下しています
日本政策金融公庫の新規開業資金は最大7,200万円までの無担保融資を提供し、低金利かつ柔軟な返済スケジュールで経営者の負担を軽減します。
保証人不要のため、家族や知人への影響も最小限に抑えられ、失敗を恐れず新たな挑戦が可能です。
日本政策金融公庫の新規開業資金や起業のリスクについては下記の記事でも記述していますので、ぜひ参考にしてみてください。
https://www.sogyo-support.biz/blog/sougyo/kouko-7200/
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ひとり起業を成功させるコツ

ひとり起業を成功させるには下記のポイントを押さえて、起業することが重要です。

  • 廃業率が低い業種を選択する
  • まずは副業から行う
  • 自己資金を十分にためておく

具体的に解説していきます。

廃業率が低い業種を選択する

廃業率が低い業種を選択することで、成功する可能性が高まります。
以下は2019年度の開業率・廃業率の数値です。

開業率廃業率
宿泊業,飲食サービス業8.7%5.9%
生活関連サービス業,娯楽業6.3%4.8%
情報通信業6.1%4.0%
不動産業,物品賃貸業5.3%3.4%
学術研究,専門・技術サービス業4.9%3.7%
電気・ガス・熱供給・水道業4.9%3.4%
建設業4.8%3.1%
全産業4.2%3.4%
教育,学習支援業4.2%2.9%
小売業4.1%4.4%
サービス業4.1%3.1%
医療,福祉3.9%2.4%
金融業,保険業3.0%3.6%
運輸業,郵便業3.0%2.5%
卸売業2.4%3.4%
製造業1.7%3.0%
複合サービス事業1.1%1.0%
鉱業,採石業,砂利採取業0.8%3.4%
資料:厚生労働省「雇用保険事業年報」のデータを基に中小企業庁が算出
(注)1.開業率は、当該年度に雇用関係が新規に成立した事業所数/前年度末の適用事業所数である。
2.廃業率は、当該年度に雇用関係が消滅した事業所数/前年度末の適用事業所数である。
3.適用事業所とは、雇用保険に係る労働保険の保険関係が成立している事業所数である(雇用保険法第5条)。

中小企業庁 第3節 開廃業の状況

開業率の割合に対して廃業率が低いのが、「情報通信業」「不動産業,物品賃貸業」「建設業」「医療,福祉」となり、成功率が高い業種と言えるでしょう。
一方で、開業率の割合に対して、廃業率が高いのが「鉱業,採石業,砂利採取業」「製造業」「卸売業」「金融業,保険業」「小売業」となります。
これらの中からひとり起業でできる事業アイデアについて紹介していきます。

情報通信業

  1. フリーランスITコンサルタント: 中小企業向けにクラウド導入やセキュリティ対策をアドバイス。
  2. Web制作・デザイン業: 小規模店舗や個人事業主向けにサイト制作や更新代行を提供。
  3. オンライン講師(ITスキル): プログラミングやデータ分析のスキルを教えるオンライン講座を運営。

不動産業,物品賃貸業

  1. シェアスペース運営: ミニオフィスやイベントスペースを予約制で貸し出す。
  2. レンタル収納スペース運営: 個人や企業向けに短期間利用可能な収納スペースを提供。
  3. 家具・家電のレンタルサービス: 単身者や転勤者向けに家具や家電をリース。

建設業

  1. リフォームコンサルタント: 個人のリフォームプランニングやDIYサポートを提供。
  2. 小規模外構工事請負: 庭や駐車場の整備など簡易な施工サービスを提供。
  3. 建築素材販売(オンライン): DIY愛好家向けに特化した建材や工具を販売。

医療,福祉

  1. オンライン健康相談サービス: 生活習慣病予防や栄養指導を提供(管理栄養士・看護師向け)。
  2. 訪問マッサージ・リハビリ: 資格を活かして高齢者向けの在宅ケアを提供。
  3. 介護用品の販売・レンタル: 高齢者や介護者向けにニーズの高い用品をオンラインで展開。

まずは副業から行う

ひとり起業を成功させる第一歩として、副業から始める選択肢もあります
副業起業は、事業を軌道に乗せるための「助走期間」を確保できる点が大きな利点です。
この期間中に事業運営のノウハウを学び、顧客基盤を築くことで、専業移行後の成功率が高まります。
さらに、事業が成り立たないと判断した場合でも、本業を持っているため撤退しやすい点がリスク軽減につながります。
実際、調査では起業家の27.5%が副業を通じて起業を開始しており、専業に移行した人は収入満足度や事業の安定性が専業起業者を上回る傾向があります。(参考 副業起業は失敗のリスクを小さくする―「起業と起業意識に関する調査」(2016年度)より―
ひとり起業に挑戦するなら、副業から始めることで安全かつ着実に成功へ近づけるでしょう。

自己資金を十分にためておく

ひとり起業を成功させるためには、自己資金を十分に確保しておくことが重要です。
起業初期は収益が安定せず、運転資金が不足するリスクがあります。
そのため、起業前に生活費を含めた最低6か月分の資金を貯めておくことをおすすめします。
自己資金が多ければ多いほど、外部からの借り入れを減らすことができ、経営の自由度が高まります。

特に、自宅で起業する場合には初期投資を抑えられるため、設備や広告費、ウェブサイト制作費などに自己資金を優先的に活用することが可能です。自己資金を効率よく貯めるためには、以下の方法が役立ちます:

  • 生活費の見直し: 毎月の固定費を削減し、貯蓄に回す。
  • 副業収入の活用: 副業で得た収益を起業資金として積み立てる。
  • 補助金・助成金の活用: 国や自治体が提供する起業支援金を活用し、自己資金を補う。

さらに、日本政策金融公庫の「新規開業資金」を併用すれば、必要資金の調達を効率化できるため、自己資金を温存しつつ、事業展開に注力することが可能です。

まとめ

今回は自宅でひとり起業を成功させるための方法や注意点について解説してきました。
ポイントは下記の通り。

  • 廃業率が低い業種を選ぶ
    開業率に対して廃業率が低い業種を選択することで、成功の可能性が高まります。情報通信業、不動産業、建設業、医療・福祉分野などは、比較的リスクが低く収益性が高い業種としておすすめです。
  • 副業から始める
    副業として事業をスタートすることで、リスクを抑えながら事業運営の経験を積むことができます。事業が安定するまでの助走期間を確保できるため、顧客基盤を築きやすく、本業を続けながら撤退のリスクも軽減できます。
  • 自己資金を十分に確保する
    生活費を含めた6か月分以上の自己資金を準備することで、起業初期の収益不安定な期間を乗り切ることができます。また、補助金や助成金を活用して資金の負担を軽減することも重要です。
  • 国の支援制度を活用する
    日本政策金融公庫の「新規開業資金」など、無担保・低金利の融資制度を利用することで、経営者の負担を軽減しながら事業拡大に注力できます。保証人が不要な点も、大きな安心材料です。

 

 

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