「新創業融資制度」が廃止となり、それにともない、4月より「新規開業資金」が「新創業融資制度」の要素を引継ぐ形で一部拡充されました。
2024年3月に、公庫の新しい新規開業資金の条件や内容については、こちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひご確認ください。
また、現在の創業融資の審査ポイントについては、こちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひご確認ください。
この記事は廃止された「新創業融資制度」の内容になります。拡充された「新規開業資金」との比較などにお役立てください。
新創業融資制度は、これから事業を始める方、事業を始めて間もない方が無担保・無保証人で利用できる融資制度です。同制度を利用したいものの、審査が不安で申し込めないことはありませんか。このページでは、新創業融資制度の審査基準を解説しています。審査について理解を深めたい方は確認しておきましょう。
目次
新創業融資制度の審査基準について
新創業融資制度の審査で問われるポイントは以下の通りです。
起業・創業する業種での経験
審査で必ず問われるポイントが、起業あるいは創業する業種での経験です。この点は、新創業融資制度の利用要件(満たすべき3要件の1つ)にも挙げられています。
2.雇用創出等の要件(注1)
「雇用の創出を伴う事業を始める方」、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」又は「民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方」等の一定の要件に該当する方(既に事業を始めている場合は、事業開始時に一定の要件に該当した方)
なお、本制度の貸付金残高が1,000万円以内(今回のご融資分も含みます。)の方については、本要件を満たすものとします。
出典: 日本政策金融公庫:新創業融資制度
新創業融資制度を利用するには、「従業員を雇用する」あるいは「起業する業種における通算6年以上の職務経験」などが求められます。
以上は申込の要件なので、実際の審査では起業する業種でどのような経験を積んでいるかが問われると考えられています。審査で経験を確認する理由は、起業家の強みを客観的に評価できるから。当然ながら、経験豊富な方が審査は通りやすいといわれています。審査では、「どのようなポジションで働いていたか」も重視されます。管理職として働いていた、正社員として働いていたなど、アピールできる点は伝えるべきでしょう。ちなみに、未経験の業種でも融資を受けることは可能です。この場合、説得力のある事業計画書などでアピールします。
事業計画書の説得力
起業する業種で十分な経験を有していたとしても、審査に通るとは言い切れません。経験だけで事業を成功させることは難しいからです。新創業融資制度の審査では、事業計画の説得力も問われます。事業計画とは、頭の中にあるアイデアをどのように実現していくか示したもの。通常、事業計画書で説明します。新創業融資制度の審査で問われやすいポイントは、事業計画の立案力、計画の実効性、売上と経費の妥当性、競合他社に対する優位性、認識しているリスクとその解決策などです。創業融資の専門家などからアドバイスを受けつつ、事業計画を立てるとよいでしょう。
信用情報
以上のほかでは、信用情報に問題がないかも問われます。信用情報とは、ローンやクレジットカードの申込、契約に関する情報のこと。「支払遅延(延滞)がある」「ブラックリストに載っている」などに該当すると、融資を受けることは難しくなります。自身の信用情報は、信用情報機関に開示請求を行うことで確かめられます。
新創業融資制度の自己資金の審査
新創業融資制度では、自己資金も審査の対象になります。審査で自己資金をチェックする理由は、自己資金が少ないと返済負担が重くなるからと考えられています。また、起業のために行った努力を把握するためにもチェックされます。自己資金の審査では、どのような点が問われるのでしょうか。
利用の要件は創業資金総額の10分の1
自己資金は、新創業融資制度の利用要件(満たすべき3要件の1つ)にも挙げられています。具体的な要件は以下の通りです。
3.自己資金要件
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます。)を確認できる方
ただし、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」等に該当する場合は、本要件を満たすものとします(注2)。
出典: 日本政策金融公庫:新創業融資制度
新創業融資制度の審査を受けるには、創業資金総額の10分の1を自己資金で用意しなければなりません。創業資金総額が1,000万円であれば、必要な自己資金は100万円です。
10分の1は審査を受けるための要件
ただし、創業資金総額の10分の1にあたる自己資金を用意すれば融資を受けられるわけではありません。10分の1は審査を受けるための要件のひとつです。基本的には、自己資金が多いほど審査に通りやすいとされています。一般的には、創業資金の10分の3程度の自己資金を用意したほうがいいと考えられているので、この金額を目安にするとよいでしょう。
見せ金・タンス預金は自己資金として認められない
自己資金を用意するにあたり気を付けたいのが、見せ金やタンス預金です。見せ金とは、預金残高を多く見せるため一時的に借り入れたお金のこと。見せ金は、基本的に自己資金として認められません。新創業融資制度の審査では、通帳の履歴を調べられるため不自然なお金の動きがあると見せ金を疑われます。タンス預金は自分のお金ですが、お金の出所が不透明なため審査前にまとめて入金すると自己資金として認めてもらえない恐れがあります。新創業融資制度の審査では、預金残高だけでなく貯蓄の過程もチェックされると考えておきましょう。
新創業融資制度の審査に落ちるケース
残念ながら、新創業融資制度の審査に落ちる方はいます。どのようなケースで審査に落ちるのでしょうか。
業界経験が不足している
業界経験が不足していると審査に落ちやすい傾向があります。経験が不足していると事業を成功させる根拠が乏しいため、審査の目が厳しくなるからです。
事業計画がいい加減
事業計画がいい加減な場合も審査に落ちやすい傾向にあります。事業計画は、事業を進めていくための羅針盤であり、第三者に事業の魅力を伝える資料です。事業の全体像を表すものなので、いい加減だと融資は受けられません。融資の審査では、事業の実現性や数字の正確性、借入金額の妥当性などが問われます。慣れていない場合は、専門家のアドバイスを受けながら事業計画を作成しましょう。
信用情報に問題がある
信用情報に問題があると審査に落ちやすい傾向があります。具体的には、多額の借金がある、現在または過去に支払い遅延をしていた、ブラックリストに載っているなどに当てはまると審査に落ちやすくなります。審査に落ちやすくなる理由は、お金にルーズと考えられるからです。新創業融資制度は無担保・無保証で利用できるため、信用情報は厳しくチェックされると考えられています。
新創業融資制度の審査は準備をしてから受けましょう
新創業融資制度の審査では、起業する業種での経験や事業計画の説得力、用意している自己資金、信用情報などが問われます。準備をせずに審査を受けると、融資を受けられない可能性が高いので注意しましょう。事業を始めてから税務申告を2期終えていない方までしか申込めないので、審査に落ちると利用しづらくなってしまいます。審査に不安を感じる場合は、創業融資制度の専門家に相談できます。万全の対策を講じてから審査を受けましょう。
まとめ
今回は、廃止された新創業融資制度の審査基準について、スポットをあててご説明してきました。
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駒田会計事務所 代表
税理士・公認会計士 駒田裕次郎
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