創業融資のポイント

SWOT分析とクロスSWOT分析について!詳しく解説します

創業時に関わらず、事業を行う際にはその前提となる事業計画を立てることが多いと思います。その際に、事業の強みや弱み、事業を取り巻く環境の機会や脅威を分析することになります。
ここでは、その際に用いる「SWOT分析」について説明します。

SWOT分析とはマーケティング戦略立案の為、市場環境を分析できるフレームワークの一つです。

ちなみにSWOTとは

「強み(Strength)」
「弱み(Weakness)」
「機会(Opportunity)」
「脅威(Threat)」

の頭文字をとったものになります。

また、SWOT分析は戦略を決める際の前後、又は両方で使用することがあります。

SWOT分析の結果をもとに戦略を組み立てる場合もあれば、逆に立案した戦略について、SWOT分析を用いて判断していく場合もあります。

自分(自社)の状況に応じて、SWOT分析を使うことでより良い効果を生むといえるでしょう。

SWOT分析を行う上でのポイント

情報の整理

どのようなことを分析対象とするのか。

前提となる条件がメンバー間で共有出来ているかどうかを確認しましょう。

ここにズレが生じていると、前提が異なる条件で結論が出されてしまうことになってしまうかもしれません。

そのような事を防ぐため、情報を共有し認識を一致させるように心がけましょう。

目的の明確化

「とりあえずSWOT分析をやってみるか。」
このような考えで分析を行うのも一つの手だと言えます。

しかしながら、なぜSWOT分析を行う必要があるのか。

課題を解決するため、または目標の達成に向けてなど、分析の目的を明確にしましょう。

その点を意識して行うことで、「とりあえず・・・」の時よりも、より良い結果が生まれるでしょう。

多様な人選

SWOT分析は多角的に行うことが大切です。

同じ分野のメンバーで分析を行っても、なかなか新鮮な意見や発想は出にくいものです。

そのため人事部、経理部、営業部、技術部等、それぞれの専門領域や、これまでのバックグラウンドが異なる人材を集めて分析を行うようにしましょう

そうすることで、新たな化学反応が起こる可能性が高まるでしょう。

プラス要因マイナス要因
内部要因強み(Strength)
目標達成の為にプラス要因となる
弱み(Weakness)
目標達成の為にマイナス要因となる
外部要因機会(Opportunity)目標達成の為にプラス要因となる脅威(Threat)
目標達成の為にマイナス要因となる

 

実務では下記のようにして、項目を記入していきます。
例えば、以下はフィットネス(プライベートジム、パーソナルジム)事業を創業する際のSWOT分析の例です。

強み

・大手スポーツジムでの経験豊富なスタッフが在籍

・男女バランスよくトレーナーが在籍し、老若男女に対応可能

弱み

・競合が増加しており、価格競争が激化

・好立地に店舗があり、家賃が重たい。

・会員のリピート率がそこまで高くない。

機会

糖質制限がブームであり、糖質制限につながるサプリメント販売のニーズが強い。

・コロナ禍では非接触度の高いマンツーマンレッスンのニーズが強い。

脅威

・当店の近くにも競合が出店し、価格攻勢をかけてきている。

・スタッフの人件費が高騰している。

このように自社や創業する事業を取り巻く環境を分析した上で、実際にはどのような戦略で市場(マーケット)に切り込んでいくか(市場シェアを奪っていくか)、検討に入っていく事になります。

なお、分析を行う際に注意する点として、目標達成に貢献するか否かを基準に考えていきましょう。

クロスSWOT分析とは

SWOT分析で抽出した各要素を掛け合わせて戦略を組み立てるのがクロスSWOT分析になります。

クロスSWOT分析を行うためには、分析のもとになるSWOT分析を行います。

まずは機会と脅威の分析を行います。

次に強みと弱みの洗い出しを行います。

ここでいう強みと弱みは長所や短所ではなく、事業により良い影響を与えられると客観的に判断できる部分を抽出することが大切です。

出典:Urumo
https://www.innovation.co.jp/urumo/cross-swot/

それぞれの戦略は下記のようになります。

(強み×機会)= 自分(自社)の強みを活かし、機会を活かす

(弱み×機会)= 自分(自社)の弱みを克服し、機会を活かす

(強み×脅威)= 自分(自社)の強みを活かし、脅威を抑制する

(弱み×脅威)= 弱みと脅威を最低限に抑制もしくは撤退も考える

戦略を組み立てる

クロスSWOT分析を行い、自分(自社)の状況を把握しましょう。

強みは何か、弱みは何か、書き出すことによって自分(自社)と競争相手等の関係性が、より明確になるかと思われます。
今置かれている状況を鑑み、これから何をするべきなのか、最善策を導き出しましょう。

なお、このような分析は、日本政策金融公庫の創業計画書上では直接的には作成が求められてませんが、創業を成功させるためには、ぜひ行っておきたいところです。
創業計画書とセットでSWOT分析の資料を提出することができれば、創業融資の可能性も高まります。

創業計画書の書き方はこちらの記事で詳しく紹介しています。合わせてご確認ください。

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最後に

いかがでしたでしょうか。SWOT分析という言葉を聞いたことがある方は比較的、多いのではないでしょうか。みなさまの参考に少しでもなれば幸いです。

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