フリマアプリの登場や、最近の物価上昇などの影響により、リユース商品が以前より身近になっているのではないでしょうか。
今回は、リサイクルショップの開業について紹介します。リサイクルショップ、リユースショップ開業をご検討の方、この記事を見て少しでも参考にしていただけますと幸いです。
弊社でも創業支援・開業サポートを行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
目次
リサイクルショップ開業に必要な資格は?
リサイクルショップを開くためにはまず、公安委員会に古物商として営業許可を申請しなければいけません。 申請窓口はお店の所在地を管轄する警察署です。申請に必要な書類は個人、法人の場合で若干異なりますが、以下のとおりです。
個人の場合 | 住民票、身分証明書、登記されていないことの証明書(※3)、直近5年の略歴書、誓約書 |
法人の場合 | 住民票、身分証明書、登記されていないことの証明書(※3)、直近5年の略歴書、誓約書、法人の登記事項証明書、法人の定款 |
※3:成年被後見人・被保佐人に登記されていないことを証明するもの
以上が必要な書類ですが、場合によっては店舗の賃貸借契約書のコピーやプロバイダなどからの資料のコピー(ホームページを開設して取引を行う場合など)を含む追加資料の提出が必要になることもあります。
なお、申請時には19,000円の手数料が必要です。もし許可が下りなかったり、途中で申請を取り下げたりした場合でも、手数料は戻ってきません。
申請後、40日以内で申請の許可が下りたかどうかがわかります。許可が下りたらお店をスタートさせることができます。古物商許可を受けた事業者は、取引相手を確認する義務、インターネット上での許可証番号などの表示義務、宝石や貴金属を扱う古物商は疑わしい取引かと疑問を持った場合の届出義務などが生じます。これらの義務を履行することで、盗品売買防止や盗品の早期発見につなげることができます。
申請する場合は、最寄りの警察署のサイトで詳しい情報を確認してください。
参考:古物商許可申請(警視庁)
また、個人事業主として開業する場合には、通常の開業手続きが必要です。併せて、青色申告を希望する場合は、申請書の提出を忘れずに行いましょう。
こちらの記事では個人事業主での起業について詳しく説明しています。
リサイクルショップ開業の流れ
リサイクルショップを開業するには、以下のステップを踏む必要があります。リサイクルショップは中古品を買い取り、販売するビジネスであり、事業計画や法律、仕入れ先などを慎重に計画することが重要です。
1. ビジネスプランの作成
- 市場調査 開業予定地の需要を確認し、競合店の有無やターゲット層(家庭用品、家電、家具、衣類など)を調べます。
- どの種類の中古品を扱うか 家具、家電、衣類、書籍、スポーツ用品など、どこまで商品の種類を扱うのかを決めます。
- 買い取り価格と販売価格のバランス、利益率などを計算します。
2. 資格と許認可の取得
- 古物商許可証 前述にもありますが、リサイクルショップを運営するためには「古物営業法」に基づく「古物商許可証」が必要です。警察署で申請を行いましょう。申請時には、事業主が信用に足る人物であることを確認するための審査が行われます。
- 税務署への届け出 事業を始める前に税務署に開業届を提出し、必要に応じて消費税や法人税の届出も行います。
3. 資金計画と準備
- 初期投資額の見積もり 物件の賃貸費用、内装、商品仕入れ費用、設備(棚やディスプレイなど)の購入費、広告費などを計算します。
- 運転資金 開業から安定するまでの数ヶ月分の運転資金を確保することが重要です。
4. 店舗の選定と準備
- 立地の選定 人通りの多いエリア(駅近、商業施設内など)や、車で行きやすいエリアなど、ターゲットを想定して立地を選びます。
- 店舗の内装 商品を見やすい配置ができるように内装を整えます。中古品を扱うため、雑然として見えやすいため、一定の清潔感を保つことがとても重要です。
5. 仕入れ先の確保
- 買い取り先の開拓 リサイクルショップを運営するにあたって、とても重要なのが仕入れです。これには、個人からの買取(持ち込み)や、他の業者、オークションなどが考えられます。
- 商品チェック 販売する商品は品質や状態をチェックし、破損や欠品がないか、再販可能かどうかを見極める必要があります。
6. 販売戦略を考える
- オンライン販売の活用 店舗だけでなく、インターネットを活用して商品の販売を行うことも検討します。ヤフオク、メルカリ、楽天市場などでの出店が一例です。
- 価格設定 商品の状態や市場価格を考慮して、適切な価格を設定します。競合と比較して競争力のある価格設定が求められます。
7. 広告・集客活動
- SNSやWebサイト Facebook、Instagram、Twitterなどを活用して、商品の情報やキャンペーンを発信します。また、リサイクルショップに特化したWebサイトを立ち上げることも有効です。
- 地域広告 チラシ、ポスター、地域メディアなどで宣伝することも効果的です。
- キャンペーン 開店キャンペーンやセールを行い、初期の顧客を集めます。
8. 運営の開始
- 販売・買取の管理 商品の在庫管理や売上管理をしっかりと行います。また、買取商品の管理(整理、清掃、修理など)も大切です。
- 顧客対応 販売と買取の際にお客様との信頼関係を築き、リピーターを獲得します。
リサイクルショップの開業は、適切な準備と計画を行い、ターゲット層にあった商品とサービスを提供することが成功のカギとなります。中古品の需要は年々高まっているため、ニーズを的確に捉えた事業展開が重要です。
フランチャイズで開業する方法も
リサイクルショップをフランチャイズで開業する方法もあります。フランチャイズについてはメリットデメリットなども含め、こちらの記事で詳しく説明していますのでご参照ください。
リサイクルショップ開業に必要な資金
リサイクルショップの開業資金は、開業形態や物件の規模、立地、設備の有無などによって異なりますが、店舗を構える場合の一例を以下にご紹介します。
項目 | 金額 |
物件取得費 | 100~400万円 |
古物商の営業許可取得費 | 1.9万円 |
内外装工事・設備費用 | 70~100万円 |
初期の仕入費 | 100万円 |
宣伝広告費 | 10万円 |
軽トラック購入費 | 20~30万円 |
合計 | 約300~700万円 |
上記は一例ですが、物件取得費によって、必要な開業資金は大きく異なってきます。
開業資金では、初期費用と運転資金を用意しておく必要があります。リサイクルショップの主な運営資金は以下の通りです。
- 賃貸料
- 人件費
- 水道光熱費
- 買取資金
- 広告宣伝費
軌道に乗るまで3〜6ヶ月分の運転資金を確保しておくと、安心して営業を継続することができるでしょう。運転資金についてはこちらの記事にも説明があるのでご参照ください。
資金調達方法について
一般的にリサイクルショップ開業に必要な資金のすべてを自己資金でまかなうことは難しい場合が多いです。また、開業後には予想外の支出が出てくることも念頭に置いておきましょう。
リサイクルショップ開業に限った話ではないのですが、起業資金のための資金調達の方法には、以下のような方法があります。
- 自己資金
自身が所有する資産を利用する資金調達方法です。自己資金が多いと多くの融資を受けやすくなるというメリットもあります。自己資金の説明はこちらの記事で詳しく説明しています。
- 親・親戚・友人に貸してもらう。
公式な手続きや審査が不要なため、迅速に資金を調達できるほか、低金利または無利息で借りられることが多く、返済期間についても柔軟に設定できる場合が多いです。 - 日本政策金融公庫等の金融機関から創業融資を受ける。
日本政策金融公庫の融資についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
- ベンチャーキャピタル
将来成長が見込めるベンチャー企業やスタートアップ企業の将来の成長を見込んで投資する組織のことです。資金を返済する必要はありませんが、企業が成長や上場したときに株式を売却することで資金を回収します。 - エンジェル投資家
将来成長が見込めるベンチャー企業やスタートアップ企業に出資する個人投資家のことです。投資したお金を企業から直接回収することはせず、将来そのベンチャー企業が株式上場した際の出資金のキャピタルゲインを得ることを目的としている場合が多いです。
このうち、自己資金で開業できればベストなのですが、必要となる資金を全額自己資金で用意できる方は少数だと思います。
また、人脈や家族の力を利用し、「他人からの出資」によって開業資金を賄える方もかなりの少数だと思います。
現実的には、日本政策金融公庫などの金融機関や信用金庫からの創業融資を検討することが多くなると思います。
それでは、具体的に融資を受ける方法について見ていきましょう。
融資先の例
下記は、創業や開業時に利用可能な融資先の例です。
【日本政策金融公庫】
創業・継承、設備投資、研究開発、海外展開など、様々な事業目的に合わせた融資制度がある機関です。特に創業時は積極的な感じが見受けられます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
【保証協会付き融資】
信用保証協会(東京都の場合)が保証人となって金融機関から融資を受ける制度です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
まとめ
今回は、「リサイクルショップの開業」について、スポットをあててみてきました。創業時の融資を含め弊社では、多くの融資実績があります。
また、創業融資代行サポート(CPA)では、多くの事業主様から、日本政策金融公庫の創業融資や創業支援のご相談を承っており、多くのノウハウや情報を持っております。まずはお気軽にご相談ください。お客様にとって最適なアドバイスを行わせていただきます。