日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは?税理士がわかりやすく仕組み・メリット・デメリットを徹底解説!【初心者向け】

この記事を読めばわかること
  • 日本政策金融公庫の仕組みと民間銀行との違い
  • 日本政策金融公庫を利用するメリットとデメリット
  • 創業時に利用できる日本政策金融公庫の融資制度
  • 申込~入金までの詳しい流れ
  • 審査のポイント
  • よく聞く質問【Q&A】

この記事を読めば、日本政策金融公庫が人気の理由と活用方法の全てが分かります。

この記事は、認定支援機関・税理士監修のもと作成しています。公的な情報に基づき、正確な情報を提供します。

1. 結論:日本政策金融公庫は、あなたの事業の夢を叶える「最初のパートナー」です

まずは、この記事の結論からお伝えします。

日本政策金融公庫は、民間の銀行では融資が難しい創業者や中小企業を支えるために国が作った、公的な金融機関です。

そのため、低金利・無担保・無保証で借りられる可能性があり、特にこれから事業を始める方にとっては、最も頼りになる相談相手と言えます。

2. そもそも日本政策金融公庫とは?民間銀行との5つの違い

「日本政策金融公庫」名前は聞いたことがあっても、実際にどんな機関なのか、何をしているのか、ピンとこない方も意外と少ないかもしれません。
そんな方に向けて基本から解説します。

日本政策金融公庫vs民間銀行比較表

項目日本政策金融公庫民間銀行(保証協会の保証付き)
💴限度額7,200万円
※うち運転資金 4,800万円
1,000万円以下の融資から1,000万以上の融資高額な融資資にも対応
💹金利固定金利
2.00~4.50%(基準金利)
※低金利優遇制度あり
固定金利が多い
1%台から3%台
💰自己資金自己資金要件なし融資希望額の1/3程度の自己資金が必要なケースが多い
🏠担保・保証人原則として無担保・無保証人▫️担保:不要なケースが多い
▫️連帯保証人:法人のみ代表者の連帯保証が必要なケースが多い
📅返済期間設備資金20年以内運転資金10年以内※うち措置期間5年以内5~10年が多い
💡審査の視点🔷事業計画の完成度
🔷事業経験
🔷経営者の資質
🔷返済能力
🔷事業の将来性
*金利は令和7年12月1日現在のものです。
*参照:日本政策金融公庫|国民生活事業(主要利率一覧表)

各項目の詳しい説明は、タイトルをクリックすると確認できます。

2-1. 公庫の「基本プロフィール」:読み方・成り立ち・事業内容

国、公庫、国民・企業の関係性【図解】
日本政策金融公庫 仕組み

まずは、日本政策金融公庫がどのような組織なのか、基本的なプロフィールを押さえましょう。 

通称・読み方

正式名称は「株式会社日本政策金融公庫」。
一般的に「公庫(こうこ)」や、前身の名称から「国金(こっきん)」と呼ばれることもあります。 

成り立ち

国が100%出資する政府系の金融機関(政策金融機関)です。
「株式会社」と付いていますが、民間企業とは異なり、国の政策(中小企業支援や地域活性化など)を実行する役割を担っています。 

3つの事業

もともと「国民生活金融公庫」「中小企業金融公庫」「農林漁業金融公庫」という3つの組織が統合してできたため、現在も以下の3つの事業を柱としています。

この記事では、特に創業者・個人事業主の皆さまに最も関係の深い「国民生活事業」の融資について解説します

2-2. 目的が違う:「利益追求」より「社会貢献」

民間銀行日本政策金融公庫
株主への利益還元が大きな目的日本経済の活性化や、創業者・中小企業の支援が目的

まず大きな違いは、組織の目的にあります。

民間銀行

民間銀行は「利益の最大化」が目的です。
株主への利益還元を重視し、融資審査でも「確実に返済できるか」「どれだけリスクが低いか」を見ています。

日本政策金融公庫

一方で、日本政策金融公庫は国が100%出資する政府系金融機関のため、日本経済の活性化や中小企業・創業者の支援を目的としています。
そのため、利益より社会的な意義(政策目的)を優先しています。

2-3. 融資対象が違う:「実績」より「将来性」を重視

民間銀行日本政策金融公庫
過去の実績や信用力を重視するため、創業したばかりの企業は借りにくい事業の将来性や計画を重視するため、創業者でも融資を受けやすい

次に大きな違いは、融資対象です。

民間銀行

民間銀行は、過去の実績や信用力を重視するため、実績が乏しい創業の企業は対象としていません。

日本政策金融公庫

一方で、日本政策金融公庫は創業者の支援を目的としており、事業の「将来性」や「計画性」を重視します。
そのため、これから事業を始める創業者も融資を受けやすい特徴があります。

2-4. 金利が違う:低金利で固定金利が基本

民間銀行日本政策金融公庫
金融機関により金利とタイプ(固定・変動)が異なる低金利かつ固定金利

日本政策金融公庫の大きな特徴のひとつが、低金利かつ固定金利である点です。

民間銀行

民間銀行の場合、金融機関ごとに金利設定やタイプ(固定・変動)が異なります。
条件次第では、日本政策金融公庫よりも低金利で融資を受けられるケースがありますが、銀行から直接融資を受ける「プロパー融資」の場合は金利が高く設定される傾向があります。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の場合、金利は民間銀行よりも低めに設定されています。
さらに、固定金利のため、返済完了まで金利が変わらず資金計画を立てやすいというメリットがあります。

2-5. 担保・保証人の考え方が違う:無担保・無保証の制度が充実

民間銀行日本政策金融公庫
金融機関により異なるが、法人の場合は代表者の連帯保証が必須担保・保証人は原則不要

融資条件で特に確認しておきたいのが、担保と保証人の有無です。

民間銀行

民間銀行の場合、金融機関によって条件は異なりますが、法人融資では代表者の連帯保証が必須となるケースが多いです。

日本政策金融公庫

一方、日本政策金融公庫の創業融資は担保・保証人が原則不要です。
さらに、担保を設定することで基準金利よりも低い金利が適用されます。

2-6. 審査の視点が違う:「事業計画」を徹底的に見る

民間銀行日本政策金融公庫
返済能力や過去の取引実績、信用情報を重視「この事業は本当に成功するのか?」という事業そのものへの評価が中心
民間銀行

民間銀行は、返済能力や過去の取引実績、信用情報を重視しています。
そのため、創業間もない事業者はハードルが高い傾向があります。

日本政策金融公庫

一方、日本政策金融公庫の審査では、「この事業は本当に成功するのか?」という事業そのものへの評価が中心です。
そのため、事業計画書の内容を重要視します。
創業間もない事業者でも「熱意」や「準備」がしっかり説明できれば、融資を受けられる可能性が高いです。

下記の記事で、民間銀行の融資について詳しく解説しています。
👉銀行から創業融資を受けるには?

2-7. お金の仕組みが違う:「預金業務」と「信用保証」の有無

民間銀行日本政策金融公庫
・資金源は「預金」
・多くの場合、信用保証協会による保証が必要(審査が2段階)
・国の財政資金等を原資に融資
・信用保証協会の保証は不要

日本政策金融公庫と民間銀行の大きな違いの一つがお金の仕組みです。

預金業務がない

民間銀行は個人や企業から預かった「預金」を元に、融資を行っています。
そのため、預金者の資金を安全に運用する責任がありリスクの少ない個人や企業を優先して融資する傾向があります。

一方、日本政策金融公庫は国が100%出資している政府系金融機関です。
そのため、国の財政資金などを元手に融資を行います。 
これにより、日本政策金融公庫は事業の将来性や社会的意義を重視した融資が可能となっています。

信用保証協会が不要

民間銀行で創業融資を受ける場合、「信用保証協会」の保証が必要です。
これは、創業時は事業実績乏しく、返済リスクが高いと判断されるためです。
そのため、融資を受けるには銀行と信用保証協会の2つの審査を通過する必要があります。

一方、日本政策金融公庫は独自の判断基準で審査を行います。
また、信用保証協会を通す必要がありません

3. 【本音で解説】日本政策金融公庫から融資を受ける5つのメリットと3つのデメリット

日本政策金融公庫の利用を検討する上で重要なことは、良い面と悪い面を公平に知っておくことです。
ここでは、メリットとデメリットを解説します。

各項目の詳しい説明は、タイトルをクリックすると確認できます。

日本政策金融公庫のメリットは、民間銀行に比べて低い金利で融資を受けられる点です。

融資制度の金利
新規開業・スタートアップ支援資金年2%前後
地方銀行年1.5〜3%前後
信用金庫の保証付き融資年2〜4%前後(保証料含む)
プロパー融資年4%前後
2026年5月現在の目安

さらに、「女性」や「35歳未満、55歳以上の男性」など一定の条件を満たす場合は、特別金利の対象となります
そのため、上記の基準金利よりもさらに低い金利で融資を受けられます。

下記の記事で、日本政策金融公庫の金利について詳しく解説しています。よろしければご一読ください。
👉日本政策金融公庫の金利一覧

日本政策金融公庫は、創業時のように実績ゼロからの挑戦からでも挑戦できる金融機関です。

公庫の「基本プロフィール」で説明した通り、日本政策金融公庫は政府系金融機関で、民間金融機関が補えない創業支援の役割を担っています。
そのため、民間銀行が消極的な創業時の融資を積極的にサポートしています。

日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、原則無担保・無保証人で融資を受けられます。

そのため、万が一事業がうまくいかなくても経営者個人へのリスクや影響が少ない点が大きな特徴です。

日本政策金融公庫は、民間銀行に比べて返済期間を長く設定できる点もメリットです。
返済期間が長いほど、月々の返済額を抑えることができます
その結果、資金繰りに余裕ができ、創業初期の経営が安定しやすいです。
さらに、事業が軌道に乗るまで無理なく返済できる計画を立てやすいのが特徴です。

日本政策金融公庫では、融資後も経営に関するサポートを受けることができます。
たとえば、追加の資金調達が必要になった時や返済計画の見直しが必要になった時に、担当者に資金面の相談をすることが可能です。

前述した通り、民間銀行で保証付き融資を受ける場合は「銀行」と「信用保証協会」の2つの審査を通過する必要があります。
一方、日本政策金融公庫は独自の基準で審査を行うため、日本政策金融公庫のみで完結します。
そのため、手続きの窓口が一本化されていて、スムーズに進めやすい点も特徴です。
(ただし、審査にやや時間がかかる点はデメリットとして後述します)

【要注意】知っておくべき3つのデメリット

日本政策金融公庫は、創業者にとって非常に心強い金融機関ですが、もちろん「良いことばかり」ではありません。
デメリットを正しく理解しておくことが重要です。

各項目の詳しい説明は、タイトルをクリックすると確認できます。

日本政策金融公庫の融資は、申し込みから入金されるまで約1カ月程度かかります。
また、日本政策金融公庫とあわせて検討されることの多い「制度融資」の場合は、2〜3カ月程度を見込む必要があります。

一方、民間のビジネスローンは最短即日で融資を受けられる点が魅力ですが、金利が3%〜18%と高い傾向があります。

下記の記事で、ビジネスローンを紹介しています。
👉事業資金が借りやすい金融機関をランキング形式で解説

日本政策金融公庫は、提出書類の量が多いです。
創業計画書や見積書など、事前に準備すべき書類が多数あります。

日本政策金融公庫の審査は厳しく、特に計画の具体性が求められます。
民間銀行とは異なり、創業時の融資にも積極的かつ担保や信用保証協会の保証が不要な分、事業の将来性や信頼性を独自の基準で厳しくチェックします。
そのため審査は厳しいです。
特に創業融資の場合は実績がない分「事業計画書」が審査の中心になります。
そのため、事業計画の作り込みが甘いと審査で不安要素とみなされ、融資が通らないケースもあります。

4. あなたはどれ?目的別に見る日本政策金融公庫の代表的な融資制度

日本政策金融公庫の融資制度があります。
その中でも、特に利用者が多く、創業段階で活用しやすい代表的な3つの制度を分かりやすく紹介します。

各項目の詳しい説明は、タイトルをクリックすると確認できます。

創業者の多くが利用している、日本政策金融公庫の代表的な融資制度です。
「これから開業したい」「開業して間もない」という方でも利用しやすく、初めての融資に最適です。

項目内容
対象者以下のいずれかに該当する方が対象です。
🔷これから新たに事業を始める方
🔷事業開始後おおむね7年以内の方
融資限度額7,200万円(うち運転資金は4,800万円まで)
金利基準金利:2.40~5.00%
*決算が2期未満の方は、原則として0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)引下げ
返済期間🔷設備資金:20年以内
🔷運転資金:10年以内
*うち据え置き期間5年以内
担保・保証人原則不要
自己資金要件は明記されていませんが、融資希望額の30%程度が望ましいです
*金利は令和8年5月1日現在のものです。最新の金利情報を公庫のHP(金利情報 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】)でご確認ください。
*参照:日本政策金融公庫|新規開業・スタートアップ支援資金

新規開業・スタートアップ支援資金については下記の記事で詳しく説明しています。
👉新規開業・スタートアップ支援資金(日本政策金融公庫)を税理士が分かりやすく解説

中小企業経営力強化資金は、認定経営革新等支援機関(税理士・商工会議所など)のサポートを受けることで、通常よりも有利な条件で融資を受けられる制度です。

公式サイト:新規開業・スタートアップ支援資金(中小企業経営力強化関連)|日本政策金融公庫

この制度は、女性・若者(35歳未満の男性)・シニア(55歳以上の男性)といった、特定の属性を持つ方向けの融資制度です。
新規開業・スタートアップ支援資金より金利が低めに設定されている点が特徴です。

項目新規開業・スタートアップ支援資金中小企業経営力強化関連
(国民生活事業)
女性、若者/シニア起業家支援関連
対象▫️新たに事業を始める人
▫️事業開始後おおむね7年以内の人
▫️新たに事業を始める人/事業開始後おおむね7年以内の人
➕下記の条件を満たす人
▫️中小会計を適用する事業者
▫️新たに事業を始める人/事業開始後おおむね7年以内の人
➕下記の条件を満たす人
▫️女性
▫️35歳未満の男性
▫️55歳以上の男性
資金使途新規事業または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金同左同左
融資限度額7,200万円
うち運転資金は4,800万円まで
同左同左
金利基準金利
2.40~5.00%
特別利率A
2.00~4.60%
特別利率A
2.00~4.60%
返済期間▫️設備資金:20年以内
▫️運転資金:10年以内
▫️うち据え置き期間5年以内
同左同左
優遇内容特別利率が適用特別利率が適用
*金利は令和8年5月1日現在のものです。最新の金利情報を公庫のHP(金利情報 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】)でご確認ください。

新規開業・スタートアップ支援資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)については下記の記事で詳しく説明しています。
👉新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)がおすすめなのは誰?

5. 相談から融資実行までの全7ステップと期間

ここでは、日本政策金融公庫で融資を受けたいけど「実際にどう動けばいいの?」という疑問にお答えします。

日本政策金融公庫 流れ

流れの詳細は下記の記事をご確認ください。
👉申し込みから実行までの流れ完全ガイド

各項目の詳しい説明は、タイトルをクリックすると確認できます。

まずは、日本政策金融公庫に融資の相談をすることをお勧めいたします。
融資申請に必要な書類だけでなく、用意したほうがいい参考資料などのアドバイスももらえます。

次に書類を用意しましょう。

必要書類の詳細は下記の記事で詳しく説明しています。
👉新規開業資金の必要書類一覧

書類の準備ができたら、申し込みましょう。

日本政策金融公庫の支店で面談が行われます。
(面談の目的や面談時に聞かれるポイントは後の章で解説します)

面談日は、申込から数日~1週間程度で担当者から電話で連絡が入り、そこで決定します。

面接については、下記の記事で詳しく解説しています。
👉日本政策金融公庫の融資面談完全ガイド

日本政策金融公庫で提出書類と面談内容を基に審査が行われます。必要に応じて、実際に開業予定地の確認(実地確認)が行われることもありますが、事前に連絡があるため、実地確認前に準備をしておくことが可能です。

約1~2週間程度で審査結果の通知が届きます。
なお、通知の到着前に電話で合否だけ取り急ぎ教えてくれる場合が多いです。

融資が承認された場合は、借用証書などの契約書類が郵送されてきますので、必要事項を記入して返送しましょう。

審査に通過しなかった場合、最低でも6カ月程度の期間を空ければ再度申請することができます
その間に、審査に通らなかったのか原因を分析し、改善できる点を見直しましょう。

原因がわからない場合や、どの融資なら審査に通る可能性が高いのかを知りたい場合は、税理士や認定支援機関など専門家のサポートを受けることをおすすめします。

審査否決のポイントについては下記の記事で詳しく説明しています。
👉日本政策金融公庫 審査否決後の全対策

提出書類に不備がなければ、郵送後1週間程度で指定の口座へ振込手数料が差し引かれて振り込まれます

6. 【最重要】審査に落ちないために!専門家が教える3つの審査ポイント

最も不安に感じる方が多い「審査」について、具体的な対策を解説します。

各項目の詳しい説明は、タイトルをクリックすると確認できます。

ポイント1:創業計画書の完成度

創業計画書は、審査において最重要視される書類です。

創業計画書が最重要視される理由

なぜなら、審査担当者に「この事業は実現可能だ」と納得してもらうためのプレゼン資料だからです。
特に、創業時は実績が少ないため、金融機関は事業の実現可能性や将来性を判断するために創業計画書を見ます。
そのため、精度の高い事業計画書を作成することが重要です。

創業計画書の書き方のポイントは、下記の記事で詳しく説明しています。
👉創業計画書の作り方とコツ|審査に通るポイントを徹底解説

次のような計画書は「実現性に欠ける」と判断され、審査を通過するのが難しくなります。

  • 根拠のない売上予測・希望的観測ばかりの計画
  • 経費や原価の計算が曖昧で、数字の整合性が取れていない
  • 市場調査や競合分析がない
  • 自分の経験や強みが事業内容と結びついていない

ポイント2:自己資金の重要性

日本政策金融公庫の創業融資に、自己資金要件はありません。
しかし、自己資金の有無は重要な審査ポイントです。

自己資金が重要視される理由

なぜなら、「事業への本気度」を示す指標になっているからです。

具体的には、最低でも希望融資額の10%程度、できれば希望融資額の30%程度の自己資金を準備しておくことをおすすめします。

また、審査では通帳コピーを提出する必要があります

日本政策金融公庫の審査では、「自己資金の金額」と同じくらい、その資金をどのように準備してきたかという“過程”が重視されます。

下記の記事で、自己資金について詳しく説明しています。
👉起業で必要な自己資金の目安はいくら?

ポイント3:面談での受け答え

いくら創業計画書を完成度高く作成しても、面談でしっかり説明できなければ審査通過は厳しくなります

面談の受け答えが重要な理由

担当者との面談は、創業計画書だけでは伝わらない「あなたの人柄」や「熱意」「事業計画書の数字をきちんと理解しているか」などを確認するために行われます。

面談時のポイント
面接時のポイント
  • 自分の言葉で説明する
    なぜその事業をやりたいのか、どんな価値を提供したいのかを自分の言葉で伝えることが重要です。
  • 数字の根拠を明確にする
    希望観測ではなく根拠のある計算式を用いて説明しましょう。
  • リスクへの備えを説明できるようにする
    どのようなリスクが考えられ、どのように備えているか具体的に答えられると信頼感が高まります。
  • 身だしなみ・態度も評価対象
    スーツである必要はありませんが、清潔感のある服装が好ましいです。
    また、経営者としての資質も見られていますので、丁寧な態度を心掛けましょう。

質問回答のポイント回答例
なぜこの事業を始めようと思ったのですか?あなたの事業に対する熱意と原体験を伝えてください。子どもの頃からの夢で、15年の勤務で技術と経営を学びました。
見た目は可愛いけれど味がいまいちという声を聞き、おしゃれでかわいく、味にもこだわったカフェを開業したいです。
事業内容を教えてください。提供する商品・サービスの特徴や価格を説明しましょう。ドリンク、ケーキ、軽食を提供するカフェです。
「かわいい」をコンセプトにしており、内装やスタッフの制服にもこだわっています。
また、お客様の写真撮影サービスも行っています。
業界経験はありますか?これまでの業界での勤務経験を説明しましょう。飲食業界で15年間勤務してきました。
株式会社〇〇コーヒーで〇年間勤務し、そのうち店長を〇年間経験しました。
□□株式会社では本部に勤務し、新店舗のオープンから運営まで携わりました。
自己資金はどうやって貯めましたか?貯蓄期間、毎月の貯蓄額など、具体的な方法を説明しましょう。〇年間、毎月〇万円を積み立てました。
目標の1000万円を用意できたため、開業に踏み切りました。
自己資金以外に、資金調達はどのように考えていますか?融資で資金調達を検討していることを伝えましょう。日本政策金融公庫の創業融資を利用する予定です。自己資金と合わせて、開業資金は十分に確保できる見込みです。
競合との差別化ポイントを教えてください。他店とは異なる独自の強みやサービス内容を説明しましょう。インパクトのある「かわいい」ドリンクや軽食を提供する点です。
内装やスタッフの制服まで統一感のある“かわいい世界観”を徹底し、写真を撮りたくなるような空間を演出しています。
売上予測の根拠を教えてください。売上や費用、利益などの数字の根拠を具体的に説明することが求められます。通行量データと周辺カフェの実績をもとに、平均客単価〇円、平日〇人・休日〇人の来店を想定し計算しています。
返済はどのように行いますか?
返済の見通しは?
事業の収益見込みに基づいて、どのように返済していくかを明確に説明しましょう。月間の利益から返済額を十分に確保できる計画で、無理のない返済スケジュールを立てています。
具体的には、融資返済は月◯万円を予定しており、利益の中から確実に返済していける見通しです。
事業を始めるにあたって、どのようなリスクが考えられますか?競合の出現、景気変動、人材確保の難しさなど、具体的なリスクを挙げましょう。近隣エリアに同様のコンセプトの店舗が出店する可能性があります。
また、スタッフの定着率が低い場合、サービス品質に支障をきたす可能性があります。
そのリスクに対して、どのように対応しますか?  上記のリスクに対する具体的な予防策や、万一発生した場合の対応策を説明しましょう。他店では体験できないサービスを提供します。
また、働きやすい環境づくりと丁寧な研修体制を整え、スタッフが長く働ける職場を目指します。
その他、何かアピールしたいことはありますか?これまでの質問で伝えきれなかった強みをアピールしましょう。SNSを積極的に活用し、話題性のあるメニューや店内の様子を発信していきます。
ファンを増やし、長く愛される店舗を目指します。

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7. 日本政策金融公庫に関するよくある質問(Q&A)

ここまでで解消しきれなかった細かい疑問に、Q&A形式でお答えします。

各項目の詳しい説明は、タイトルをクリックすると確認できます。

自己資金は最低いくら必要ですか?

明確な基準はありませんが、一般的には、自己資金の3倍程度が1つの目安といわれています。
たとえば自己資金が300万円なら、900万円前後の借入が可能なイメージです。
ただし、これはあくまで目安であり、事業内容・経験・実績・計画の具体性などによっては、それ以上の金額が認められるケースもあります。
一方で、自己資金が少ない場合は希望額を減額される可能性もあります。

赤字決算だと借りられませんか?

いいえ、赤字がある場合でも創業融資を受けられる可能性はあります。
大切なのは、赤字の理由や今後の改善計画をどのように説明できるかです。
日本政策金融公庫や保証協会に対しても、しっかりと整理した資料と説明を用意することで、前向きに評価されるケースがあります。

個人信用情報に問題があると難しいですか?

クレジットカードやローンの延滞履歴は信用情報に記録されており、信用情報に問題があると審査に通るのは難しい可能性が高いです。
そのため、信用情報に傷がある場合は、記録が消えるまで待ち、問題のない状態で申請することをおすすめします。
なお、延滞や滞納の記録は一般的に5年で削除されます。

税理士などの専門家に依頼するメリットは何ですか?

専門家に依頼することで審査の通過率を高めることが可能です。また、融資額の減額を防ぎ、希望額での融資実行の可能性が高まります。
さらに、融資申請に必要な書類作成や手続きの手間を大幅に削減でき、初めての方でも安心して準備を進められます。

下記の記事で、専門家に依頼するメリットを詳しく解説しています。
👉創業融資の認定支援機関とは?必要な理由・メリット・費用相場と失敗しない選び方を税理士が解説

審査に落ちてしまったら、もう再申請はできませんか?

審査に落ちてしまっても、最低半年の期間を空ければ再申請できます。
再申請に向けて、まずは担当者に審査に落ちてしまった理由を確認しましょう。
担当者によっては、教えてくれない場合もありますが、自己資金が少ないなど審査に不利になった点を教えてくれる場合もあります。
そのうえで、事業計画や収支計画を改めて見直しましょう。

また、専門家(税理士、公認会計士、認定支援機関等)に依頼することで、審査に落ちたポイントを分析してもらうことが可能です。
再申請の場合は、「前回審査に落ちた原因を改善しているか」が審査の重要ポイントになります。
そのため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

8. まとめ:不安が解消されたら、まずは専門家に相談してみよう

今回は、日本政策金融公庫について解説しました。

記事の詳細
  • 日本政策金融公庫は国が作った金融機関のため、利益ではなく社会貢献を目的としている
  • 日本政策金融公庫のメリット
    • 金利が低い
    • 創業時の融資に積極的
    • 無担保・無保証人
    • 返済期間が長い
    • 融資後も資金調達の相談ができる
    • 窓口が一本
  • 日本政策金融公庫のデメリット
    • 融資実行まで1カ月程度かかる
    • 提出書類が多い
    • 事業計画をしっかり作る必要がある
  • 審査のポイント
    • 創業計画書の完成度
    • 自己資金
    • 面談の受け答え

日本政策金融公庫の融資は、正しく準備すれば創業者にとって非常に心強い制度です。
しかし、審査書類の作成や資金計画の立て方に不安を感じる人も多いでしょう。

一人で悩まず、まずは創業融資のサポート実績が豊富な税理士や認定支援機関など専門家に相談することが、成功への一番の近道です。

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駒田会計事務所【コマサポ】 
代表 駒田 裕次郎
(税理士・公認会計士・認定支援機関)

   監修: 駒田 裕次郎 駒田会計事務所【コマサポ】代表
【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金サポートを中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。
【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2026年4月末現在)
【所有資格】
・日本公認会計士協会 東京会所属(第26214号)
・東京税理士会所属(第118805番)
・経営革新等支援機関(認定支援機関)
コマサポ代表 駒田裕次郎
「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。
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