日本政策金融公庫

【5分でわかる】日本政策金融公庫と信用保証協会の違いを徹底比較!あなたに合うのはどれ?融資のケース別診断

これから創業する方、資金繰りに悩む経営者の方にとって、どの金融機関で融資を受けるかによって、将来的な資金調達方法も左右されてきますね。

  • ずっと公庫で借り続けるか?
  • いつかはプロパー融資に切り替えるのか?

その選択は事業の未来を左右する重要な分岐点でもあります。

この記事では、専門知識がなくても自分に最適な選択が導きだせるようになっています。さっそく読み進めてください。

【結論】1分でわかる!あなたの状況に合うのはどれ?ケース別診断フローチャート

まずは簡単に、ご自身にはどれが合うのか確認しましょう。

融資先診断フローチャート

【図解】そもそも何が違う?公庫と信用保証協会の役割をイメージ図で解説

日本政策金融公庫(以下、公庫)と信用保証協会、漢字で並べるとどちらも公的な雰囲気で役割も似ていそうな感じがしますね。

しかし、

  • 公庫 = 直接融資
  • 保証協会 = 金融機関に対する債務保証

という具合に役割は全く違いますので、詳しくみていきましょう。

公庫は、民間金融機関ではなく国が100%出資している政府系金融機関で、事業の目的が「民間金融機関を補完して国民生活の向上に寄与すること」です。

国民の創業を後押しするため、民間金融機関では融資が難しい方でも利用しやすく、金利も低く設定されています。

事業者は公庫に融資の申込を行い、公庫は審査実施後に融資を実行します。

日本政策金融公庫と事業者の関係 イメージ図

信用保証協会は、創業間もない、資金や実績がまだない中小企業・小規模事業者の方が融資を受ける際に、民間金融機関への返済を保証する役割を担っています。

信用保証協会が事業主に融資をするのではなく、事業主が融資の返済が困難になった場合に、信用保証協会が立て替えて返済を行います。

この融資方法が保証協会付き融資です。

🟨事業主
信用保証協会に保証料を支払う
金融機関に融資の返済をする

🟨信用保証協会
金融機関に対し、事業主の債務を保証する

🟨金融機関
保証によって貸倒リスクが低くなり、審査を通しやすくなる

▼保証協会付き融資の仕組み

保証協会付き融資 イメージ図

「制度融資」はどこに位置づけられる?

制度融資は、保証協会付き融資と基本構造がほぼ同じで、融資実行者は民間金融機関です。

保証協会付き融資との違いは、地方自治体が主体である点です。

保証協会付き融資と同じく、信用保証協会が事業者の債務を保証するため、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受けやすくなります。

また、自治体が金利や信用保証料の一部補助といった支援をしていることが多く、実質的な負担を軽くしながら融資を受けられます。

🟨事業主
信用保証協会に保証料を支払う
金融機関に融資を返済する

🟨信用保証協会
金融機関に対し、事業主の債務を保証する

🟨金融機関
保証によって貸倒リスクが低くなり、審査を通しやすくなる

🟨地方自治体
保証料や金利に対して補助を行い、事業主の負担を軽減する

▼制度融資の仕組み

制度融資 イメージ図

【完全比較】7つの重要項目で違いを徹底解説

制度融資で金利、保証料ともに自治体の補助がある場合、コストが最も低くなります。

🟨公庫
金利負担のみ

🟨保証協会付き融資・制度融資
金利 + 保証料

公庫金利のみ
創業融資の場合:2.50~5.20%(基準金利)
保証協会付き融資金利 + 保証料
制度融資金利 + 保証料
自治体によっては金利、保証料ともに補助あり
*金利は令和8年7月1日現在の数字

🟨担保・保証人をつける場合
保証協会付き融資が融資限度額が最も大きい

🟨無担保・無保証人の場合
公庫と保証協会付き融資がほぼ同じ水準

融資額については、担保や保証人の有無に関係なく自己資金の3倍程度になる傾向があります。

公庫新規開業・スタートアップ支援資金の場合
7,200万円(うち運転資金4,800万円)
保証協会付き融資無担保の場合:8,000万円
有担保の場合:2億8,000万円
*創業関連保証の場合:3,500万円
制度融資1,000~2,000万円
*自治体によって異なる

公庫が最も速い傾向にあります。

保証協会付き融資と制度融資は、金融機関と保証協会の2段階審査を行うため、公庫に比べて時間がかかります(平均3か月)。

ただし、どの融資でも書類に不備があると再提出などで時間がかかります。必要書類や記載内容に漏れがないか、事前確認が重要です。

公庫申込から融資実行まで約1~1.5か月
◆申込~面談:約1~2週間
◆面談~結果通知:約1~2週間
◆結果通知~入金:約1週間
保証協会付き融資申込から融資実行まで約1~3か月
◆申込~審査:約1~2か月
◆契約手続き:約1~2週間
◆入金:数日~約1週間
制度融資申込から融資実行まで約1~3か月
◆申込~審査:約1~2か月
◆契約手続き:約1~2週間
◆入金:数日~約1週間

一般的に、どの金融機関でも融資審査で重要視されるのは「返済能力」で、主に以下3点を確認されます。

  1. 事業の将来性
  2. 財務の健全性
  3. 実績や信頼性

そのため、実績や事業計画、経営者の信頼性などに対する「裏付けデータ」が重要です。

創業時だけは、公庫の審査の観点が違います!

公庫は創業を後押しするため「どのような人物か(信用できるか)」を重視する傾向があり、審査で主に確認されるのは以下3点です。

  1. 自己資金を用意した過程
  2. 事業にかける熱意
  3. 事業の計画性

いずれの融資制度も、担保・保証人は不要な場合が多いです。

ただし、保証協会付き融資と制度融資では、法人の場合のみ代表者が保証人になることを求められます

その場合でも、法人代表者以外の第三者が連帯保証人になることを求められることはありません

公庫原則として無担保・無保証人
保証協会付融資<担保>
8,000万円までは無担保
<保証人>
◆個人事業主:原則不要
◆法人:代表者のみ
制度融資◆無担保・無保証人のところが多い
◆法人の場合は代表者が保証人になるなど、自治体による

手続きに関する内容は、いずれも電話で相談可能です。
来店予約が必要な場合が多いですが、事業計画に関する相談など、手続き以外の相談も可能です。

公庫創業サポートデスクにて経営相談が可能
◆全国に支店があり、直接相談が可能
◆担当者と直接やり取りできる
保証協会付き融資創業・起業時の相談窓口にて経営相談が可能
◆申込窓口は地域の信用金庫や地方銀行
◆商工会議所が窓口になっているケースもあり
制度融資経営相談窓口にて相談が可能
◆申込窓口は自治体
日本政策金融公庫の融資相談は怖くない!準備〜当日の流れ、審査に通るコツを税理士が徹底解説 この記事を読めば分かること 日本政策金融公庫の融資:入金までの流れ 「事業計画書」はなぜ必要か?記載のポイントは? ...

既にどこかの金融機関と取引があり、新たに他の金融機関から融資を受ける場合、既存金融機関の心証が悪くなるのでは、と心配されるかもしれませんがそこは問題ありません。

🟨WIN・WINの関係になるケース
保証協会付き融資を取引先金融機関に申し込むケースです。

金融機関にはリスクを抑えた融資実績ができるメリットがあり、申込者は、現在の関係を維持・強化しながら融資を受けられます。

🟨問題がないケース
公庫に融資を申し込んだり、保証協会付き融資や制度融資を他の金融機関に申し込むケースです。

返済能力を評価されていることになり問題はなく、これにより既存金融機関の心証が悪くなることはありません。

【実践編】ケース別!あなたに最適なのは公庫、保証協会付き融資、制度融資のどれ?

推奨:日本政策金融公庫

<推奨理由>
🟨創業支援に積極的
🟨事業実績がなくても将来性や事業計画の内容を審査
🟨低金利の「新規開業・スタートアップ支援金」が利用可能
🟨返済期間が長い(設備資金:20年、運転資金:10年)
🟨無担保・無保証人
🟨決算が2期未満の場合は、金利が原則として0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)引下げられる

【2026年最新】日本政策金融公庫の金利一覧|個人事業主向け融資と金利を下げる2つの方法を税理士が解説 この記事でわかること 日本政策金融公庫とは?金利が低い理由について 公庫と民間金融機関の金利の決まり方の違いについて ...

推奨:保証協会付き融資

<推奨理由>
🟨既存の取引金融機関との関係性を活かせる
🟨すでに取引実績があれば、審査がスムーズに進む可能性がある
🟨プロパー融資が難しい場合の次の選択肢として有効

推奨:保証協会付き融資日本政策金融公庫

<推奨理由>
🟨保証協会付融資
すでに口座があり、良好な関係を築けている金融機関経由であれば、審査期間が短い可能性がある


🟨公庫
書類を完璧に準備できた場合、審査期間が1日~数日に短縮される可能性がある

推奨:日本政策金融公庫、制度融資

<推奨理由>
🟨公庫
「女性、35歳以下、55歳以上」などの条件を満たすと基準金利より0.4%下がる特別利率があり、決算が2期未満の場合はさらに0.65%下がるため、1%台になることがある。


🟨制度融資
金利と保証料の補助をしている自治体があり、金利と保証料を合わせても1%台になることがある。

<制度融資の例>
渋谷区|区の中小企業事業資金融資あっせん制度 
個別企業(法人・個人事業主)向け、小口資金(一般)の場合
金利:利用者負担1.0%以内
保証料:東京都より信用保証料を2分の1補助

融資申込の具体的な流れと必要書類

公庫 申込から入金までの流れ イメージ図

まずは、最寄りの公庫に融資の相談をすることをお勧めいたします。
その際に、必要書類や手続きについて詳しい説明を受けられます。

📞相談方法

🔷相談ダイヤルに電話する
🔷支店に来店(要予約)
🔷Web相談(要予約)

来店相談を希望する場合は、開業予定地に一番近い支店が担当になります。
一番近い支店が分からない場合は、日本政策金融公庫 支店検索から検索できます。

次に、以下の必要書類(創業時)を準備します。

条件書類名入手場所ワンポイント
アドバイス
必須書類創業計画書日本政策金融公庫最重要書類です。
しっかり作成しましょう。
本人確認書類(顔写真付き)
🔹運転免許証
🔹マイナンバーカード
🔹パスポート
スキャンでもスマホ撮影でも可。
裏面に記載がある場合は両面とも提出が必要です。
郵送で申請する
※現在はインターネット申込が主流です。
借入申込書 日本政策金融公庫記入例を参考に作成しましょう。
法人登記簿謄本(履歴事項全部証明書)🔹法務局の窓口
🔹登記ねっと 供託ねっと(ネット申請)
法務局の窓口は即日発行ですが、ネット申請は手元に届くまで時間がかかります。
許認可等が必要な業種許認可証・資格または免許を証明するもの書類によって異なる必要な書類は業種により異なります。
🔹飲食店:食品衛生法に基づく営業許可
🔹美容業:美容師免許・営業許可
🔹宅建業:宅地建物取引業免許
🔹古物商:古物商免許
🔹人材派遣・人材紹介業:派遣事業の許可や紹介事業の届出
設備費用を申請する設備に関する見積書実在する業者名入りの正式な見積書を用意しましょう。
創業前に購入したものの注文書・領収書などネット購入品は掲載されている商品ページと注文履歴を添付します。
不動産を担保にする不動産の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)🔹法務局の窓口
🔹登記ねっと 供託ねっと(ネット申請)
法務局の窓口は即日発行ですが、ネット申請は手元に届くまで時間がかかります。
生活衛生事業申込者
どちらか1点
🔹都道府県知事の「推せん書」
各都道府県の保健所都道府県知事の「推せん書」は、設備資金申込金額500万円以下の場合は不要です。
🔹生活衛生同業組合の「振興事業に係る資金証明書」各業種の全国生活衛生同業組合中央会
電子契約サービス利用希望者以下の2点
🔹電子契約サービス(国民生活事業)利用申込書
🔹送金先口座の預金通帳の写し
日本政策金融公庫記入例を参考に作成しましょう。

創業計画書のテンプレートは、日本政策金融公庫 各種書式ダウンロードからダウンロード可能です。

書類が整ったら申込に移ります。

💻申込方法

🔷インターネット
🔷支店窓口
🔷郵送

現在、インターネット申し込みが主流となっています。

日本政策金融公庫の支店で面談が行われます。
面談日は、申込から数日~1週間程度で担当者から電話で連絡が入り、そこで決定します。

その後、郵送で面談日に必要な書類などの案内が届きます。
面接時に必要な書類は下記の通りです。

項目種類・特記事項
いずれか1点
🔷源泉徴収票
🔷確定申告書(過去2年分)
店舗・自宅の賃貸借契約書🔷物件を契約済:賃貸借契約書
🔷物件の契約前:「賃貸借予約契約書」
通帳の写し(過去6か月分)🔷通帳が複数ある場合は、全て印刷しましょう
🔷申請日より過去6か月分の記載箇所まで必要です
実印
印鑑証明
水道光熱費の支払履歴が判明する資料(過去3か月分)🔷滞りなく支払いを行っていることが大前提です
🔷もし滞納がある場合は、支払い完了まで申請は控えましょう
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日本政策金融公庫で提出書類と面談内容を基に審査が行われます。

面談後に、実際に開業予定地の確認(実地確認)が行われることもありますが、あらかじめ連絡があるため、実地確認前に準備をしておくことが可能です。

面談後、約1~2週間程度で審査結果の電話連絡がきます。

ごくまれに、可決の場合は郵送で結果通知と契約書類が一緒に届くことがあります。
借用証書などの契約書類が郵送されてきたら、必要事項を記入して返送しましょう。

提出書類に不備がなければ、郵送後1週間程度で指定の口座へ振込手数料が差し引かれて振り込まれます。

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保証協会付融資 申込から入金までの流れ イメージ図

保証協会付き融資は、メガバンクをはじめ信用金庫や地方銀行など地域の金融機関で取り扱いがありますので、まずは希望の金融機関に相談しましょう。

保証協会付き融資によって金融機関と信頼関係が構築できたなら、将来的にプロパー融資につながる可能性があります。
どの金融機関とお付き合いしていきたいかを考えて選択しましょう。

申込後には、金融機関で審査が行われます。

金融機関が信用保証協会へ保証依頼をします。

信用保証協会で審査が行われます。

保証協会の審査基準

🔷利用条件を満たしているか*
🔷資金の用途が明確で、根拠があるか
🔷事業実績(創業融資を除く)
🔷返済能力
🔷経営者の信頼性

*例:全国信用保証協会連合会「初めての融資と信用保証」

信用保証協会が、審査結果を金融機関に連絡します。
保証が承諾された場合、金融機関から申込者に融資承認の連絡があります。

金融機関の所定の方法で契約し、契約締結後に指定口座に入金されます。

  1. 自治体の窓口で融資あっせんの書類を発行してもらう
  2. 金融機関であっせんの書類を添えて申し込みをする
  3. 申込後は保証協会付融資と同じ流れになる

【Q&A】公庫と保証協会、制度融資に関するよくある質問

可能です。
それぞれ審査は別に行われますが、より大きな資金調達が実現できるケースがあります。

ただし、総借入額が過大にならないよう注意が必要です。
また、同じ目的で2つの機関に同時申込はできません

組み合わせ可否説明
公庫 × 保証協会付融資OK中小企業で最も多く利用される組み合わせです。
公庫 × 制度融資OK創業融資を公庫、設備資金を自治体の利子補給を受けられる制度融資で調達、という組み合わせは賢い選択です。
保証協会付融資 × 制度融資OK資金用途が別であれば問題ありません
同じ目的で2つの機関に同時申込NG使途が同じ目的の場合は同時申込できません。
<例>設備導入費300万円を、公庫と保証協会から両方借りる

可能です。

ただし、すぐに再申込しても結果は同じになりますので、審査に落ちた原因(事業計画、自己資金など)を分析・改善してから、最低でも半年程度は期間を空けて挑戦すべきです

非常に大きいです。

事業計画書のブラッシュアップや面談対策、金融機関の紹介など、専門的なサポートを受けることで審査通過率が格段に上がります

手数料はかかりますが、結果的に時間と機会損失を防げるメリットがあります。

まとめ:最適な選択で、事業の成長を加速させましょう

今回の記事のポイントは、以下のようになります。

  1. 公庫 = 直接融資
    保証協会 = 金融機関に対する債務保証
  2. 創業時は公庫
  3. 実績があるなら保証協会付き融資
  4. 金利などの自治体の補助がほしいなら制度融資
  5. コスト、スピード、審査の観点など、多角的に比較して判断することが重要

事業成功のためには、最適な資金調達方法を選ぶことが重要です。

融資は、申請する機関によって審査でアピールすべき点が異なってきます。
特に公庫の創業融資は、実績がまだない点を自己資金の形成過程や事業計画の内容説明でカバーしていく必要があり、個人で準備をするのが難しい面があります

もし判断に迷う場合は、一人で抱え込まず、税理士や認定支援機関などの専門家に相談することをお勧めいたします。

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駒田会計事務所【コマサポ】 
代表 駒田 裕次郎
(税理士・公認会計士・認定支援機関)

   監修: 駒田 裕次郎 駒田会計事務所【コマサポ】代表
【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金サポートを中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。
【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2026年4月末現在)
【所有資格】
・日本公認会計士協会 東京会所属(第26214号)
・東京税理士会所属(第118805号)
・経営革新等支援機関(認定支援機関)
コマサポ代表 駒田裕次郎
「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。
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