融資の申請の際には必要となる創業計画書や事業計画書。作成したことがない方が多いかと思います。ですが、創業時の融資を獲得するには、創業計画書の作成は避けては通れないものです。
初めて記入する方でもお手本があるとイメージが掴みやすいですよね。そこでこの記事ではすぐに使える創業計画書のフォーマット業種別15種類のダウンロード方法や書き方のコツ、チェック方法までわかりやすくご紹介いたします!
こちらのリンク先から無料でひな形をダウンロードできますので、ご自身の事業に近いものをお使いいただけます。

監修: 駒田 裕次郎(こまだ ゆうじろう)
駒田会計事務所 【コマサポ】代表
【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金支援を中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。
【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)
【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関
「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。
目次
融資を申し込む際に必要な「創業計画書」は、審査を受けるうえでとても大切な書類です。実は、この計画書には審査に通りやすくするための、ちょっとしたコツやポイントがあるんです。
【コマサポ】では、これまでたくさんの方の創業計画書作成をお手伝いしてきた実績があり、わかりやすく、スムーズに進められるサポートが可能です。「どう書けばいいのかわからない」「この内容で大丈夫かな?」と不安な方も、どうぞお気軽にご相談ください。
創業計画書フォーマット
15業種別フォーマット一覧(コマサポ作成)
業種別に使える創業計画書フォーマットは、以下よりダウンロードいただけます。各業種の特性を踏まえて作成されており、実際の創業計画書作成時に役立つ内容となっておりますので、ぜひご活用ください。
日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」 創業計画書テンプレート一覧 |
カフェ・喫茶店|創業計画書 |
居酒屋|創業計画書 |
キッチンカー|創業計画書 |
ラーメン店|創業計画書 |
美容室|創業計画書 |
ネイルサロン|創業計画書 |
エステサロン|創業計画書 |
整骨院|創業計画書 |
パーソナルジム|創業計画書 |
ネットショップ|創業計画書 |
IT|創業計画書 |
デイサービス|創業計画書 |
人材紹介|創業計画書 |
NPO|創業計画書 |
民泊|創業計画書 |
【上記テンプレートダウンロード方法】
テンプレートはGoogleドキュメントで作成しております。ご使用の際は以下の手順でダウンロードの上、ご利用ください。
①「ファイル」⇒「コピーを作成」
②名前を変更、「コピーを作成」をクリックして保存
※ご自身の事業内容や方針に合わせて適宜カスタマイズしてご使用いただきますようお願いいたします。
日本政策金融公庫
弊社でも、創業時の融資として最もおすすめしている日本政策金融公庫の創業計画書です。フォーマットは日本政策金融公庫各支店にも用意がありますが、ダウンロードすることも可能です。
創業融資に日本政策金融公庫がおすすめな理由はこちらをご覧ください。
地方自治体(制度融資)
次におすすめしている融資は地方自治体の行う制度融資です。以下にいくつかの自治体を掲載しています。こちらについては自治体ごとに条件や提出書類も異なるため、対象となる自治体によく確認が必要です。
自治体 | 制度名 | 創業計画書 |
東京都 | 東京都中小企業制度融資『創業』 | |
立川市 | 創業資金 | 創業計画書 |
千代田区 | 千代田区商工融資あっせん制度(起業資金) | 創業計画書 |
渋谷区 | 創業支援資金 | 創業計画書もしくは事業内容説明書 |
板橋区 | 創業支援融資 | |
目黒区 | 中小企業創業支援資金融資 | |
江東区 | 創業支援資金融資 | 創業計画書及び履歴書 |
三鷹市 | 創業資金融資あっせん制度 | |
横浜市 | 創業おうえん資金 | 創業・再挑戦計画書 |
さいたま市 | さいたま市中小企業融資制度 | 創業支援資金計画書 |
長野県 | 信州創生推進資金 | 創業計画書 |
創業計画書と事業計画書の違い
作成時期や目的
混同しやすい事業計画書との違いですが、簡単には以下のような違いがあります。
創業計画書・・・これから始めようとしている事業の内容や見込みを示すための書類で、起業・開業前に作成する。
事業計画書・・・すでに事業を行っている事業者が、どういう事業を行っているかを説明するための書類で、事業者が、融資や補助金の申請、出資者への情報共有を行う際に作成する。
詳しくはこちらの記事で説明しています。

創業計画書 記入例と書き方のコツ
飲食店の創業計画書を例に、項目ごとのポイントを押さえよう
創業計画書のフォーマットを手に入れたら、項目ごとにポイントを押さえましょう。まずは日本政策金融公庫の創業計画書(飲食店)を例に、記入する際に注意するべき箇所を説明します。
①創業の動機

まず、動機に説得力や計画性が無い場合、審査の際に悪くとらえられてしまう可能性が高くなります。可能な限り、積極性や熱意の感じられる文章を書くように意識しましょう。
②経営者の略歴等

2番目の項目は、経営者の略歴等です。ここでは経営者の経験について見られます。具体的には、経営者の略歴・過去の事業経験・取得資格・知的財産権等の4つを記入します。
過去の事業経験・取得資格・知的財産権等の3つ項目については、事実を並べていくだけになりますので特に問題はないです。しかし、経営者の略歴については勤務先のみではなく担当した業務や役職、身に着けたスキルについても詳しく記入しましょう。
③取扱商品・サービス

3番目の項目は、取扱商品・サービスです。どのような事業を展開していくのかについて見られます。
ここでは、取扱商品、サービスの内容・セールスポイント・販売ターゲット、販売戦略・競合、市場など企業を取り巻く状況の4つを記入します。
全体として、事業の内容を理解してもらえる事が目的です。
シンプルに分かりやすく書くことがポイントです。具体的に書こうとするあまり、結局何が言いたいのか分からない、といった事にならないように注意しましょう。
④従業員

取締役や社長などは常勤役員としてカウントされるので、従業員の人数として記載しないようにしましょう。
また、従業員の中でも家族が含まれる場合は分けて書く必要があります。従業員の人数の記載に際しては短期雇用ではなく、3ヵ月以上の中~長期の継続雇用をする予定のある人数を記入します。
⑤取引先・取引先関係等

5つ目の項目は取引先・取引先関係等です。
ここでは、既に取引することが決定している取引先について記入します。販売先・仕入先・外注先の3つを記入しますが、なるべく3つすべてを埋めましょう。全くの白紙の場合、事業の見通しや計画性について疑問視されてしまう可能性があります。
⑥関連企業

関連企業がある場合は記入します。ない場合は無記入で問題ありません。
⑦お借入の状況

7番目はお借入れの状況です。ここでは、借入の状況について記入します。ここで嘘の記述をしても信用情報を調べられる際に必ず嘘は暴かれてしまいます。包み隠さず正直に書きましょう。
正直に書くべき理由はこちらの記事でも解説しています。

⑧必要な資金と調達方法

ここでは、設備資金や運転資金等の必要な資金と調達方法について記入します。
正確に記述することが最も重要です。
運転資金の書き方についてや、設備資金と運転資金の違いについて、以下の記事で詳しく解説しています。ご参考ください。


⑨事業の見通し

事業の見通し(月平均)です。
ここでは、事業が軌道に乗るまでの明確な数字を用いた、具体的な事業展開を記入します。創業当初と軌道に乗った後の<売上高・売上原価・経費(人件費・家賃・支払利息・その他)・利益>の具体的な数値を設定して書きます。
また、計算の根拠も書く必要があります。
軌道に乗った後の売上高などの計画は、理想的な数値ではなく現実的な数値を設定しましょう。
創業計画書セルフチェックリストを活用しよう
創業計画書の記入が完了したら、日本政策金融公庫HPに掲載のあるセルフチェックリストを使って、よく確認しましょう。
創業の動機
経営者の略歴
商品・サービス
効果的な集客方法についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、ぜひ参照ください。

取引先・取引関係等
運転資金について説明している参考記事です。ぜひ併せてご一読ください。

調達方法
自己資金についてはこちらの記事でも説明しています。

事業の見通し
融資相談から融資実行までの流れ(日本政策金融公庫の場合)
残念ながら、創業計画書の作成だけでは融資の獲得はできません。全体的な流れは以下のとおりです。こちらでは日本政策金融公庫で融資を受ける場合の流れをご紹介しています。
※自治体の行う制度融資などは、また異なる流れとなります。

①日本政策金融公庫へ相談
電話、支店窓口、オンライン、いずれかの方法で日本政策金融公庫へ相談します。
②融資申し込み
ここで創業計画書やその他必要な書類を提出します。
③融資面談
こちらも重要なステップであり、対策が必要となります。弊社でも面接対策をサポートしているので、お困りの際はご相談ください。
④融資内定連絡を受ける
⑤契約書類の到着、返送
⑥融資実行
融資実行までの流れについては、こちらの記事で説明しているので、ぜひ参考にご覧ください。

創業計画書の記入に困ったら、プロに相談しよう
融資獲得において、創業計画書をはじめとする書類作成はとても重要となります。
もし書類に不備があったりすると、融資の実行が遅くなったり、担当者の心証を悪化させてしまい、融資が希望通り受けられないことがあります。
もしくは、起業の準備で忙しく、創業計画書を作成する時間を十分に割けないこともあるでしょう。創業融資は「一発勝負」となりますので、そういった場合には専門家への相談をおすすめします。
専門家への相談がおすすめな理由はこちらの記事で解説していますので、よろしければご覧ください。

まとめ
こちらの記事では、創業計画書のフォーマットや書き方のコツなどについてご紹介しました。ポイントは以下のとおりです。
- 業種別フォーマットを参考にして、創業計画書を記入しよう
- 創業計画書と事業計画書の違いは、作成時期やその目的
- 創業計画書の書き方のコツは項目ごとに具体的、かつ熱意が伝わるように記入しよう⇒記入に困ったら、専門家へサポートを依頼する方法も。
- コマサポでは創業融資や補助金申請に関する専門的なサポートをはじめ、会計・税務の知見を活かした”数字に強い”創業計画書作成支援を行っています。
「コマサポの創業サポートナビ」を運営する駒田会計事務所は、これから創業される方・創業5年以内の皆様に対して、創業時における資金調達のサポートを行っております。日本政策金融公庫の創業融資の支援を始め、多くの創業融資のサポート実績があります。
日本政策金融公庫の創業融資に強い
通常、公庫の創業融資が通る確率は1~2割とも言われていますが、駒田会計事務所では、通過率90%以上の実績でフルサポートいたします。
成功報酬型で安心。最短三週間のスピード対応!
成功報酬型なので、安心してご依頼ください。万が一、融資が通らなかった場合には、成功報酬は発生しません。
公庫での面談がご不安の方には、 面談時の同席サポートもしております。
会社設立や税務会計もまとめてワンストップで提供いたします!
会社設立や 税理士顧問、許認可の申請など、ご要望に応じて創業時に必要なサービスをまとめて提供いたします。弊社は税理士・会計事務所であり、司法書士・社会保険労務士・弁護士・行政書士など、経験豊富なパートナーともに、ワンストップで対応いたします。
創業者の皆様は「必ずこの事業を成功させたい!」という熱い思いで、弊社に相談に来られます。このお気持ちに応えるため、私どもは、事業計画を初めて作成されるお客様でも、丁寧に一つ一つ確認しながら、一緒に事業計画書の作成や創業融資の申請をサポートいたします。
そして、お客様のビジネスが成功するために、創業融資、会社設立、経理、税務申告など、創業者に必要なサポートをさせていただいております。

まずは創業・起業のこと、融資に関することなどお気軽にご相談ください。お客様にとって最適なアドバイスをさせていただきます。
駒田会計事務所【コマサポ】 代表 駒田裕次郎 税理士・公認会計士