起業や開業をする時には、多くの手続きが必要となります。なかには専門的な手続きもあるため、誰かに相談したくなることもありますよね。
起業時に相談ができる窓口はいくつかありますが、相談できる内容や料金などが異なるため、自分の悩みに合った相談先を知っておくと良いでしょう。
この記事では、起業する際におすすめの相談先をご紹介します。起業をご検討の事業者様は、この記事を見て少しでも参考にしていただけますと幸いです。
目次
起業する際におすすめの相談先
国・自治体:基本的な相談全般
税務署では、起業における手続きや確定申告の記帳、税務に関する相談を無料で受け付けています。起業時に必要な税金である法人税・事業税・消費税に関する疑問や、確定申告における記帳方法・帳簿の保存方法などに関する説明も受けられます。
税務署への相談は、面談と電話でそれぞれ可能ですが、面談を希望する場合は事前予約が必要です。電話の場合は、確定申告の時期である2〜3月は混み合いますので確定申告の時期を回避して相談するとよいでしょう。
中小企業基盤整備機構は、自治体や支援機関、経済産業省や中小企業庁といった政府系機関と連携しながら、中小企業の成長段階に合わせて幅広い支援を行っています。
中小企業の経営に関する相談窓口では、オンライン、電話、対面、メールなどで課題に応じた専門家が無料で何度でも対応してくれます。また、AIを活用した対話型自動応答サービスの起業相談チャットボットでは、24時間365日起業に関する相談が可能です。
起業相談では、経営に関する相談だけでなく、課題に応じた専門家の派遣、ビジネスマッチング、起業や地域活性化に関するオンラインワークショップも行っています。また、SDGsや省エネ・カーボンニュートラルに関する相談、自動車部品サプライヤー事業転換支援事業や海外ビジネスに関する相談窓口も設けられています。
起業相談には事前に申し込みが必要です。中小企業基盤整備機構のWebサイト「経営に関する相談」から希望する相談方法でお申し込みください。
中小企業基盤整備機構は、後述するよろず支援拠点の全国本部としても、起業家や中小企業経営者のサポートを行っています。遠方などの理由で直接窓口に出向くのが難しい場合などは、近隣のよろず支援拠点で相談するといいでしょう。
創業や様々な経営課題を抱える中小企業の方などを対象に、専門家派遣、情報提供、事業可能性評価などの相談を受けています。設置場所は都道府県、政令市の中小企業支援センターです。
よろず支援拠点は、国が全国に設置している無料の経営相談所で、中小企業や小規模事業者を対象に、全国47都道府県にある支援拠点で経営相談に対応しています。
従業員5人以下の会社からの相談が7割以上を占めており、中小企業の経営者をフォローアップできるよう、何度でも無料で相談が可能です。
また、よろず支援拠点では、創業をはじめ、売上拡大、経営改善・事業再生、継承といった経営上の悩みに対して、さまざまな分野の専門家からのアドバイスが受けられます。また、相談内容に応じた適切な支援機関の紹介など、課題解決に向けてワンストップでの支援を展開しています。
経営相談は電話、メール、FAXで事前に申し込みが必要です。よろず支援拠点のWebサイト「支援拠点一覧」では、各地域の拠点とコーディネーターを確認できるだけでなく、支援の事例なども紹介されていますので、相談前に参考にしてみてください。
ワンストップ相談窓口が設置してあり、相談は何度でも無料で行うことができます。オンライン相談と来社相談は事前予約制のため、WEB予約サイト、電話での予約が必要です。
日本政策金融公庫:計画や融資に関するアドバイス
日本政策金融公庫は、国が100%出資している政府系金融機関で、地域の起業・開業率を引き上げることで、雇用機会を創出し、国内総生産(GDP)の引き上げを目指しています。そのため、民間で融資を受けにくい中小企業や小規模事業者への融資を行ったり、創業前支援として起業相談を行ったりしています。
相談窓口は、東京、愛知、大阪の3か所にビジネスサポートプラザが設置されており、中小企業診断士などの専門の相談員に、来店して対面、またはオンラインのビデオ通話で、約1時間相談することが可能です。受付時間は場所によって異なりますが、平日と土曜日は9時から17時までで、東京と大阪は週1回夜間受付として17時から20時まで対応しています。
起業相談は事前に予約が必要で、予約方法は来店またはオンラインのいずれかで行います。ビジネスサポートプラザの住所や予約については、日本政策金融公庫のWebサイト「創業前支援」をご確認ください。
その他、創業計画書の立て方や融資申し込みの流れ、融資制度などの相談や疑問に答える創業サポートデスクも全国152の支店に設置しています。さらにWebサイト上では、美容業、飲食業、小売業といった業種別に特化した創業ポイント集も公開されていますので、情報収集にも活用してみましょう。
日本政策金融公庫での融資についてはこちらの記事でも詳しく説明しています。

無料ネット相談:ざっくりとした相談
起業・独立を支援するサイトの中には、無料のネット相談を受け付けているところもあります。
たとえば、(株)プロジェクトニッポンが運営する「起ちあがれニッポン ドリームゲートプロジェクト」や、(株)SEAFOLKSが運営する「freefolks」などがあります。
直接相談をするのはまだ早いかなと思う方にもおすすめです。
事業計画や融資についてはもちろん、様々な支援情報も教えてもらえます。
ただし、あくまでネット上で話が進むので、直接相談をするよりもざっくりとした一般的な回答しか得られない傾向にあります。
もう少し具体的な話が知りたいと思ったら、他のところにも聞いてみましょう。
士業などの専門家:特定分野の専門知識
専門的な知識を得たい場合は、士業の事務所への相談がおすすめです。
士業といってもそれぞれ専門がありますので、知りたい内容によって使い分けましょう。
士業にはそれぞれ専門分野があり、依頼できる内容や費用などが異なりますので、相談したい内容や費用に合わせて、依頼する専門家を選ぶといいでしょう。
専門分野と費用の相場目安は以下のとおりです。
専門家 | 相談内容 | 費用の目安 |
---|---|---|
税理士 | 会社設立(設立手続き代行以外)、 税金や会計の相談、税務手続き | 顧問契約を前提に設立時の相談が無料の場合もある。個人事業主の場合、月額顧問料3~5万円程度 |
弁護士 | 契約書や著作権など法務 | 10万円程度 |
行政書士 | 定款の作成や認証、許認可申請 | 10万円程度 |
司法書士 | 定款の作成や認証、登記申請 | 5万~15万円程度 |
社会保険労務士 | 社会保険や雇用の手続き | 従業員30人未満で5万円程度 |
士業の専門分野はそれぞれ異なるため、起業時の手続きを同じ士業にまとめて依頼することはできません。
例えば、法務局への法人登記申請を代行できるのは司法書士だけです。また、税務関係の手続きは、税理士しか代行することはできません。それぞれ専門領域が決まっていますので依頼する際に注意しましょう。
中でも、税理士は、起業後も会計処理や年末調整の対応などで長い付き合いになる士業です。役員報酬の金額や資金繰りの他、税金についても相談することができます。税理士に相談すると、会社設立後の顧問契約を前提に、司法書士や行政書士を紹介してくれたり、会社設立時の相談を無料で対応してくれたりすることもあります。専門家に相談するときには、士業同士の連携についても注目してみるといいかもしれません。
起業セミナー・勉強会:基礎知識の学習や人脈作り
全国各地やオンライン上でも起業したい人向けのセミナーや勉強会が多く開かれています。
起業に関する基礎知識を身に付けたい場合や、起業仲間を見つけて人脈を広げたり、起業仲間同士で相談などをしたい場合におすすめです。
ただし、登壇者の属性や所属によりフィルターがかかった情報が提供されるという点に注意しましょう。
こちらの記事でも起業・創業セミナーについて詳しく説明しています。

フランチャイズ比較サイト・本部:フランチャイズに加盟し起業する場合
独立起業の方法としてフランチャイズ加盟を考えているのであれば、フランチャイズ比較サイトや本部に相談するという方法もあります。
資金調達や本部の選び方、必要な準備などに関してアドバイスをもらうことができるでしょう。本部によっては、融資を受けるためのサポートを提供しているところもあるようです。
フランチャイズについてはこちらの記事でも説明しているので、ご参照ください。

相談前にやっておくべきこと
相談内容が漠然としていると、アドバイスも曖昧なものになりがちです。起業相談をするときには、明確な回答を得て、起業準備が進められるように準備を行い、知りたいことや自分の悩みを具体的に伝えるようにしましょう。
事業計画や資金計画を立てる
起業相談では、事業内容や戦略、収益見込みなど、事業をどのように展開するかを具体的に伝えられるよう、事業計画を立てておきましょう。例えば、どのような商品やサービスを、誰にどのようなチャネルで販売し、どれくらいの収益を見込むのかなどを具体的に考えておきます。また、仕入れや人件費といったコスト、生産方法、集客方法なども踏まえ、資金計画も作成しておくと、事業的規模を専門家に伝えるのにも役立ちます。
創業直後は売上が安定しないことも多いため、開業資金に加えて運転資金の6か月分程度を用意しておくのが望ましいといわれていますが、想定している内容で正しいかを、専門家に確認してもらうのも1つの方法です。限られた時間で的確にアドバイスをもらえるよう、相談内容の具体化を意識しましょう。
起業の流れや必要な手続きを把握する
一口に起業といっても、株式会社と合同会社では設立に必要な手続きや設立費用などが異なります。それぞれの特徴を比較し、自社の事業に合う会社形態を考えたうえで、必要な手続きと手順を把握しておきましょう。
こちらの記事では「起業の流れ」を具体的に説明しています。
https://www.sogyo-support.biz/blog/sougyo/starting-a-business-1018/
起業の流れを確認する中で生じた不明点や疑問点を整理しておけば、より具体的な相談が可能になります。
起業時の資金調達の方法
創業時には、必要な資金を確保するためのさまざまな資金調達方法を検討することが重要です。
まず、創業時におすすめしている金融機関ですが、「日本政策金融公庫」または、「信用保証協会(東京都の場合)」へのお申し込みになります。
- 日本政策金融公庫とは、国が100%出資している政府系金融機関です。創業融資に積極的であり、民間の金融機関から融資を受けにくい中小企業や小規模事業者、これから起業・開業する方に向けた、さまざまな融資制度があることが特徴になります。
- 信用保証協会とは、全国47都道府県と4市にあり、中小企業や小規模事業者の円滑な資金調達のために設立された公的機関です。銀行や信用金庫が窓口になり、信用保証協会が保証してくれるというイメージです。
その他に下記の方法で出資してもらう方法もあります。
● 親・親戚・友人
● ベンチャーキャピタル
将来成長が見込めるベンチャー企業やスタートアップ企業の将来の成長を見込んで投資する組織のことです。資金を返済する必要はありませんが、企業が成長や上場したときに株式を売却することで資金を回収します。
● エンジェル投資家
将来成長が見込めるベンチャー企業やスタートアップ企業に出資する個人投資家のことです。投資したお金を企業から直接回収することはせず、将来そのベンチャー企業が株式上場した際の出資金のキャピタルゲインを得ることを目的としている場合が多いです。
自己資金についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

まとめ
今回は、起業時の相談先について、スポットをあててご説明してきました。
「コマサポの創業サポートナビ」を運営する駒田会計事務所は、これから創業される方・創業5年以内の皆様に対して、創業時における資金調達のサポートを行っております。日本政策金融公庫の創業融資の支援を始め、多くの創業融資のサポート実績があります。
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駒田会計事務所 【コマサポ】 代表
公認会計士・税理士 認定支援機関
駒田 裕次郎