起業を考える際、どの業種に挑戦するかは成功への大きな鍵を握ります。しかし、現代のビジネス環境は絶えず変化しており、どの業種が今後成長し、安定した収益を上げやすいかを見極めることは簡単ではありません。今回は起業で成功しやすい業種と特徴を紹介します。
起業をご検討の事業者様は、この記事を見て少しでも参考にしていただけますと幸いです。
目次
起業で成功しやすい業種
これから伸びることが予想される業界は下記のとおりです。
市場の需要が高く、成長性がある
起業で成功するためには、市場の需要が高く成長性のある業種がおすすめです。
需要があり成長性のある業界は「将来的にも一定の需要が続く」可能性が高いと考えられます。逆に需要が下がっている業界は顧客の取り合いが発生し競争が激化することが考えられるため、注意が必要です。市場の需要が高く、成長性がある業種についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。合わせてご確認ください。
少ない競争または差別化の余地がある業種
競争が少ない市場や、他社との差別化が容易な業種は、ビジネスチャンスが多いと言えます。製品やサービスに独自性を持たせることで競争を避け、特定のターゲット層に焦点を当てることができます。
- 特定の問題解決を狙った製品・サービスの提供
高齢者向けのテクノロジー製品や、特定のライフスタイルに合わせたサービスなど。 - ユニークな体験型サービス
個別指導型の旅行プラン、特定のテーマに基づいた体験イベント、カスタマイズ可能なワークショップなど。 - パーソナライズされた製品やサービス
オーダーメイドの商品、個別対応のヘルスケアサービス、パーソナライズされたファッションやギフトサービスなど。
初期投資が少ない業種
初期投資を抑えられる業種は、リスクを少なくし、より多くの資金を運営に回すことができるため、成功する可能性が高くなります。
- コンサルティング業務
自分の専門知識や経験を活かして、企業や個人にアドバイスを提供するサービスです。ェブサイトやオンライン広告などの初期費用はありますが、大きな設備投資は不要で期投資はほとんどかかりません。 - 清掃サービス
掃用具や基本的な消耗品があればスタートでき、広告やマーケティングに使う費用は主にオンラインで集客することができます。住宅の清掃、オフィス清掃、引越し後の清掃など。 - ペットシッター・ペットケアサービス
ほとんど初期投資をかけずに自宅でサービスを開始できます。ペットシッター、ペットの散歩代行、ペットのトリミングなど。
在庫を抱えない業種
在庫を持たずに運営できる業種は、資金繰りや管理の負担が少なく、効率的に運営できるため、起業に向いています。
- フリーランスサービス
パソコンやインターネット接続があればすぐに始められます。ライティング、デザイン、プログラミング、翻訳、コンサルティングなど。 - オンライン教育
授業の内容がデジタルであるため、物理的な教材や在庫を持たずに提供できます。
言語学習、プログラミングコース、マーケティングやビジネススキルのオンライントレーニングなど。 - ドロップシッピング
ドロップシッピングは、商品の在庫を抱えることなく、他の業者が提供する商品をオンラインで販売するビジネスモデルです。顧客が商品を購入すると、販売者は仕入れ先に注文を送り、仕入れ先が直接顧客に商品を発送するので販売者は在庫を持たず、仕入れや配送を他の業者に任せることができます。
専門性が高く、競合が参入しにくい業種
高い専門性が求められる業種は、競合が参入しにくく、一定の教育や経験が必要です。そのため、安定して顧客を獲得しやすく、長期的に安定した収益を見込むことができます。
- 医療・健康分野
医師や歯科医師、看護師、理学療法士などが独立して事業を始める。 - 士業
弁護士、税理士、司法書士などの専門家が独立して事務所を設ける。 - 心理カウンセリング
臨床心理士が資格と経験を活かして独立し、心理カウンセリングやメンタルヘルスサポートを行う。
廃業率の高い業種
起業を成功させるためには、安定した経営が不可欠です。廃業率の高い業種を避けることで、起業の成功率を高めることができるかもしれません。以下の業種は特に廃業率が高く、起業する場合は慎重に検討する必要があります。
- 飲食業
特に飲食店（レストラン、カフェなど）は競争が激しく、立地やスタッフの確保、集客、経営管理が難しいため、廃業率が高い業種です。 - 小売業（特に個人経営の店舗）
競争が激しいうえ、インターネットショッピングの普及などの影響を受け、経営が厳しくなることが多いため、廃業のリスクが高いです。 - 宿泊業（特に小規模なホテルや民宿）
季節や観光業の影響を受けやすく、需要が安定しないことが多いため、経営が難しく廃業率が高くなる傾向があります。 - 建設業（特に小規模な工務店や個人事業主）
建設業は需要の変動が大きく、リーマンショックや災害などの影響で仕事量が減少すると、経営が困難になる場合が多いため廃業リスクが高いです。 - 美容・理容業
美容院や理髪店は、競争が激しく、顧客の流動性も高いため、安定的な集客が難しいことが多く、廃業率が高い業種とされています。 - フランチャイズ店舗
フランチャイズ業態は初期投資が必要で、売上が安定しない場合や運営の問題が生じると、廃業のリスクが高まります。
これらの業種は、長期的に安定した収益を得るためには慎重な市場調査と経営戦略が必要です。
これから伸びることが予想される業界で起業するために身につけたい資格・スキル
起業で失敗しないためには、いくら成功しやすい業種を選んでも収益が安定せず、赤字経営が続けば廃業のリスクがあります。そこで、起業を成功させるためには以下の注意点を押さえておきましょう。
- 副業やスモールビジネスから始める
最初から大きな投資をせず、副業や小規模なビジネスとしてスタートし、実際のビジネス運営を経験することでリスクを抑えながら進めることが重要です。 - 自分の強みを把握し、経営方針を決めておく
自分のスキルや経験を活かせる分野で起業し、どのようなビジネスモデルを採るかを明確にし、経営方針を定めておきましょう。 - 業界や競合の分析を徹底する
市場動向や競合の状況をしっかり把握し、競争優位性を築くためにどのように差別化するかを考え、戦略を立てることが大切です。 - 十分な自己資金を用意する
起業には予想以上のコストがかかることがあります。自己資金を十分に準備し、万が一のための資金繰りも考慮しておくことが、安定した経営に繋がります。
開業のための資金調達方法について
次に資金調達方法について説明します。どの業界で起業する場合でも、開業資金のための資金調達の方法には、以下のような方法があります。
- 自己資金
自身が所有する資産を利用する資金調達方法です。自己資金が多いと多くの融資を受けやすくなるというメリットもあります。自己資金の説明はこちらの記事で詳しく説明しています。
- 親・親戚・友人に貸してもらう。
公式な手続きや審査が不要なため、迅速に資金を調達できるほか、低金利または無利息で借りられることが多く、返済期間についても柔軟に設定できる場合が多いです。 - 日本政策金融公庫等の金融機関から創業融資を受ける。
日本政策金融公庫の融資についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
- ベンチャーキャピタル
将来成長が見込めるベンチャー企業やスタートアップ企業の将来の成長を見込んで投資する組織のことです。資金を返済する必要はありませんが、企業が成長や上場したときに株式を売却することで資金を回収します。 - エンジェル投資家
将来成長が見込めるベンチャー企業やスタートアップ企業に出資する個人投資家のことです。投資したお金を企業から直接回収することはせず、将来そのベンチャー企業が株式上場した際の出資金のキャピタルゲインを得ることを目的としている場合が多いです。
このうち、自己資金で開業できればベストなのですが、必要となる資金を全額自己資金で用意できる方は少数だと思います。
また、人脈や家族の力を利用し、「他人からの出資」によって開業資金を賄える方もかなりの少数だと思います。
現実的には、日本政策金融公庫などの金融機関や信用金庫からの創業融資を検討することが多くなると思います。
それでは、具体的に融資を受ける方法について見ていきましょう。
融資先の例
下記は、創業や開業時に利用可能な融資先の例です。
【日本政策金融公庫】
創業・継承、設備投資、研究開発、海外展開など、様々な事業目的に合わせた融資制度がある機関です。詳しくは、こちらをご覧ください。
【保証協会付き融資】
信用保証協会（東京都の場合）が保証人となって金融機関から融資を受ける制度です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
まとめ
今回は、「成功しやすい業種」について、スポットをあててみてきました。
「コマサポの創業サポートナビ」を運営する駒田会計事務所は、これから創業される方・創業５年以内の皆様に対して、創業時における資金調達のサポートを行っております。日本政策金融公庫の創業融資の支援を始め、多くの創業融資のサポート実績があります。
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駒田会計事務所 代表
税理士・公認会計士 駒田裕次郎
※「コマサポの創業サポートナビ」は、駒田会計事務所の運営する、これから創業される方・創業5年以内の方向けた創業時の資金調達をサポートするための情報サイトです。
