創業融資

起業にかかるお金、実際どのくらいかかる?費用を抑えるコツご紹介!

融資の疑問

 

この記事でわかること
  • 設立費用は個人事業主か、法人かなどの事業形態によって異なる。起業後には設備資金と運転資金が必要となる。

  • 起業資金の節約は物件探しの段階から意識しよう。

  • 資金調達の選択肢には創業融資、助成金、投資家の出資など、複数の方法がある。専門家による創業融資サポートを行う事務所やサービスを活用し、資金計画を効率的に進めると良い。

2024年日本政策金融公庫の調査によると、個人事業主の開業資金の平均値は985万円です。また、中央値は580万円程度でした。

ただし、実際のところは法人・個人事業主の別や、開業した業種によって異なります。

あなたが開業しようとしている業態・業種ではどれくらいのお金がかかるのでしょうか?本記事では、税理士・会計事務所のコマサポが、その仕組みや費用を抑えるコツをお届けします!

監修:駒田 裕次郎
駒田会計事務所【コマサポ】代表

【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金サポートを中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。
【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)
【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関
「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。

起業にかかるお金についての資金調達方法は多種多様です。何をどのように選んだらいいかわからない方は、専門家へ相談することで方向性が見えることもあると思います。コマサポでも創業融資の代行をサポートしておりますので、お悩みの際はぜひ一度ご相談ください。

設立費用は個人事業主と法人で異なる

起業には、個人事業主として始める方法会社を設立して法人として始める方法の2つがあります。それぞれ設立にかかる費用が異なるため、個人事業主の場合と、法人設立に必要な費用について詳しく見ていきましょう。

個人事業主の費用

  • 開業届の提出のみ(無料)
  • 資本金、税金不要 

個人事業主として開業する場合、開業届を税務署に提出するだけで、特別な手数料はかかりません。ただし、屋号付きの銀行口座を開設する際の印鑑作成費用や、業種によっては許認可申請の費用が発生することがあります。

法人の費用

法人を設立する場合は、法人の種類によって必要な費用が異なります。

合計目安費用登録免許税定款認証手数料定款の印紙代謄本手数料資本金等
株式会社約25万円+資本金15万円約5万円
4万円
(電子定款は不要)
約2,000円
1円以上
合同会社約10万円+資本金
6万円
不要
一般社団法人約11万円
約5万円
不要
不要
一般財団法人最低311万円300万円以上
NPO法人不要

 

株式会社

登録免許税は15万円か、資本金の0.7%の額のどちらか高い方が必要で、加えて定款の認証手数料として約5万円がかかります。
また、資本金は1円からでも設立(起業)できますが、会社の運営や社会的信用のことを考えると、ある程度は準備するほうがいいでしょう。額は事業によって違いますが、資金調達などを検討している場合、銀行から見えるお金として、一般的に100万円とも言われています。

合同会社

登録免許税が最低6万円かかりますが、定款認証手数料は不要です。総額10万円程度で設立が可能とされ、株式会社よりも低コストで法人化できるのが特徴です。

一般社団法人

一般社団法人は、利益を目的としない法人で、特定の目的のもとに人々が集まることを前提とした組織です。そのため、設立時に法人自体の財産は必要なく、資本金の払い込みも不要である点が特徴です。

一般財団法人

一般財団法人は、特定の目的のために理事が拠出した財産を運用し、その運用益をもとに事業を行う法人です。そのため、設立時には最低でも300万円の基本財産が必要になります。また、一般社団法人と同様に印紙税が非課税のため、電子定款や紙の定款を利用しても印紙代は発生しません。

NPO法人

NPO法人(特定非営利活動法人)は、社会貢献を目的とする法人であり、団体の構成員に利益を分配しないことが特徴です。さらに、NPO法人として活動できる分野は法律で17種類に限定されている点も特徴的です。

個人事業主か法人どちらで設立するか迷ったら

個人事業主と法人には、それぞれの異なる特徴があります。
法人税制や経費の面で優遇される点が多く、資金調達の幅も広がりますが、設立費用や運営の手間がかかります
一方、個人事業主開業しやすく運営コストも低めですが、税負担が増える場合や経費計上に制限がある点に注意が必要です。
事業の規模や将来の展望を踏まえ、最適な事業形態を選択するようにしましょう。

こちらの記事では個人事業主での起業についてメリットデメリットなど説明していますのでぜひご覧ください。

個人事業主での起業とは?メリットデメリットを説明します!事業を立ち上げるときは、小規模からスタートするとリスクを抑えることができます。 「起業していきなり会社を設立するのはハードルが高い」と...

株式会社についてはこちらの記事もご参照ください。

創業融資は新設法人が良い!?株式会社の特徴とメリット・デメリットを分かりやすく解説します!誰しも一度は「株式会社」という言葉を聞いたことがあるはずです。 しかし、株式会社がどういう形態で、どんな特徴があるのかを詳細に説明でき...

起業後にかかる費用

業種ごとの開業資金目安

これまでは設立費用について確認しました。個人事業主は設立費用はかかりませんが、事業を開始するためには設備資金や運転資金がかかってきます。まずは業種ごとの開業資金の目安を見てみましょう。

業 種開業資金の目安フランチャイズの場合
飲食業(カフェ)100~1,500万円300~1,200万円
飲食業(居酒屋)500万円~2,000万円100~1,500万円
美容業(サロンなど)500~2,000万円50~2,000万円
小売業(アパレルなど)800~1,500万円
コンビニエンスストア100~350万円
IT業50~2,000万円
建設業50~2,000万円
不動産仲介業800~1,500万円
学習塾300~1,000万円150~1,000万円
接骨院・整骨院500~1,500万円
介護サービス業400~1,000万円200~1,000万円
製造業500~2,000万円

開業する場所や、条件によって開業資金も変わってくるため、あくまで目安となります。次に、設備資金と運転資金にわけて項目を確認しましょう。

設備資金

設備資金とは、起業の際に一時的にかかるお金で、事業の成長や長期的な運営のために使用される資金です。主に固定資産として計上され、通常、貸借対照表の「固定資産」に分類されます。
日本政策金融公庫の創業融資では、運転資金と比べて設備資金の方が金利が低めに設定される傾向があり、さらに返済期間が長めに設定されることが多いのが特徴です。

具体的には以下のような項目です。

  • 土地・建物、店舗、車両、機械の購入
  • 知的財産権に係る費用
  • 事務所や店舗内の設備や備品の購入(パソコン・コピー機・事務用品など)
  • 無形資産の取得費(ECサイト構築や自社ホームページ作成費用など)
  • 店舗や事務所の改装費

運転資金

運転資金とは、継続的に必要となるお金のことです。運転資金は設備投資とは異なり、資金の用途に柔軟性があるため、設備資金ほど明確になににいくら必要かという点は求められません。

  • 商品の仕入れ代金
  • 買掛金での支払い分
  • 広告宣伝費
  • 人件費
  • 事業所や店舗の光熱費、家賃、通信費
  • 外注費

設備資金と運転資金について、以下の記事にも詳しく説明がありますので、ご参照ください。

創業融資の運転資金と設備資金の違いを分かりやすく解説!正しい理解で資金計画を万全に創業融資の運転資金と設備資金の違いについてご存知でしょうか。 なんとなく違いは分かっているものの、違いを明確に説明できるという方は少な...
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起業資金を節約する方法

これまで起業に必要な資金を確認しました。やはり起業には多くの資金が必要となります。まずはお金を抑える手段を知りましょう。例えば、以下の項目での節約を検討してみましょう。

物件探し

まず、かかってくる費用の中で大きな金額を占める物件に関する費用の節約方法を考えましょう。具体的には以下のような方法があります。

  • スケルトン物件や間借りを検討
  • シェアオフィス、レンタルオフィス、バーチャルオフィスを使用する
  • 自宅を事務所にする
  • 知人、親戚に物件を借りる
  • 郊外で開業する

郊外、田舎での開業についてはこちらの記事もぜひご参照ください。

田舎での起業、成功のためのポイント。資金調達についても説明します。 すごく田舎にあるのに、なぜか繁盛している場所やお店ってありますよね。田舎で起業することはメリット、デ...

備品購入

備品の購入においても以下のような方法で節約を検討しましょう。

  • 中古やリースの利用
  • 不用品譲渡サイトの利用

集客方法

集客においても、節約の余地はあります。以下の方法を検討してみてください。

  • 自らSNSで行う
  • 友人や知人に依頼し、紹介や口コミを広げてもらう
  • 自らホームページを作成する

上記の方法以外にも、以下の記事では開業時の集客方法やコストなどについて詳しく記載しています。ぜひご覧ください。

開業時の集客方法を解説!知っておくべき効果的な集客方法とは? { "@context": "http://schema.org", "@type": "WebPage", "m...

資金の調達方法を紹介

お金を抑えたうえで、コスパ良く借りる手段を知りましょう。メリットデメリットも併せて簡単に紹介します。

資金調達方法メリットデメリットおすすめ度
自己資金返済や利息・配当金の支払いが不要、
資金の使用用途が限られない
資金が限られる、
準備に時間がかかる
親族から借りる柔軟な返済が相談可能人間関係に影響する可能性
日本政策金融公庫創業者向けの低金利融資がある
準備不足だと審査に落ちる可能性
銀行や信用金庫高額の資金調達が可能審査が厳しく、担保が必要な場合がある
制度融資自治体のサポートを受けられる手続きが煩雑
クラウドファンディング事業の宣伝と資金調達を同時に行える成功しないと資金を得られない
投資家やVC(ベンチャーキャピタル)大きな資金を得られる可能性がある経営への介入を受けることがある
助成金、補助金、支援金要件を満たせば支給される利用には条件がある

 

自己資金

自己資金は、起業以前からの給与などを貯めて事業資金として活用する方法で、最も基本的な資金調達手段です。
外部からの制約を受けずに自由に活用できるのが大きな利点です。しかし、準備できる金額には限りがあるため、他の資金調達方法と併用するのが一般的です。

知人、親族から借りる

金利や借入期間といった条件も柔軟に設定してもらえる可能性があり、有効な手段といえます。ですが、条件や義務・権利が曖昧になりやすいため、のちのちトラブルに発展してしまうというリスクも考えられます。事前に条件を書面に残すなどして対策しておく方が良いでしょう。

日本政策金融公庫 

比較的低金利、要件を満たせば無担保・無保証で融資を受けられるという点で最もおすすめな資金調達方法と言えます。日本政策金融公庫は、政府が100%出資する金融機関 で、創業時の資金調達において最も利用される融資機関の一つです。特に、自己資金が少ない起業家や、信用力がまだ十分でない事業者に対しても積極的に融資を行っています。
「日本政策金融公庫が他の融資元よりおすすめな理由」について、こちらで解説しておりますので、ぜひご覧下さい。創業融資は日本政策金融公庫がおすすめ!

ただし、唯一のデメリットとも言えますが、融資を受けるには、創業計画書の提出や面接対策などの準備をしっかりとする必要があります。

弊社駒田会計事務所でも、日本政策金融公庫の融資サポートを行っています。確実に融資を獲得するためには、専門家への相談もご検討ください。

銀行や信用金庫

限度額が大きい点や要件を満たせば低金利な点はメリットですが、審査が厳しく、特に銀行は大企業向けであるため、個人事業主や実績のない起業時には敷居が高いと言えます。

制度融資 

制度融資は、地方自治体・信用保証協会・金融機関が一体となって提供する融資制度です。自治体により異なりますが、保証料の補助などもあり、比較的利用しやすい融資です。日本政策金融公庫に次いでおすすめできます。
ですが、それぞれの機関で審査が必要なため、融資までに時間がかかる点はデメリットと言えます。

クラウドファンディング

オンラインで事業を紹介して、不特定多数の個人から資金を集める方法です。寄付型・購入型・融資型などの種類があり、審査なしで資金調達が可能な点が特徴です。クラウドファンディングサイトに登録し、事業の詳細や目的を公開して支援を募ります。

  • 特徴的なストーリーやアイデアがなければ、資金調達が難しい点
  • 資金調達できるかの予測が立ちにくい

などのデメリットがあります。

投資家やVC(ベンチャーキャピタル)

個人投資家の場合は審査が厳しくないことも多く、素早く資金を調達できる可能性があります。また投資家、VCともに経営アドバイスやビジネスパートナーの紹介などのサポートを受けれる場合もあります。一方で企業の実績や将来性が重要な要素となるため、立ち上げ直後の企業にとっては、VCからの資金調達は難しい場合が多いとも言えます。
場合によっては、経営に過度に関与しようとしてくることもあり、自由な経営の妨げになる可能性も否定できません。

助成金、補助金、支援金を利用する

要件を満たせば有効な資金調達方法といえます。ですが、助成金や補助金は様々な申請条件があるため、すべての申請者が必ず受けられるわけではありません。審査基準や対象事業に合致するかどうか、まずは確認してみることをおすすめします。こちらの記事で詳しく説明しているので、ぜひご参照ください。

個人事業主が開業する際に活用できる助成金・補助金・支援金まとめ { "@context": "http://schema.org", "@type": "WebPage", "...

まとめ

今回は、起業にかかるお金についてスポットをあてて説明しました。ポイントは以下の通りです。

  • 設立費用は、個人事業主ではかからないが、法人では業態に応じて必要となる
  • 起業には設立費用の他、設備資金と運転資金が必要となる
  • 物件探し、備品購入、集客などの点で節約することが重要
  • 資金の調達方法で最もおすすめは日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金
  • プロのサポートを活用するのもおすすめ

起業時に必要なお金は効率よく準備したいですね。コマサポでも申請サポートを行っていますので無料相談にお気軽にお問い合わせください。

「コマサポの創業サポートナビ」を運営する駒田会計事務所は、これから創業される方・創業5年以内の皆様に対して、創業時における資金調達のサポートを行っております。日本政策金融公庫の創業融資の支援を始め、多くの創業融資のサポート実績があります。

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駒田会計事務所【コマサポ】 代表 駒田裕次郎 税理士・公認会計士

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