これまで、事業を始めるにあたり融資を受けようとした場合、日本政策金融公庫(以下「公庫」)の創業融資を利用する際は「創業資金総額の1/10以上」の自己資金を用意する必要がありました。
しかしながら、2024年の制度変更に伴い「創業資金総額の1/10以上」の自己資金の要件が無くなった為、自己資金がない状況でも申請が可能となりました。(日本政策金融公庫「新規開業資金」)
では実際自己資金なしで融資を受けることが可能なのか。
今回は、起業時に重要な自己資金にスポットをあててご紹介します。
特に、公庫で融資を受けたいと考えている方は是非ご参考ください。
目次
自己資金とは?
自己資金とは、読んで字のごとく「自分で用意した資金」のことです。
特に起業時融資を受ける際には、自己資金をどれだけ用意できたかということは非常に重視され、借り入れることができる融資額は自己資金に比例することも多いです。
自己資金はなぜ重視されるのか?
自己資金をどれだけ用意できたかは、融資の審査において非常に重視されます。
ただし、自己資金の金額のみが見られているわけではありません。
起業時の公庫の融資の審査では、自己資金を見ることで、審査対象の起業にあたっての計画性・行ってきた努力・熱意なども判断材料とします。
つまり、融資を受けて起業したい場合、ある程度の金額を、毎月の給与から長い期間コツコツと貯めてきたというような実績が評価対象となるのです。審査のひと月前にポンッといきなり通帳に大金が振り込まれた場合などは、自己資金として認められないことも多いです。
なお「タンス預金≠自己資金」という考え方が基本にあります。
実際の自己資金の確認の際には基本的には通帳の提出が求められます。タンス預金の様に出所の証明が出来ないものは、自己資金としてみなされない可能性が高いです。せっかくコツコツと資金を貯めるのであれば、通帳に預金することでその実績を証明出来る通帳を提出できるようにしましょう!
自己資金について注意したいこと
自己資金として認められない場合についてご紹介します。
①見せ金
見せ金とは、他者から借りたお金を通帳に紛れ込ませて審査の際の自己資金として申告することです。見せるためだけのお金なので、見せ金といいます。
創業融資に限らず、金融機関との取引の際には信用は大変重要です。見せ金は信用を著しく落とす行為ですので、絶対にやめましょう。
タンス預金などは貯めてきた経緯が証明しづらく見せ金として扱われてします可能性がありますので、貯蓄は銀行口座など貯めてきた経緯を証明できる機関で行いましょう。
②金融商品
資金化していない証券そのものなどは、自己資金として認められない場合があります。確実に認められるためには、資金化をしましょう。
➡ 金融資産を持っていること自体は、審査においてプラスに働きますので、どこまで資金化すべきかどうか、創業融資の専門家に相談してみましょう。
③家族(身内)の資金
自分では自己資金は少ないが、家族や親戚が資金を持っている場合、自己資金になるかどうか、よくお問い合わせをいただきます。
結論から申しますと、一部、認めてもらえる場合もあれば、認められない場合もあります(本来的な意味では、自己資金には該当しません)。
➡ どのようなケースで認められるのか、個別の判断・対応が必要となります。ご家族からのサポートが期待できる場合、創業融資の専門家に一度ご相談してみてください。
上記のものは一部であり自己資金についての細かな注意点は他にもありますが、基本的に信用を損なうような行為は避けるようにしましょう。
自己資金にあてる現金が足りないとき
自己資金にあてる現金がどうしても足りなくて目標の融資額を受けられそうにない、という場合があるかと思います。そんなとき、自己資金としてみなしてもらえる可能性があるものをご紹介します。
①見なし自己資金
創業融資の審査前にすでに支出した資金の一部が、自己資金として認められる場合があります。支出に関する証明をする必要がありますが、きちんと証明することが出来れば、自己資金の一部としてみなしていただける場合があります。
②家族や親類からの「贈与契約書を作成済みの贈与」
家族や親類からの贈与は、贈与契約書を作成済みの場合には自己資金として認められる場合があります(ただし、本来自己資金ではありません)。
融資申請と自己資金
ここまで創業融資の際の自己資金について簡単にご紹介させて頂きました。
結局のところ自己資金は融資を受ける上で大きなポイントになります。
融資の申請が通らなかった場合当然デメリットもありますので、自己資金「ゼロ」でも申請出来ることを理由に安易に融資を申し込むことはおすすめ出来ません。
必ずしも融資申請が通らないわけではありませんが、少しでも自己資金を用意してからチャレンジするのも選択肢の一つです。
これから自己資金を貯めようという起業者の方は、「コツコツと貯めていくこと」を意識してみましょう!
ただ、公庫で創業融資をスムーズに受けるためには自己資金の他にもポイントが当然あります。様々な観点から融資申請が通るかどうかが決まります。そのため自身の状況について融資に詳しい専門家にまずは相談してみるのも一つの手かもしれません。
まとめ
今回は、自己資金について、スポットをあててご説明してきました。
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駒田会計事務所 【コマサポ】 代表
公認会計士・税理士 認定支援機関
駒田 裕次郎