カフェ開業の選択肢として「コーヒースタンド」がありますが、「コーヒースタンド」を選んだ場合、通常のカフェや喫茶店とはどのような違いがあるのでしょうか。地域によっては馴染みの薄いコーヒースタンドですが、都内では続々とオシャレな店舗がオープンしています。
少ない開業資金・狭小スペースの店舗・ワンオペ営業の全てが叶うのは、コーヒースタンドならではの魅力です。
この記事では、コーヒースタンドの概要やカフェとの違い、必要な資金などについて解説しています。コーヒースタンドに適した物件についても紹介していますので、小さなお店を開業したいと考えている方にとても役立つ内容となっています。
ご検討の方は、この記事を見て少しでも参考にしていただけますと幸いです。
目次
コーヒースタンドとは?
コーヒースタンドとは、店内に椅子を設けず立ち飲み形式でコーヒーを提供するお店のことです。注文したコーヒーは店内で飲めるほか、テイクアウトすることもできますが、コーヒースタンドによって仕様は微妙に異なり、大まかに分けると以下のようになります。
- 店内に飲食スペースのないテイクアウト専門店
- 店内に立ち飲みできるカウンターなどのあるコーヒーショップ
- 立ち飲みカウンターをメインに、1~2席程度のテーブルを設けた店舗
また、コーヒー以外のドリンクやフードも置いているお店と、コーヒーに特化しているお店に分けられます。
カフェや喫茶店との違い
コーヒースタンドと通常のカフェや喫茶店との主な違いは「何を主力にしているか」でしょう。カフェや喫茶店では店内空間やフードにも力を入れているお店が多いのに対し、コーヒースタンドではコーヒーが主力となります。
豆の産地や品種、ブレンドや焙煎度合い、抽出方法など、お店によってこだわるポイントは様々です。
以下の表は「コーヒースタンド」と「カフェや喫茶店」の違いについてです。
コーヒースタンド | カフェ/喫茶店 | |
提供する商品 | 主力はスペシャルティコーヒー/クッキーなど既 | コーヒー/軽食/デザートなど |
店舗の規模 | テイクアウト専門/カウンター席など少数の座席を設けた小規模店舗 | カウンター席の他にテーブル席を設けている大中規模店舗 |
店の価値 | コーヒー自体の美味しさやクオリティ/豊富なコーヒーメニュー | カフェの空間/コンセプト/メニュー全般の味 |
お客様が来店する目的 | 美味しいコーヒー/自分好みのアレンジを楽しみたい | コーヒーや食事だけでなく、店内で過ごす時間も大切 |
主な経営形態 | 個人オーナー | 個人経営/フランチャイズ |
こちらの記事では、カフェの開業方法と資金調達についても、詳しく説明しています。

コーヒースタンドに適した物件は?
小さな間取りの物件
コーヒースタンドはテーブルを設けないか、置いても1~2席程度でよいため、小さな間取りの物件が適しています。
契約時の費用や家賃は間取りに比例して高くなるため、小さな間取りでも営業可能なコーヒースタンドの場合、通常のカフェや飲食店よりも初期費用を抑えられるでしょう。
小さくても、飲食店として使われていないスケルトン物件の場合は、水回りの工事などで費用が高くなってしまう場合があります。飲食店として使われていたことのある居抜き物件を選べば、費用を抑えた上に開業までにかかる期間も短縮することが可能です。
路面店または大型施設内にある物件
コーヒースタンドは「座ってゆっくりとコーヒーを楽しむ時間はないが、少しほっとしたい」「限られた時間でおいしいコーヒーが飲みたい」といったシーンでの利用に適しています。
そのため、気軽に来店できる路面店や、人や店舗が多く集まる大型商業施設内などの立地にある物件がおすすめです。買い物の合間や移動中に立ち寄りやすい環境にあるのがよいでしょう。
駅周辺やオフィス街にある物件
駅周辺やオフィス街にある物件も、限られた時間内でもおいしいコーヒーが飲みたいというニーズが生まれやすい場所です。通勤や通学時、ランチタイムなどには高い回転率が期待できます。
「路面店」「駅から近い」「居抜き物件」など、良い条件の物件であるほど人気が高く、家賃も高くなりがちです。条件の優先順位を決めて、譲れるところはある程度妥協しながら物件を選ぶとよいでしょう。
コーヒースタンドの開業資金はどのくらい?
結論から言うと、従来型のカフェや喫茶店よりもコーヒースタンドの方が少ない資金で開業することができます。
コーヒースタンドの開業資金が安い理由
- 店舗面積5坪の省スペースでも運営できる
- テイクアウト専門店なら、座席やテーブルが不要
- 軽食などを提供する必要がないので、最低限の設備投資でOK
- 店舗スペースが狭く配膳の手間がかからないので、従業員を雇わなくて済む
中には、数カ月分の家賃60~70万円と焙煎機などの設備投資130万円、トータル200万円ほどの開業資金でオープンしたオーナーもいるようです。20代や30代前半といった自己資金の乏しい世代のオーナーでも開業が可能となりますね。
スタイル別カフェの開業資金相場(運転資金を含む)
- 大規模店舗の賃貸(15坪・22席):1,000万円ほど
- 小規模店舗の賃貸(10坪・14席):700万円ほど
- 移動カフェ:470万円ほど
- 自宅カフェ:760万円ほど
- 猫カフェ(自宅リフォーム):400万円ほど
水回り以外の内装はDIYで行う、必要な設備を中古で揃えるのも開業資金を節約するうえでは効果的な手段です。
コーヒースタンド開業に必須の設備とは?
ワンオペのテイクアウト専門店に必要な設備をご紹介します。中古の業務用を扱っている専門店やネットオークションなどを活用することで、なるべく費用を抑えることができるでしょう。
- エスプレッソマシン
- ドリップ式コーヒーメーカー
- ミル
- コーヒー豆を挽くためのグラインダー
- 冷蔵庫
- カウンターと作業台
- コーヒーを淹れるための作業スペース
- カップ・テイクアウト用容器
- コーヒー器具やカップを洗うためのシンク
- 決済処理や売上管理用のシステム
- メニュー看板
コーヒースタンド開業の流れ
開業の流れ
- お店のコンセプト作り
- 事業計画の作成
- 資金を調達する
- 物件探し
- 店舗デザインや内装のイメージをまとめる
- 設備機器の選定
- メニュー開発と価格設定
- 物件の契約
- 施工会社を選定する
- 設備機器の選定
- 融資の申請
- 内装工事を開始する
- 店名の決定
- HPやチラシの作成
- 助成金の申請
- 資格取得と営業許可申請
- 仕入れ業者の決定
- 消耗品など、備品の購入
- サービスのシミュレーション
全般的な起業の流れについてはこちらの記事でも詳しく説明しています。
https://www.sogyo-support.biz/blog/sougyo/starting-a-business-1018/
資格や届出
コーヒースタンドを開業するために「調理師免許」を取得する必要はありませんし、収容人数が30名を超えるような大規模店舗も考えにくいので「防火管理者専任届」も不用です。
- 食品衛生責任者:全てのカフェに必要な資格
- 喫茶店営業許可証:全てのカフェに必要な届け出
- 菓子製造業営業許可証:菓子類の販売を行う際に必要な届け出
コーヒースタンド開業のための資金調達方法について
コーヒースタンドに限った話ではないのですが、コーヒースタンドの開業資金のための資金調達の方法には、以下のような方法があります。
- 全額自己資金で賄う。
こちらの記事で自己資金について説明しています。

- 他人(家族・親族を含む)から出資を受ける。
- 日本政策金融公庫等の金融機関から創業融資を受ける。
日本政策金融公庫の融資についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

このうち、自己資金で開業できればベストなのですが、コーヒースタンドの開業に必要となる資金を全額自己資金で用意できる方は少数だと思います。
また、人脈や家族の力を利用し、「他人からの出資」によってコーヒースタンドの開業資金を賄える方もかなりの少数だと思います。
現実的には、日本政策金融公庫等の金融機関や信用金庫からの創業融資を検討することが多くなると思います。
それでは、具体的に融資を受ける方法について見ていきましょう。
融資先の例
下記は、創業や開業時に利用可能な融資先の例です。
【日本政策金融公庫】
創業・継承、設備投資、研究開発、海外展開など、様々な事業目的に合わせた融資制度がある機関です。詳しくは、こちらをご覧ください。
【日本政策金融公庫で飲食店の起業・開業(東京都)】
※諸条件はありますが、東京都飲食業生活衛生同業組合に加入することで、金利等の優遇を受けられる場合があります。
【保証協会付き融資】
信用保証協会(東京都の場合)が保証人となって金融機関から融資を受ける制度です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
まとめ
今回は、「コーヒースタンド開業と資金調達」について、スポットをあててご説明してきました。
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駒田会計事務所 【コマサポ】 代表
公認会計士・税理士 認定支援機関
駒田 裕次郎