🔸認定支援機関とは?
🔸認定支援機関を使うべき?要否の判断
🔸認定支援機関を使うメリットとデメリット
🔸失敗しない選び方
🔸費用相場
🔸相談すべきかの判断基準
創業融資を検討し始めた多くの方が、次のような壁にぶつかります。
「何から手を付ければいいのか分からない」
「事業計画書を書いてみたが、これで審査に通るのか不安」
特に初めての創業融資では、「失敗したらどうしよう」「一度落ちたら次は難しいのでは」と不安を感じるのは自然なことです。
こうした中で、「認定支援機関」という言葉を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
一方で、
- 認定支援機関って、結局なにをしてくれるの?
- お金を払うほどの価値はあるの?
といった疑問を持ったまま、判断できずにいる方も少なくありません。
そこで、この記事では創業融資を検討している方に向けて、次の点を分かりやすく解説していきます。
目次
【結論】創業融資で認定支援機関は必要?1分で分かるメリット・デメリット
結論からお伝えしますと、認定支援機関は、すべての創業者に必須というわけではありません。
しかし、初めての創業融資で「失敗する確率をできるだけ下げたい人」にとっては、費用以上の価値を生むケースが多いサポート手段です。
創業融資は審査で否決になっても再申請が可能ですが、最初の申請でつまずくと、
- 再チャレンジまで時間がかかる
- 自信を失ってしまう
- 事業開始そのものが遅れる
といった影響が出ます。
そのため、「自分ひとりで進めるべきか」「専門家の力を借りるべきか」を最初に整理しておくことがとても重要です。
認定支援機関を利用するメリットとデメリットは、以下のようになります。
| 観点 | 内容 |
| メリット | 融資面 🔸事業計画書の質向上 🔸面談対策ができる 🔸条件に合う融資制度の選定 事業面 🔸準備の負担を軽減できる 🔸計画の実現性が高まる 🔸創業後の相談先にもなり、事業成功の可能性が高まる |
| デメリット | 🔹費用がかかる 🔹比較・選定に手間がかかる 🔹担当者との相性に左右される 🔹悪質業者のリスクがゼロではない |
| 向いている人 | 🔸初めての創業融資で不安がある人 🔸事業計画書の完成度に自信がない人 🔸本業準備に集中したい人 🔸専門家の助言を受けながら進めたい人 |
| 慎重に検討すべき人 | 🔹費用を最優先に考えたい人 🔹すでに事業計画が高い完成度で固まっており、第三者の支援が必須ではない人 |
なお、認定支援機関を利用したからといって、融資が保証されるわけではありません。
あくまで、融資審査に向けた準備の質を高めるための支援であることを理解したうえで活用しましょう。
「使うべきかどうか」を迷ったら?判断ポイント
認定支援機関にサポートを依頼するかどうか迷った場合は、次の問いで考えてみてください。
| ✅ | 事業計画書について、第三者から客観的な指摘を受けたいか? |
| ✅ | 面談で聞かれそうな質問に、自信をもって答えられるか? |
| ✅ | 融資制度や金利条件について、自分で十分に調べ切れているか? |
これらにチェックが入る、つまり「不安がある」「正直よく分からない」と感じる場合、認定支援機関を一度検討してみる価値は十分にあります。
逆に、
| ✅ | 計画内容・数字・説明がすでに固まっている |
| ✅ | 自分で調べ、準備する時間も確保できている |
という場合は、必ずしも無理に利用する必要はありません。
続いて、そもそも「認定支援機関とは?」を詳しく解説いたします。
認定支援機関とは?創業融資での役割
認定支援機関は、正式名称を「認定経営革新等支援機関」といい、中小企業庁(国)が一定の基準を満たすと認定した、経営支援の専門家・機関を指します。
認定を受けるためには、
- 税務・金融・企業財務などの専門知識
- 中小企業や創業者支援に関する実務経験
- 継続的に経営支援を行う体制
などが求められ、誰でも名乗れるものではありません。
創業融資の場面において、認定支援機関は主に次のような役割を担います。
- 事業計画書・創業計画書の作成支援
- 売上計画や資金繰り計画の整合性チェック
- 融資審査を意識した説明内容の整理
- 面談に向けたアドバイス
つまり、融資の申込書類をそれらしく整える存在ではなく、「金融機関に説明できる計画に仕上げるための支援者」という位置づけです。
認定支援機関の探し方
認定支援機関は、中小企業庁の認定経営革新等支援機関 検索システムから検索することができます。
こちらは、各認定支援機関が支援した補助金の実績も確認することができます。
認定支援機関の種類と特徴|誰に相談すべき?
ひと口に認定支援機関といっても、その中身はさまざまです。
代表的なタイプを整理すると、次のようになります。
| 種類 | 主な強み | 向いている相談内容 |
| 税理士・税理士法人 | 会計・税務・資金繰り | 数字の整合性、資金計画 |
| 公認会計士 | 財務分析、資本政策 | 精度の高い財務計画 |
| 中小企業診断士 | 事業戦略、計画全体 | ビジネスモデル整理 |
| 商工会・商工会議所 | 地域密着、無料相談 | 初期相談、制度情報 |
| 金融機関 | 融資実行と近い | 自行商品前提の相談 |
| 民間コンサル | 業界特化、スピード | 特定分野の事業計画 |
重要なのは、「認定支援機関であること」と「自分の創業融資に合っていること」は別という点です。
たとえば、
- 数字に不安があるのに、戦略特化型の支援を受ける
- 事業内容が特殊なのに、経験のない機関に依頼する
といったケースでは、十分な効果が得られないこともあります。
金融機関も認定支援機関?知っておきたい注意点
銀行や信用金庫などの金融機関も認定支援機関ですが、「自社の融資商品を前提としたアドバイス」になりやすいという点に注意が必要です。
地域事情に詳しく、その金融機関の融資実行に近づけるというメリットもありますが、
- 第三者視点で事業計画を整理したい
- 数字や計画の弱点を率直に指摘してほしい
という場合には、税理士や中小企業診断士など、独立した専門家との併用を検討するのも一つの考え方です。
日本政策金融公庫の創業融資と認定支援機関の関係
創業融資で認定支援機関を使うと、特別利率が適用される!
創業融資を調べていると、日本政策金融公庫(以下、公庫)の制度説明の中で「認定支援機関」という言葉を見かけることがあります。
融資制度によっては、認定支援機関の支援を受けることで特別利率が適用されるケースがあります。詳しい内容は後ほどご説明いたします。
創業融資で認定支援機関を使うメリット5選

認定支援機関を利用する最大の価値は、「手続きを代わりにやってくれる」ことではなく、「創業融資の審査に通るポイントをおさえ、事業計画書の作成や面談などのアドバイスをしてくれる」ことにあります。
公庫の創業融資で認定支援機関を使うメリットは、以下の5点です。
- 事業計画書の完成度が大きく高まる
- 面談対策ができ、説明がブレにくくなる
- 融資制度・金利区分の選定ミスを防げる
- 準備・手続きの負担が大きく軽減される
- 創業後の経営相談パートナーになることもある
1.事業計画書の完成度が大きく高まる
創業融資において、最も重要な書類が事業計画書(創業計画書)ですが、多くの方が次の点でつまずきます。
❌売上の根拠があいまい
❌数字同士のつながりが弱い
❌「なぜこの事業で成功できるのか」が伝わらない
認定支援機関は、
- 売上計画と集客方法の整合性
- 利益計画と資金繰りの関係
- 自己資金の形成過程と信頼性
といった点を、第三者の視点でチェック・修正していきます。その結果、自分では気づかなかった弱点が明確になり、金融機関に説明できるレベルまで計画の制度が高まります。
創業計画書(事業計画書)の書き方は、こちらの記事で詳しく解説しております。
2.面談対策ができ、説明がブレにくくなる
創業融資では、書類審査だけでなく面談が行われます。
面談のよくある失敗は、次のようなケースです。
❌計画書に書いた数字を口頭で説明できない
❌質問されてから考え始めてしまう
❌強みをうまく言語化できない
認定支援機関を利用すると、
- よく聞かれる質問の整理
- 数字の説明方法のレクチャー
- 想定問答の事前準備
などを行うため、面談本番で話がブレにくくなり、説明の説得力が増します。
3.融資制度・金利区分の選定ミスを防げる
公庫の創業融資である「新規開業・スタートアップ支援資金」には、複数の制度や金利区分があり、認定支援機関を利用する以外にも、一定の条件を満たすことで特別利率が適用されます。
しかし、特別利率の適用条件に該当するかどうかは自己申告ではなく、公庫の担当者の判断で決定されます。
認定支援機関は、
- あなたの事業がどの融資制度に該当するか
- 特別利率の適用条件に該当するか
- 特別利率適用のための書類整備
といった点をふまえ、制度選定の段階から助言を行います。
特別利率適用の条件に複数該当する場合、すべて適用されます。そのため、担当者にわかるように書類を作成することがとても重要です。
新規開業・スタートアップ支援資金の各種制度
| 名称 | 女性、若者/シニア起業家支援関連 | 中小企業経営力強化関連 | 再挑戦支援関連 |
| 対象 | 新たに事業を始める方、事業開始後おおむね7年以内の方 ➕下記の条件を満たす方 | ||
| ◻️女性 ◻️35歳未満の方 ◻️55歳以上の方 | 中小会計を適用する事業者 | 廃業歴があり、再び創業に挑戦する方 | |
| 金利 | 特別利率A(2.10~4.80%) | 特別利率A(2.10~4.80%) | 特別利率A(2.10~4.80%) |
| 優遇内容 | ・特別利率が適用 | ・特別利率が適用 | ◻️特別利率が適用 ◻️返済期間の延長(運転資金15年以内、うち据置5年以内) ◻️前事業の債務返済にも活用可能 |
*参照:日本政策金融公庫|国民生活事業(主要利率一覧表)
<例>
飲食店を新たに創業する34歳男性の場合
▫️「新たに事業を始める」に該当 → 基準金利から0.65%引き下げ
▫️「35歳未満の方」に該当 → 基準金利から0.4%引き下げ
令和8年5月1日現在、新たに事業を始める方の基準金利は3.35~4.95%のため、1.05%優遇された2.3~3.9%の利率となる。
4.準備・手続きの負担が大きく軽減される
創業期は、融資以外にも開業準備、仕入先や外注先との調整、物件・設備の検討など、やるべきことが山ほどあります。その中で、融資申請の書類を一から調べて準備するのは大きな負担です。
認定支援機関を利用すると、必要書類の洗い出し、書類の不備チェック、提出までの段取り整理などをサポートしてもらえるため、創業者は本来注力すべき「事業の準備」に時間を使いやすくなります。
5.創業後の経営相談パートナーになることもある
認定支援機関との関係は、融資が実行されたら終わり、というケースばかりではありません。特に税理士などの場合、
- 資金繰りの相談
- 税務・会計のサポート
- 追加融資や補助金の相談
など、創業後も継続的に相談できる関係になることがあります。
創業直後は予想外の出費や資金繰りの変動が起きやすいため、「相談できる専門家がいる」という安心感は、想像以上に大きな価値になります。
創業融資で認定支援機関を使うデメリットと注意点

ここまで見ると、メリットばかりに感じるかもしれませんが、当然ながらデメリットや注意点も存在します。
ここからは、それらをあえてしっかり解説していきます。
まず、主なデメリットと注意点は次の4点です。
- 費用(手数料)が必ず発生する
- 機関選びに時間と手間がかかる
- 支援の質や担当者との相性にばらつきがある
- 悪質な業者や高額請求のリスクもゼロではない
1.費用(手数料)が必ず発生する
認定支援機関の利用は、基本的に無料ではありません。
多くの場合、成功報酬や着手金といった形で費用が発生します。
そのため、融資額に対して費用が見合っているか、自分に本当に必要な支援かどうかを考えないまま契約すると、「思ったよりコストが高かった」という結果になりがちです。
特に、「融資希望額が小さい」、「すでに事業計画がかなり固まっている」といった場合は、費用対効果を慎重に見極める必要があります。
2.機関選びに時間と手間がかかる
認定支援機関は全国に数多く存在し、「認定されている」という点だけでは優劣が分かりません。
- 創業融資の支援実績がどれくらいあるのか
- 自分の業種や事業モデルに理解があるのか
- サポート範囲や進め方はどうか
といった点を比較しないまま選んでしまうと、ミスマッチが起きやすくなります。「早く進めたいから」と焦って決めるほど、後から後悔する可能性が高まる点には注意が必要です。
3.支援の質や担当者との相性にばらつきがある
認定支援機関は、国の基準を満たした専門家・機関ではありますが、創業融資の支援経験や得意分野には大きな差があります。
例えば、
- 認定は受けているが、創業融資の実績が少ない
- 補助金や既存企業向け支援が中心で、創業案件に慣れていない
- 担当者の説明が分かりにくく、意思疎通が取りづらい
といったケースもゼロではありません。
そのため、「認定されているから安心」と思い込まず、実際に話して相性を確認することが非常に重要です。
4.悪質な業者や高額請求のリスクもゼロではない
数は多くありませんが、創業者の不安につけ込むような業者が存在するのも事実です。
特に注意したいのが、
❌融資成功率100%
❌必ず通る特別ルートがある
❌今すぐ契約しないと間に合わない
というような表現です。
創業融資に絶対はありません。このような過度な表現を使う業者には、十分注意が必要です。
手数料も要確認!
融資サポートに関する手数料は、法律上の上限が定められています。一般論として、融資額の5%を超える成功報酬を請求する行為は、違法となるおそれがあります。
契約前には、
- 料金体系が明確に説明されているか
- 書面で条件が提示されているか
を必ず確認し、少しでも違和感があれば立ち止まることが大切です。
創業融資で失敗しない認定支援機関の選び方7つの鉄則
認定支援機関を利用するかどうか以上に重要なのが、「どこを選ぶか」「誰に担当してもらうか」です。
実際、「認定支援機関を使ったけれど、あまり意味がなかった」というケースの多くは、選び方の段階でつまずいていることがほとんどです。
そこで、認定支援機関選びの鉄則をご紹介いたします。

【タイプ別】あなたに合うのはどこ?税理士・診断士・コンサル・商工会の違い
認定支援機関には前述したようにさまざまなタイプがあり、それぞれ得意分野があるため、正解は「人によって違う」のが実情です。
まずは全体像を把握するために、主な相談先の一覧表をみてみましょう。
| 資格・経歴 | 主な強み | 特徴的なサポート内容 | おすすめのケースは? | ★創業融資 お勧め度 |
|---|---|---|---|---|
| 税理士 | 創業融資と税務・資金繰りの一貫支援 | 事業計画書・資金計画・面談対策から、融資後の会計・税務まで対応 | 初めての創業融資で、申請から創業後までまとめて相談したい場合 | ★★★★★ ※創業融資に慣れた税理士の場合 |
| 公認会計士 | 財務分析・会計設計の専門性 | 財務シミュレーション、将来の成長や資本政策を見据えた数値設計 | 将来的な資金調達や事業拡大を見据え、財務面を重視したい場合(融資後の申告や顧問契約など) | ★★★★☆ 【税理士登録ありの場合】 ★★★★★ |
| 行政書士 | 許認可取得、法人設立手続き、契約書作成 | 飲食業・建設業などの許認可取得/会社設立関連書類の作成 | 開業時に許認可が必要な業種で、手続きを中心に進めたい場合(飲食・建設など) | ★★★☆☆ |
| 中小企業診断士 | 経営戦略、事業計画の構築支援、補助金申請 | 事業計画のブラッシュアップ/補助金・経営改善支援 | 事業構想や計画の整理を重視したい/補助金も検討している場合 | ★★★☆☆ |
| 商工会・商工会議所 | 地域密着型の創業支援 | 創業相談、制度説明、専門家紹介、創業セミナー | まず無料で情報収集・方向性確認をしたい場合 | ★★☆☆☆ |
| 元金融機関職員 | 金融機関の審査実務への理解、人脈に詳しい | 金融機関ごとの審査傾向を踏まえた助言、相談対応 | 地元の信用金庫や地方銀行など、特定の金融機関を狙いたい場合 | ★★☆☆☆ ※実績が明確な場合に限定 |
それでは、相談目的別にどのタイプが向いているかを整理していきましょう。
- 売上・利益・資金繰りの数字に不安がある
- 自己資金の説明やお金の流れを整理したい
- 創業後も税務・会計の相談をしたい
創業融資の審査では、以下のように申請~創業後の計画まで確認されます。
- 創業計画書(事業計画書)の内容
- 数字の整合性や返済可能性
- 面談での受け答え
- 創業後の資金繰りの見通し
税理士は、これらを整合性を持たせて整理する専門家です。
特に、
- 売上予測の妥当性
- 利益が出る構造になっているか
- 借入後に資金繰りが回るか
といった点を、現実的な目線でチェックしてもらえます。
「数字に自信がない」「計画書が感覚的になっている気がする」という方には、創業融資の実務と相性の良い相談先といえるでしょう。
なお、税理士によって創業融資の支援経験には差があるため、相談時には「創業融資のサポート実績があるか」は確認しておくことが大切です。
- 将来的な事業拡大や追加資金調達を視野に入れている
- 成長を見据えた財務設計を重視したい
- 中長期の数字計画をしっかり整理したい
公認会計士は、会計・財務の高度な専門家であり、将来のスケールを見据えた数字の整理や成長シナリオの設計に強みがあります。
そのため、「将来的に事業を大きくしたい」「今回の創業融資を通過点として考えている」といった方にとっては、財務面を中心に相談できる心強い存在になります。
一方で、創業融資のような中小規模の申請では、融資申請の実務経験が税理士ほど多くないケースもある点には注意が必要です。
ただし、税理士登録をしている公認会計士や、認定支援機関として登録されている会計士事務所であれば、創業融資の実務にも積極的に対応しているケースが多く、創業融資とその後の経営支援を一体で相談しやすい傾向があります。
- ビジネスモデルや戦略を整理したい
- 強み・差別化ポイントを言語化したい視したい
- 計画全体のストーリーを整えたい
中小企業診断士や経営コンサルは、事業全体を俯瞰して整理するのが得意です。
「なぜこの事業なのか」「なぜ今なのか」「なぜ自分がやるのか」といった点を、金融機関に伝わる形に落とし込む支援を受けられます。
「アイデアはあるが、計画としてまとまらない」という方に向いています。
- まずは無料で相談したい
- 何から始めるべきか分からない
- 地域の制度や支援策を知りたい
商工会・商工会議所は、創業の最初の相談窓口として非常に有効です。
- 創業融資の基本的な流れ
- 地域の制度融資や補助金情報
- 事業計画書の簡易的なアドバイス
などを、無料または低コストで受けられます。
ただし、支援の深さや時間には限界があるため、本格的なサポートが必要な場合は、他の専門家と併用するケースも多いです。
- すでに取引のある金融機関がある
- 地域密着の情報を重視したい
- 融資実行までの距離感を重視したい
金融機関も認定支援機関として登録されている場合があります。
融資実行に近い立場のため、審査目線のアドバイスや地域事情を踏まえた助言が得られる点はメリットです。
一方で、自社の融資商品を前提とした話になりやすいため、事業計画を客観的に整理したい場合は、士業など第三者の専門家と併用するとバランスが取りやすくなります。
「併用」も有効な選択肢!
実際の現場では、
- 税理士+中小企業診断士
- 商工会で初期相談 → 専門家に本格依頼
といった併用パターンも珍しくありません。「ここだけに頼らなければいけない」と考えず、自分の課題に応じて組み合わせるという視点を持つと、創業融資は進めやすくなります。
認定支援機関の費用相場|創業融資サポートの料金体系
認定支援機関の利用を検討する際、多くの方が最初に気になるのが 「結局いくらかかるのか?」 という点ですよね。
創業融資サポートの主な料金体系や実際の相場感、契約前に必ず確認すべき注意点を、できるだけ具体的にご説明していきましょう。
報酬相場は融資額の3~5%
創業融資のサポート費用は、融資額の3〜5%程度が相場です。
500万円の融資であれば、15〜25万円前後が目安となります。
これを大きく超える金額を請求される場合は、サービス内容や料金の根拠を必ず確認するようにしましょう。
創業融資サポートの料金体系は主に3パターン
創業融資のサポートにおける料金体系は、主に次の3つに分かれます。
- 完全成功報酬型
- 着手金あり+成功報酬型
- 定額制・定額パッケージ型
どれが正解というわけではありませんが、それぞれの特徴と注意点を理解したうえで選ぶことが重要です。
| プラン | 着手金 | 成功報酬 | メリット | 注意点・デメリット |
| 完全成功報酬型 | なし | 融資金額の3〜5% ※融資成立時のみ費用発生 | 初期費用なしで始められる | 🔹成功報酬が高めに設定されているケースが多い。 🔹成功報酬の最低報酬額が定められている場合もある。 |
| 着手金あり +成功報酬型 | 3万円〜 5万円程度 | 融資金額の3〜5% | 🔸成功報酬はやや安めの傾向。 🔸トータル費用が抑えられる可能性がある | 融資の成否に関わらず着手金が発生する |
| 定額制・定額パッケージ型 | 10万円〜 30万円程度 | なし or 別途発生 | 申請支援等で費用が確定しており、追加報酬は原則なし | 🔹融資成立に至らなくても返金されないことが多い。 🔹支援内容が事業計画書の作成のみ、など限定されている場合もある。 |
融資が実行されなければ費用が発生せず、初期費用を抑えられるというお得感やメリットがあります。
しかし一方で、
- サポート範囲が書類作成などに限定されている
- 面談対策や計画書の作り込みが簡易的になる
- 一定額以上の最低報酬(10万〜15万円前後)が設定されている
- 業務内容ごとに追加費用が発生する場合がある
といったケースもあるため、サポート内容の中身をよく確認することが大切です。また、 成功報酬の「成功」の定義(希望額か、実行された額か)を必ず事前に確認するようにしましょう。
創業融資のサポートでは、着手金+融資実行後に成功報酬を支払う方式を採用している事務所が多く見られます。
この料金体系では、
- 依頼時に支払う着手金で、事業計画書の作成支援や事前準備を行う
- 融資が実行された場合に、追加で成功報酬を支払う
という形で進みます。
初期費用はかかるものの、計画書作成・数字の整理・面談対策まで丁寧にサポートしてもらえる傾向があり、サポート内容と費用のバランスが取りやすいのが特徴です。
「初めての創業で、しっかり伴走してほしい」という方には、最も選ばれている料金体系といえるでしょう。
定額制は、あらかじめ決められた金額でサポートを受ける方式です。
費用が分かりやすい反面、
- 融資額に関わらず報酬が一定
- 支援内容がパッケージ化されている
という特徴があり、事業内容や融資額によっては割高になってしまうこともあります。
「書類のチェックだけしてほしい」など、支援内容が明確に決まっている場合に向いている料金体系です。
費用で失敗しないための重要チェックポイント
創業融資のサポートを依頼する際、特に注意したいのが料金体系の分かりやすさと「成功条件」の定義です。
費用の内容や条件を十分確認しないままで契約してしまうと、あとで想定外の負担が発生してしまうこともあります。
契約前に、必ず次のポイントを確認しておきましょう。
- 複数の認定支援機関の見積比較
- 料金体系(着手金・成功報酬)
- 成功報酬の「成功」の定義
- 具体的なサポート内容
- 追加費用が発生する条件
- 支払いタイミングと不成立時の扱い
- 成功報酬の上限
1.複数の認定支援機関の見積比較
費用やサポート内容は、認定支援機関ごとに大きく異なります。
1社だけで判断せず、複数社を比較することで、相場感や違いが見えてきます。
2.料金体系(着手金・成功報酬)
次の点が、事前に具体的に説明されているかを確認しましょう。
- 着手金の有無と金額
- 成功報酬の割合
- 最低報酬額の設定の有無
たとえば「成功報酬5%」と書かれていても、「最低報酬45万円(5%と比較して高い方)」といった条件が付くケースもあります。
この場合、300万円の融資でも45万円の報酬が必要になり、想定より費用が高くなる可能性があります。
3.成功報酬の「成功」の定義
成功報酬については、何をもって「成功」とするのかを必ず確認しましょう。
- 融資が実行された場合?
- 希望額が満額通った場合?
- 実行された金額を基準に計算?
この定義が曖昧なままだと、トラブルにつながりやすくなります。
4.具体的なサポート内容
「融資サポート一式」といった曖昧な表現ではなく、どこまでが料金に含まれるのかを明確にしましょう。
例えば、
- 事業計画書の作成・ブラッシュアップ
- 修正対応の回数
- 面談対策や想定問答の準備
など、具体的にどのような内容が含まれているかを確認しましょう。
5.追加費用が発生する条件
当初の見積もりとは別に、どのような場合に追加費用が発生するのかも重要なポイントです。
- 修正回数が増えた場合
- 面談同席を追加した場合
- 他の金融機関へ再申請する場合
など、条件を事前に確認しておくと安心です。
6.支払いタイミングと不成立時の扱い
必ず事前に次の点を確認しましょう。
- 支払いは契約時か、融資実行後か
- 融資が実行されなかった場合、着手金は返金されるのか
7.成功報酬の上限
前述しましたが、一般論として、融資額の5%を超える成功報酬を請求する行為は、違法となるおそれがあります。
相場から大きく外れた提示や、説明を濁すような対応があれば、一度立ち止まって検討することが大切です。
料金体系の特徴について
一般的に、
- 完全成功報酬型、定額・定額パッケージ制
初期費用は抑えやすいが、サポート内容が簡易的になる場合もある - 着手金あり+成功報酬型
初期費用はかかるが、計画書作成や面談対策まで含めた丁寧な支援が期待できる
といった傾向があります。
料金の安さだけで判断するのではなく、「どこまで具体的に支援してもらえるのか」を含めて、総合的に判断することが重要です。
認定支援機関の無料相談と有料サポートの違い
認定支援機関に相談する際、「どこまで無料で、どこから有料になるのか分からない」と不安に感じる方は少なくありません。
創業融資に関する認定支援機関の支援は、
- 情報収集・方向性確認のための無料サービス
- 申請実務を伴う有料サービス
に分かれるのが一般的です。
まずは、それぞれの違いを整理しておきましょう。
無料となることが多い業務
情報収集など、初期段階の相談は無料が多い!
多くの認定支援機関では、次のような対応を無料で行っています。
- 初回面談・ヒアリング
- 利用できそうな融資制度の概要説明
- 自己資金比率や経験年数を踏まえた簡易的な見立て
- 必要書類や大まかな申請スケジュールの案内
- 認定支援機関として提供できるサービス内容・報酬体系の説明
この段階では、金融機関に提出するレベルの事業計画書作成や、詳細な数値設計には踏み込まないのが一般的です。
有料となることが多い業務
申請実務・専門支援段階になると有料になる!
実際に創業融資の申請を進める段階になり、専門性と実務性が高い支援は、有料サービスとして提供されることが多くなります。
- 創業計画書・事業計画書の作成・ブラッシュアップ
- 売上・経費・資金繰りなどの数値設計
- 事業コンセプトや市場分析の整理
- 申請書類一式の作成・チェック
- 面談対策(想定質問・回答整理、説明練習など)
- 金利優遇制度を見据えた計画内容の調整
- 金融機関対応に関する助言
これらは、審査結果に直接影響する「実務部分」であるため、無料対応の範囲を超えるのが一般的です。
無料相談は「契約前の見極めの場」として活用する
無料相談は、「無料で全部やってもらう場」ではなく、その認定支援機関に依頼すべきかを見極めるための場と考えるのが適切です。
- どこまでが無料で、どこから有料か
- 有料になった場合、どんな支援を受けられるのか
これらを確認したうえで、納得できた場合にのみ次のステップに進むようにしましょう。
認定支援機関を利用した創業融資申請の流れ
認定支援機関を利用した場合でも、創業融資の進め方そのものが大きく変わるわけではなく、各ステップにおいて第三者の視点によるチェックや準備サポートが入る点が、自分で申請する場合との大きな違いです。
認定支援機関を利用した場合の流れは、以下のようになります。



税理士に依頼した場合の具体的なサポート内容については、「創業融資 税理士への相談」の記事で詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
はい、問題ありません。
多くの認定支援機関では、無料相談を実施しています。
無料相談は、「自分の状況で本当に必要か」「支援内容や進め方は合っているか」「担当者との相性はどうか」を見極める場です。複数の機関に相談して比較することも問題ありません。
解約できるかどうか、また、解約時の費用の扱いは契約内容によります。解約可能なタイミング、着手金の返金有無、解約時に追加費用が発生するかを契約前に確認するようにしましょう。
口頭説明だけでなく、必ず契約書面で確認してください。
多くの認定支援機関では、地方自治体の制度融資や信用保証協会付き融資についても相談可能です。
創業時は、公庫融資と制度融資を組み合わせるケースも珍しくありません。どこまで対応してもらえるかは、無料相談の段階で確認しておくと安心です。
まとめ
認定支援機関は、創業融資において「利用すれば必ず通る」ような万能な存在ではありません。
あくまで、融資審査に向けた準備の質を高めるための支援であり、その役割や限界を正しく理解したうえで活用することが重要です。
一方で、
- 初めての創業融資で手続きや審査に不安がある方
- 事業計画書の完成度を高めたい方
- 面談対策まで含めてしっかり準備したい方
このような方にとって、認定支援機関は創業融資を前に進めるための心強いサポーターになり得ます。
大切なのは、メリットだけを見るのではなく、デメリットや費用面も含めて冷静に判断することです。
費用相場を把握したうえで契約内容を確認し、「ご自身の事業内容や状況に本当に合った支援が受けられるか」という視点で選ぶ必要があります。
コマサポでは、認定支援機関である会計事務所として、創業融資の進め方や事業計画の考え方について、状況に応じたアドバイスを行っております。
現段階で何を準備すべきかを確認する場として、気軽に活用してみてください。
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駒田会計事務所【コマサポ】
代表 駒田 裕次郎
(税理士・公認会計士・認定支援機関)

| 監修: 駒田 裕次郎 駒田会計事務所【コマサポ】代表 | ||
| 【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金サポートを中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。 【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2026年4月末現在) 【所有資格】 ・日本公認会計士協会 東京会所属(第26214号) ・東京税理士会所属(第118805号) ・経営革新等支援機関(認定支援機関) | ![]() | |
| 「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。 | ||

駒田裕次郎 


































