創業融資

起業は借金のリスクが怖い?現在は無担保無保証でローリスクに

近年、起業への関心が高まる一方で、多くの人が「借金のリスク」を大きな障害と感じています。
特に、起業に失敗した場合に背負う負債への恐怖から、なかなか一歩を踏み出せないという声が少なくありません。
かつては、自己破産や多額の借金を背負うリスクがあり、個人の責任で返済を負うことになることも多々ありました。

しかし、現在は政府が経営者保証のない無担保無保証融資を推進しており、ローリスクで起業しやすい環境が整いつつあります。
具体的には、日本政策金融公庫の「創業融資制度」が大幅に改善され、無担保・無保証での融資が可能となったことで、これまで起業をためらっていた方にもチャンスが広がっています。
そこで今回は、起業による借金リスクが減少した背景や、日本政策金融公庫の創業融資の活用方法について詳しく解説していきます。

以前の創業融資は経営者保証が基本でハイリスクだった

かつての日本では、起業に伴う資金調達は個人の保証が必要であり、多くの場合、借金が返済できない場合は個人が全責任を負う状況でした。
そのため、企業経営が軌道に乗らなかった場合、社長個人が多額の借金を抱えるリスクが高く、最悪のケースでは自己破産に追い込まれることも少なくありませんでした

借金によるリスクの高さが、起業に対する敷居を上げ、多くの人が躊躇する原因になっていました。
実際に8割が「借金や個人保証を抱えること」を懸念するとの結果が日本政策金融公庫総合研究所の調査結果ででています
コラム2-2-4〔2〕図 起業関心層が考える失敗時のリスク

中小企業白書 第2節 起業・創業 中小企業庁

このように、起業失敗=自己破産や借金というイメージがつきまとい、起業に奥手になっているという方が多い傾向にありました。
実際に、日本における起業者数は、過去数十年で減少傾向にあります。
中小企業庁のデータによれば、1988年度をピークに開業率は低下し、2000年代を通じて緩やかな上昇を見せたものの、2018年度には再び低下し、足元では4.4%となっています。第2-2-54図 開業率・廃業率の推移

 

中小企業白書 第2節 起業・創業 中小企業庁

しかしながら、近年政府の支援や制度が改善され、起業による借金のリスクを最小限に抑えられる方法が増えてきました。
代表的な制度が「無担保無保証制度」です。
内容について次の章で解説していきます。

無担保無保証制度により、ローリスクで起業が可能に!

開業率が低い昨今の状況をうけて政府は、スタートアップ支援の強化を目的として、民間金融機関に対し無担保・無保証の融資制度の導入やスタートアップ向け融資枠の拡大を推進しています。
具体的には、2022年12月23日に金融庁が公表した「個人保証に依存しない融資慣行の確立に向けた取組の推進について」において、金融機関に対し、経営者保証に依存しない融資の推進を求めています。
具体的には下記の点が記述されています。

  • 創業時に個人保証を求めることが創業意欲の阻害要因となることを考慮し、財務基盤強化の要件を機械的に当てはめず、無保証対応を検討する
  • 日本政策金融公庫などによる創業後5年以内のスタートアップ向け経営者保証免除特例制度や、無保証で利用可能な資本性劣後ローンの活用を推奨。
  • 民間金融機関も日本公庫や信用保証協会と連携して、スタートアップ向けの資金供給支援を行うことが求められる。

このように金融庁は無担保無保証融資を推進しており、ローリスクで起業しやすい環境が整ってきました。

日本政策金融公庫の創業融資は無担保無保証で利用可能!

代表的な無担保無保証融資として、日本政策金融公庫の創業融資(新規開業資金)があります。
簡単な内容は下記の通り。

項目新規開業資金
融資限度額最大7200万円
運転資金の融資枠上限4800万円
返済期間設備投資:最大20年
運転資金:最大10年
据置期間最長5年
自己資金要件なし

日本政策金融公庫の新規開業資金の主な特徴は下記の通り。

  • 無担保・無保証:通常の金融機関と異なり、日本政策金融公庫の創業融資では無担保・無保証で資金を借り入れることが可能です。これにより、万が一事業が失敗した場合でも、経営者が自己破産を避けられるケースが増えました。
  • 低金利での融資:創業時は資金繰りが厳しいことが多いですが、低金利の融資制度により、返済負担も軽減されます。
  • 柔軟な返済スケジュール:事業の成長に合わせて返済スケジュールを調整できるため、経営が安定するまでの負担が少なく、長期的な運用が可能です。

特に無担保無保証での融資は、特に起業初心者にとって大きな安心材料です。
たとえ事業が失敗したとしても、自分の生活や家族に深刻な影響を与えることなく再出発できる可能性が高まります
個人が背負うリスクが軽減されるため、安心して新しいビジネスアイデアに挑戦することができます。

また、これまでのように家族や知人を保証人に立てる必要もないため、周囲に迷惑をかけることもありません
このようにリスクの低減が図られているため、起業を検討している人には大きなチャンスと言えるでしょう。

創業融資については下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

日本政策金融公庫で最大7200万円の融資が可能!スタートアップ支援の新制度とメリット日本政策金融公庫は、国内のスタートアップ企業を支援するため、新たな融資制度をスタートしました。 特に注目すべきは、従来の融資限度額を大...

現在の起業はローリスクに

現在の日本では、政府の後押しにより、創業融資を利用することでローリスクで起業することが可能になっています
以前のように、起業失敗=自己破産、借金といったリスクは大幅に減少しています。

リスクを最小限に抑えた形での起業が可能であれば、革新的なアイデアや熱意をもって、失敗を恐れずに挑戦することができます。
多くの企業家がこの制度を利用し、安心してビジネスに挑戦できる環境が整いつつある今、起業を考えている方にとって大きなチャンスが訪れています。
起業に「失敗するのが怖い」「自己破産が不安」といったネガティブな感情を持っている方はぜひ日本政策金融公庫の創業融資の無担保無保証融資を活用することをおすすめします。

まとめ

今回は起業による借金リスクが減少した背景や、日本政策金融公庫の創業融資について紹介してきました。

今回の記事のポイント
  • 起業リスクの軽減:無担保無保証融資の推進により、起業の借金リスクが軽減され、個人の負担が低減
  • 日本政策金融公庫の創業融資:無担保無保証で最大7200万円の融資が可能。低金利で返済も柔軟なため、安心して資金調達が可能に
  • 家族や知人への負担軽減:保証人不要で、周囲への負担がなく、事業失敗時も生活や再出発を守ることが可能に
  • 新たな挑戦を支援する環境:リスクを抑えた制度により、失敗を恐れず、革新的なアイデアでの挑戦がしやすい環境が整備

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駒田会計事務所 代表
 税理士・公認会計士 駒田裕次郎

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