現代では多様な働き方が尊重されるようになり、サラリーマンの副業が認められるケースも増えてきました。サラリーマンとして会社に所属したまま起業を考えている方も多いのではないでしょうか。
起業といえば、会社を退職して事業を起こすケースが一般的でしたが、今では副業や週末起業を行った後に退職して独立し、本格的な事業展開へと移る方も少なからず見られるようになっています。
この記事では、サラリーマンの起業についてご紹介します。
サラリーマンで独立起業に興味のある方、この記事を見て少しでも参考にしていただけますと幸いです。
弊社でも創業支援・開業サポートを行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
サラリーマンが起業するメリット
サラリーマンのまま起業するメリットにはいくつかのポイントがあります。起業を目指す人がいきなり独立するのではなく、会社員の状態で段階的に準備を進めることで、リスクを最小限に抑えることができます。
安定した収入を確保できる
会社員としての仕事があることで、起業に必要な資金や生活費を安定して確保できます。起業には時間がかかる場合が多く、初期は収益が見込めないこともあるため、定期的な収入があれば経済的なプレッシャーを軽減できます。
リスクを分散できる
起業はリスクが伴いますが、会社員としての職を持ちながら起業準備を進めることで、リスクを分散できます。万が一、起業がうまくいかない場合でも、会社員としての仕事があれば生活の基盤を失う心配が少なくなります。
時間を有効に活用できる
会社員としての仕事がある中で副業として起業活動を始めることで、最初からフルタイムで起業する場合に比べて、リスクを取らずに事業を試行錯誤できます。仕事が終わった後や週末に起業に必要なスキルを学んだり、商品開発やマーケティングを行ったりすることが可能です。副業からの起業や週末起業についてはこちらの記事でも説明しています。


スキルや知識を積むことができる
会社員として働きながら得られる経験や知識は、起業後にも非常に役立ちます。特に、類似業界で起業する場合には業界特有のノウハウやスキルを得ることができ、起業後にそれを活かして事業を進めることができます。また、ネットワークも会社員時代に作っておくことができます。経験を活かしやすい40代、50代での起業についてもこちらの記事で説明しているので、ご参照ください。


人脈や社会的信用を活かせる
上記のメリットとも似ていますが、会社員として働いていることで、既にある程度の人脈や社会的信用を持っていることが多いです。これを活かして、起業後の顧客やパートナー、投資家とのつながりを作ることができ、事業開始時の信頼性を高めることができます。
市場調査がしやすい
会社での仕事と繋がりがある分野で起業する場合、自分が進めようとするビジネスの市場や顧客について、現場で直接的に調査することができます。会社での仕事を通じて、業界の動向や消費者のニーズを把握し、それを事業計画に活かすことができます。
事業が軌道に乗るまでの準備期間として活用できる
起業は、事業が軌道に乗るまでに時間がかかる場合があります。そのため、会社員のまま起業活動を進めることで、事業の計画や資金調達、プロモーションなどの準備を段階的に進め、事業が安定するまで会社員としての仕事を続けることができます。
サラリーマンが起業するデメリット
会社員のままで起業を進める場合、いくつかのデメリットも考慮しなければなりません。起業には自由度や独立性が伴いますが、その一方で会社員としての立場を維持しながらの起業には、時間的・精神的な制約が生じることも多くあります。以下のデメリットについても考慮しておきましょう。
時間の制約
会社員として働きながら起業活動をする場合、仕事と起業活動を両立させなければならないため、非常に多忙になることがあります。平日の仕事に加えて、夜間や週末に起業活動を行う必要があり、休息やプライベートの時間が削られることになります。このような生活が続くと、身体的・精神的に負担がかかり、仕事や起業の両方に悪影響を与える可能性もあります。
集中力の分散
会社員としての仕事と起業活動を同時に進めることで、どちらかに集中できず、どちらも中途半端に終わるリスクがあります。特に、初期の起業活動では多くの時間とエネルギーを注ぐ必要があり、会社の業務とのバランスを取るのが難しくなることがあります。その結果、両方の業務に対する集中力が低下し、成果が出にくくなることもあります。
会社の規則や就業規則の制約
企業によっては、副業を禁止しているか、制限を設けている場合があります。特に、起業といった本格的なビジネス活動は、競合となる企業の存在や、業務に支障をきたす可能性があるため、就業規則に抵触していないかを必ず確認しましょう。
会社の規則に従わなければならないため、副業がバレると懲戒処分を受けることもあり、リスクを伴います。
情熱とエネルギーの分散
会社員として働きながらの起業活動では、どうしても起業に対する情熱やエネルギーを分けなければならず、全力で取り組むのが難しくなります。特に、仕事に忙殺されていると、起業活動が後回しになり、アイデアが形にならないまま時間が過ぎていくことがあります。起業に必要な「一か八かの決断」や「全力投球」が難しくなることもあります。
会社内での評価やキャリアに影響
副業や起業活動が会社に知られた場合、会社内での評価に影響を及ぼすことがあります。上司や同僚からの理解が得られないと、仕事へのモチベーションが低下したり、逆に疎外感を感じることがあるかもしれません。また、長期的に見れば、会社員としてのキャリアの進展に影響を与える可能性もあります。会社員と起業家としての二重生活が、社内での立場を複雑にすることも考えられます。
サラリーマンが起業を始める方法
資金調達方法について
サラリーマンの起業に限った話ではないのですが、独立開業資金のための資金調達の方法には、以下のような方法があります。
- 自己資金
自身が所有する資産を利用する資金調達方法です。自己資金が多いと多くの融資を受けやすくなるというメリットもあります。自己資金の説明はこちらの記事で詳しく説明しています。

- 親・親戚・友人に貸してもらう。
公式な手続きや審査が不要なため、迅速に資金を調達できるほか、低金利または無利息で借りられることが多く、返済期間についても柔軟に設定できる場合が多いです。 - 日本政策金融公庫等の金融機関から創業融資を受ける。
日本政策金融公庫の融資についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

- ベンチャーキャピタル
将来成長が見込めるベンチャー企業やスタートアップ企業の将来の成長を見込んで投資する組織のことです。資金を返済する必要はありませんが、企業が成長や上場したときに株式を売却することで資金を回収します。 - エンジェル投資家
将来成長が見込めるベンチャー企業やスタートアップ企業に出資する個人投資家のことです。投資したお金を企業から直接回収することはせず、将来そのベンチャー企業が株式上場した際の出資金のキャピタルゲインを得ることを目的としている場合が多いです。
このうち、自己資金で開業できればベストなのですが、必要となる資金を全額自己資金で用意できる方は少数だと思います。
また、人脈や家族の力を利用し、「他人からの出資」によって開業資金を賄える方もかなりの少数だと思います。
現実的には、日本政策金融公庫などの金融機関や信用金庫からの創業融資を検討することが多くなると思います。
それでは、具体的に融資を受ける方法について見ていきましょう。
融資先の例
下記は、創業や開業時に利用可能な融資先の例です。
【日本政策金融公庫】
創業・継承、設備投資、研究開発、海外展開など、様々な事業目的に合わせた融資制度がある機関です。特に創業時は積極的な感じが見受けられます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
【保証協会付き融資】
信用保証協会(東京都の場合)が保証人となって金融機関から融資を受ける制度です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
【日本政策金融公庫で飲食店の起業・開業(東京都)】
※諸条件はありますが、東京都飲食業生活衛生同業組合に加入することで、金利等の優遇を受けられる場合があります。
まとめ
今回は、「サラリーマンの起業」について、スポットをあててみてきました。
「コマサポの創業サポートナビ」を運営する駒田会計事務所は、これから創業される方・創業5年以内の皆様に対して、創業時における資金調達のサポートを行っております。日本政策金融公庫の創業融資の支援を始め、多くの創業融資のサポート実績があります。
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駒田会計事務所 代表
税理士・公認会計士 駒田裕次郎
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