日本政策金融公庫(以下「公庫」)へ融資を申込む為に、創業計画書をこれから書こう!と考えている人の中にはセールスポイントの書き方に悩まれた方がいらっしゃるかもしれません。
- 例文がないので、難しい
- そもそも自社の何がセールスポイントなのかわからない
- 3行しかないので、何をアピールすれば良いかわからない
など悩むポイントはいくつかあるでしょう。
そこで今回は創業計画書のセールスポイントの書き方と例文について解説していきます。
目次
創業計画書のセールスポイントが重要な理由
創業計画書のセールスポイントは創業計画書の中でも特に重要です。
他社との違いを明確にできるポイントとなるためです。
他社と差別化できない場合、価格競争に巻き込まれる可能性が高いです。
特に大手企業や体力のある企業との競争になる場合、価格競争で勝てる見込みはほとんどありません。
そのため、独自の戦略やユニーク性を持ち、「この会社の店だから行きたい」「この会社のサービスだから利用したい」と顧客に思わせることが重要になってきます。
上記の理由から、公庫の担当者もセールスポイントを重要視するため、力を入れて書くことが重要になってきます。
セールスポイントの書き方
セールスポイントの書き方について解説していきます。
セールスポイントを書く場所は3.取扱商品・サービス
セールスポイントは「3.取扱商品・サービス」の欄に書く場所があります。
下記の欄ですね。

3行欄でセールスポイントを書かなければなりませんので、中々難しいと思われる方もいらっしゃいますよね。
しかしながら、この欄はあくまで面接前の下準備です。
実際のアピールはほとんど面接で行うので、簡潔に箇条書きで問題ありません。
具体的に分かりやすく書く
セールスポイントを書くときは具体的に分かりやすく、簡潔に書きましょう。
簡潔に書くとはいっても、漠然で分かりにくく書いてはいけません。
面接で公庫の担当者が深堀しやすいように書く必要があります。
例えば、飲食店で「アットホームでくつろげるような店にする」のような漠然でどういった店ができるのか、分かりにくい書き方はNGです。
「温かみのある内装や照明、掘りごたつの座敷席など落ち着いた雰囲気を演出」のように具体的に分かりやすく伝えるようにしましょう。
セールスポイントは飲食店で成功している他社のキャッチコピーを意識しても良いかもしれません。
セールスポイントを書く上で、重要なポイント
セールスポイントを書く上で重要なのは他者と差別化できる点を明確にすることです。そして、差別化を考える上で次の3つのポイントを意識するのがよいでしょう。
- 製品で差別化する
- 顧客サービスで差別化する
- 流通チャネルで差別化する
製品で差別化するというのは他社とは異なる性質を持った商品を販売するという事です。
飲食店であれば「国産にこだわる」「ヴィーガン向けの商品にする」「アレルギー持ちの人でも安心して食べられる」といったように他社とは異なる製品を提供することで差別化を図れます。
顧客サービスで差別化するというのは本来売る商品とは別の顧客サービスで差別化することをいいます。
飲食店であればメインは食事の提供ですが、一緒にユニークなおもちゃをサービスとして提供することで、他社と差別化しています。
流通チャネルで差別化するというのは一般的なルートとは異なるルートで商品を仕入れられるということです。
飲食店で例えばかねてより牧場との付き合いがあれば、独自のルートで質の高い肉や珍しい肉の部位を仕入れられるかもしれません。
通常のルートでは異なる仕入ルートのため、セールスポイントの一つとなるでしょう。
このように他社とどの様な点において差別化を出来るか考える事が、セールスポイントを記載するポイントとなってきます。
そこで、実際に公庫はどのようなセールスポイントを求めているのか、具体例をあげながら次の章で解説していきます。
セールスポイントの具体例
実際のセールスポイントの具体例を確認していきましょう。
日本政策金融公庫が公開している資料である「創業計画書の具体例」の中に具体例があげられていますので、紹介していきます。
飲食業のセールスポイント(創業計画書の例文)
公庫の創業計画書の具体例の資料は下記の通り。

(日本政策金融公庫 創業計画書【記入例】)
飲食店の創業計画書の例文です。
セールスポイントは
- ワイン、ビール、オリジナルカクテル等200種類のドリンクを提供する。
- 地元の食材を使用した地産地消にこだわり、高品質な料理をリーズナブルに提供する。
- 月1回、友人の協力でアコースティックギターの生演奏会を予定している。
となっています。
200種類という様々なドリンクが楽しめるということと、アコースティックギターの生演奏会が明確な差別化ポイントとなっています。
欲を言えば、近隣地域で同じようなことをやっている飲食店を探し、「お客さんは入っているか」「客層はどのくらいか」「客単価はどのくらいか」などを事前にマーケティングしておくのが良いかと思います。
この様に公庫が提供している資料を参考にしながら、自身の事業において、競合他社と差別化出来るポイントを考えてみましょう。
なお、以下のページよりいくつかの業種の創業計画書の記入例がダウンロードできます。
(日本政策金融公庫 各種書式ダウンロード)
事業の強みや弱みを分析するのに役立つフレームワークを、こちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひご確認ください。

まとめ
今回は創業計画書のセールスポイントの書き方や例文について紹介してきました。
ポイントは下記の通りです。
- 創業計画書の中でもセールスポイントは特に重要
- セールスポイントは以下の3つに注意して記載
- 具体的かつ簡潔に
- 「製品」「流通チャネル」「顧客サービス」の3つの差別化を意識
- 公庫の資料である創業計画書の記入例を参考にする
セールスポイントは創業融資の審査で重要なのはもちろんのこと、経営や今後の融資でも重要になってくる要素です。
しっかりとプレゼンできるようなセールスポイントを構築してから、融資の申し込みを行うことをおすすめします。
開業資金の調達で融資の申込みをお考えであれば、おすすめなのは公庫の融資です。
公庫の融資金利が低く、状況によっては無担保・無保証で融資を受けることが出来ます。
もし、日本政策金融公庫の創業融資を検討していて、「専門家の力を借りたい」ということがあれば、一度創業融資 代行サポート(コマサポ)まで連絡してみてください。
公庫融資の一つである新規開業資金の条件や内容については、こちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひご確認ください。

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税理士・公認会計士 駒田裕次郎
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