定年後のセカンドライフで、自分らしい生き方を求める人が増えています。長年積み重ねてきたスキルや経験、自分の趣味を活かして起業を考えている人は多いのではないでしょうか。
しかし、シニアの起業には注意が必要な点もあります。
今回は、シニアの起業でやってはいけないこと・失敗しないためのポイントを紹介していきたいと思います。この記事を見て少しでも参考にしていただけますと幸いです。
弊社でも定年後の起業をお考えの皆様の起業サポートや創業支援を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
目次
シニア起業のメリット・デメリット

シニア起業のメリット
シニア起業には、さまざまなメリットがあります。
- 老後のやりがい
定年後も働くことで、日々の充実感や目的意識を持ち続けることができます。新しい目標に向かって取り組むことで、心身ともに活性化されます。 - 自己資金が多い
若い人よりも働いた年数が長く、貯金があることはシニア起業において大きな強みです。この自己資金を活用することで、安定して起業をすることが可能になります。 - 年金以外の収入が見込める
起業することで、年金に加えて新たな収入源を得ることができます。これにより、老後の生活費だけでなく、趣味や旅行など、やりたいことを楽しむことができ、より豊かな生活を送ることができます。 - 長年培ったスキルや人脈がある
職業人生で得た専門知識や経験、さらに人脈を活用することで、ビジネスの成功率を高めることができます。信頼関係を活かし、顧客やパートナーを得るのも容易です。
シニア起業は、長年培ったスキルや人脈、そして自己資金を活かして、老後の生活をより豊かにする一つの選択肢です。新たな目標に向かって挑戦することで、やりがいを見つけ、経済的な安定も手に入れることができます。
シニア起業のデメリット
シニア起業は、経験や人脈といった強みがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
- 体力的な問題
起業は長時間労働になることが多く、特に若い頃に比べて体力が低下しているシニア世代にとって、体力的な負担が大きくなります。そのため、無理のない範囲で事業を進めることが求められます。
また、ストレスや不規則な生活は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。特に持病がある場合は、事業活動と健康管理を両立させることが重要です。適切な休息や健康的な生活習慣を維持し、体調を整えながらビジネスに取り組むことが大切です。 - 最新の技術の獲得
最新のツールや技術を使いこなすことが難しい場合、ビジネスの展開が遅れる可能性があります。特にデジタル化が進む中で、ITスキルの不足が大きなハンデとなることがあります。情報収集を怠らず、業界のトレンドや新技術について常にアンテナを張ることが重要です。 - 資金調達
年齢を理由に銀行融資が受けにくい場合や、投資家を探すのが難しいことがあります。これにより、事業を立ち上げるための資金が不足する可能性があります。特に、年齢の面から十分な融資期間が取れないこともありえます。
十分な自己資金を用意して起業することが重要です。
起業時の自己資金についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

- 失敗のリスク
若い世代は事業に失敗しても、再びどこかの企業で働き、失った資金を取り戻す機会があります。一方で、シニア世代の場合は働ける年数が限られているため、リスクを取り戻すことが難しくなります。そのため、計画的に事業を進め、無理のない範囲での起業を心掛けることが非常に重要です。リスクを最小限に抑えつつ、自分のペースでビジネスを展開していくことが大切です。
シニア起業は、やりがいのある第二の人生を送るための素晴らしい選択肢ですが、同時にリスクも伴います。これらのデメリットを事前に理解し、対策を講じることが重要です。
シニア起業でやってはいけないこと
次に、シニア起業でやってはいけないことを解説します。

- 金銭目的だけで起業する
収入が不安定な中、金銭目的で起業するのは危険です。起業当初は思ったほど稼げない可能性が高く、モチベーションを失うことにもつながります。本当にやりたいことや好きなことを明確にし、それをビジネスに結びつけることが重要です。 - 無理な投資をする
計画性のない大きな投資は避けるべきです。初めは小さく始め、ビジネスが軌道に乗った後に必要な部分へ段階的に投資していくことが大切です。 - 老後資金を確保しない
起業を考える際には、老後資金の確保が非常に重要です。老後の生活資金を考えずに起業すると、収入が入らない場合、将来の生活が困難になります。まずは老後に必要な資金を準備し、残りのお金で起業資金を考えましょう。 - 過去の成功体験に固執する
過去の成功体験に固執すると、現在の市場や顧客ニーズの変化に対応できなくなります。新しいアイデアやアプローチを柔軟に受け入れる姿勢が求められます。 - 市場調査を怠る
市場や競合のリサーチを行わずにビジネスを始めるのは危険です。顧客のニーズを理解せずにサービスや商品を提供しても、需要がなければ失敗につながります。事前にしっかりと市場調査を行い、戦略を練ることが必要です。
シニア起業に適している業種
シニア起業に適している業種は、ご自身の経験やスキル、興味関心によって大きく異なります。ご自身が、これまでの人生で最も経験やノウハウを積んだ分野での起業が最も成功確率が高く、創業融資も通りやいと言えます。
しかし、一般的に以下の様な業種が挙げられます。
- コンサルティング
特に特定の分野において豊富な経験とスキルを持つ人におすすめです。多くのシニアが幅広い分野でコンサルタントとして活躍しています。
コンサルトの開業方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。

- 教育・講師業
自身の専門知識や趣味を活かして教えることができます。ニーズの高い分野であれば、効率的にビジネスを回せるでしょう。 - 不動産賃貸業
すでに不動産を所有している方や退職金などを活用して不動産を購入できる方におすすめです。安定して長期的な収入を得ることができ、リスクも比較的低いといえます。
不動産屋の開業方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。

- 営業代行
自身の人脈やコミュニケーション能力を活かして他社の営業活動をサポートするビジネスです。長年の経験から得た信頼関係や業界知識を活用することができます。比較的簡単に参入でき、ランニングコストも低く、柔軟な働き方が可能です。
シニアが起業する際の資金調達方法について
シニア起業は一見すると、自己資金や経験を活かして低予算で始められるように思われますが、実際には資金調達が重要です。特に、事務所を構えたり、ホームページを構築する費用など、さまざまな固定費がかかります。また、新規顧客の獲得が難しく、開業初期にはすぐに収入が得られないことが多いため、資金繰りに苦労する可能性があります。
したがって、シニア起業においても資金調達は必須と言えるでしょう。日本政策金融公庫によると、シニア起業家が必要とする起業資金は平均605万円です。起業に必要な資金は、事業内容などによって大きく異なりますが、一般的に必要資金のすべてを自己資金でまかなうことは難しい場合が多いです。また、起業後には予想外の支出が出てくることも念頭に置いておきましょう。
シニアの起業に限った話ではないのですが、起業資金のための資金調達の方法には、以下のような方法があります。

金調達の方法には、以下のような方法があります。
- 自己資金
自身が所有する資産を利用する資金調達方法です。自己資金が多いと多くの融資を受けやすくなるというメリットもあります。 - 親・親戚・友人に貸してもらう。
公式な手続きや審査が不要なため、迅速に資金を調達できるほか、低金利または無利息で借りられることが多く、返済期間についても柔軟に設定できる場合が多いです。 - 日本政策金融公庫等の金融機関から創業融資を受ける。

- ベンチャーキャピタル
将来成長が見込めるベンチャー企業やスタートアップ企業の将来の成長を見込んで投資する組織のことです。資金を返済する必要はありませんが、企業が成長や上場したときに株式を売却することで資金を回収します。 - エンジェル投資家
将来成長が見込めるベンチャー企業やスタートアップ企業に出資する個人投資家のことです。投資したお金を企業から直接回収することはせず、将来そのベンチャー企業が株式上場した際の出資金のキャピタルゲインを得ることを目的としている場合が多いです。
このうち、自己資金で開業できればベストなのですが、必要となる資金を全額自己資金で用意できる方は少数だと思います。
また、人脈や家族の力を利用し、「他人からの出資」によって開業資金を賄える方もかなりの少数だと思います。
現実的には、日本政策金融公庫などの金融機関や信用金庫からの創業融資を検討することが多くなると思います。
それでは、具体的に融資を受ける方法について見ていきましょう。
融資先の例
下記は、創業や開業時に利用可能な融資先の例です。
【日本政策金融公庫:新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)】
日本政策金融公庫の国民生活事業では、女性の方、35歳未満または55歳以上の方の創業を「新規開業資金」にて支援しており、特別利率で利用が可能です。
【保証協会付き融資】
信用保証協会(東京都の場合)が保証人となって金融機関から融資を受ける制度です。実際には信用金庫や信用組合が窓口となって融資を行い、保証協会が連帯保証人となります。
【女性・若者・シニア創業サポート2.0(東京都)】
東京都内における女性、若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)で、創業の計画がある方
又は創業後5年未満(女性は7年未満)の方は、固定金利1%以内、無担保無保証での借入が可能です。「地域の需要や雇用を支える事業」であることが求められます。
まとめ
今回は、「シニアの起業」について、スポットをあててみてきました。
「コマサポの創業サポートナビ」を運営する駒田会計事務所は、これから創業される方・創業5年以内の皆様に対して、創業時における資金調達のサポートを行っております。日本政策金融公庫の創業融資の支援を始め、多くの創業融資のサポート実績があります。
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駒田会計事務所 【コマサポ】 代表
公認会計士・税理士 認定支援機関
駒田 裕次郎