創業融資

創業時の資金調達の方法とは?日本政策金融公庫の創業融資を含む方法を詳しく紹介します。

創業者の皆さまが、まず一番悩むのは、創業時の資金調達をどのように行うべきか、ではないでしょうか?そこで、一般的な創業ステージにおける資金の調達方法についてまとめてみました。

事業を始めるには資金が必要です。事業が軌道に乗り、資金が回り始めるまで、一般的には1年は掛かると言われています。

そのため、開業準備資金の中には、事業そのものにかかるお金だけではなく赤字補填資金や生活資金も考慮に入れなければなりません。

中小企業白書2015によれば、開業率1.4%に対し、廃業率は実に6.1%となっています。業種にもよりますが、1年以内の廃業率は30%から40%、つまり2社~3社に1社は1年以内に廃業していることになります。そのほとんどが、資金繰りの悪化が原因です。

開業準備の時点でどれだけ上手に資金を調達できるかで、会社や事業の命運が大きく左右されることがわかります。創業時に首尾よく資金調達を行い、しっかりと将来に備えていきましょう。

以下では、主な開業時の資金調達の方法の概要をご紹介いたします。

1.創業融資とは、創業時に金融機関から借入を行うことです。

創業融資は主に「日本政策金融公庫による融資」と「制度融資」に分けることができます。

〇日本政策金融公庫の創業融資(公庫融資)

日本政策金融公庫は、100%政府が出資を行っている政府系の金融機関です。中小企業の支援を目的に活動する機関であり、「無担保・無保証」で借りられる制度も有しており、創業時の資金調達の一番強い味方といえます。

こちらの記事で日本政策金融公庫の創業融資について紹介していますので、合わせてご確認ください。

https://www.sogyo-support.biz/blog/sougyo/point/

〇制度融資

制度融資は、地方自治体・信用保証協会・銀行などの金融機関が連携して公的資金を貸し出す制度です。

地方自治体が金融機関に貸付用の資金を預け、金融機関はその資金をもとに、信用保証協会の保証を条件として中小企業への融資を行います。

信用保証協会は、実績がない等の理由で保証人を見つけることが難しい中小企業の保証人の役割を果たしてくれる、頼もしい機関です。

地方自治体・金融機関・保証協会の三者の審査を受けるため、公庫融資より審査が厳しい面もありますが、制度融資の方が金利は安くなります。ただし、別途、信用保証料が上乗せされますので、その点も加味する必要があります。

こちらの記事で詳しく紹介していますので、合わせてご確認ください。

https://www.sogyo-support.biz/blog/sougyo/seidoyushisougyouyushi/

〇東京都創業サポート事業

東京都内で事業を行う女性、39歳以下の若者、55歳以上のシニアを対象とした東京都独自の支援制度です。
地域創業アドバイザーと信用金庫・信用組合が連携を取り、固定金利1%以内の低金利・無担保で融資を行います。

融資後の経営サポートも充実している点にも特徴があります。

こちらの記事で詳しく紹介していますので、合わせてご確認ください。

https://www.sogyo-support.biz/blog/sougyo/tokyotosougyousupport/

2.創業補助金/創業助成金

〇創業・第二創業促進補助金

中小企業庁(経済産業省)の創業者向けの補助金である。これから創業する事業者を対象とした補助金で、創業に必要な資金のうち、実際にかかった経費の3分の2まで、最大200万円支給する補助金です。融資と異なり、基本的には返済不要である点が最大のメリットといえます。
※2020年時点では本内容は事業承継補助金に引き継がれまして、基本的にあ創業補助金としての中身はなくなっております。

ただし、補助金は後払いですので、補助事業を実際に実施し、報告書など必要書類を提出し、検査を受けてからの支給となります。補助金が支給されるまでのつなぎ資金の調達(創業融資)も必要となりますし、緻密な事業計画書を提出することが補助金採択のポイントとなります。

したがって、創業補助金・創業融資の両方に精通している専門家の支援を受けて申請を行うことが望ましいでしょう。

〇東京都創業助成事業

東京都創業助成事業は、都内で創業予定または創業後5年未満の事業者(ただし、一定の要件があります)に対して、最大300万円の助成を行います。創業後にも申請できる点に特徴があり、こちらも基本的に返済は不要です。
また、中小企業庁の創業補助金と同様、補助率は3分の2までとなっており、後払いであるという点やつなぎ融資(創業融資)が必要となる点で同じですが、創業前だけでなく、創業後5年未満の事業者まで対象となる点で、大きく異なります。

3.出資

家族や友人・知人に事業資金を出資してもらうことも考えられます。
株式会社であれば、設立時の株主になってもらい、事業が軌道に乗ってきたら配当を行うことになります。あるいは、高い成長性が期待できるビジネスであれば、ベンチャーキャピタルなどに出資してもらう方法も考えられます。

なお、家族や友人などに資金を貸してもらう場合、「出資」ではなく、「借入」となります。その際には書面で金銭消費貸借契約を結び、適正な利息を付して返済することになります。

4.クラウドファンディング

製品開発やイベントの主催など、特定のプロジェクトに対しインターネットを通じて不特定多数の人々に少額の資金を募る方法です。
以下のようなレディーフォー、キャンプファイヤーなどのサイトからプロジェクトの応募ができます。

また、クラウドファンディングは、資金提供者に対する見返り(リターン)によって金銭的なリターンのない「寄付型」、金銭リターンを伴う「投資型」、プロジェクトが提供する物品や権利を購入する「購入型」の3種類に分類されます。

こちらの記事で詳しく紹介しています。

https://www.sogyo-support.biz/blog/inshoku/shikincyoutatsu-3/

まとめ

今回は、創業時の資金調達方法について、スポットをあててご説明してきました。

以上のように、創業資金には様々な調達方法がありますが、創業資金の全てを、家族・友人などから出資や借入でまかなえたり、ベンチャーキャピタルなどから資金を調達できるのは、ごく僅かの方に過ぎません。大多数の方は、現実的に創業融資・創業補助金の利用を検討することが多いと思われます。

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駒田会計事務所 代表
 税理士・公認会計士 駒田裕次郎

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