日本政策金融公庫では、これから事業を始める創業者だけでなく、創業後に事業を拡大していくスタートアップ企業に対しても、さまざまな資金調達支援を行っています。
スタートアップは、創業直後だけでなく、製品・サービスを市場に投入し、売上を拡大していく段階でも多額の資金が必要になります。
そこで日本政策金融公庫では、創業期を支援する「国民生活事業」と、一定規模まで成長した企業を支援する「中小企業事業」の双方から、スタートアップの成長段階に応じた融資制度を用意しています。
この記事では、日本政策金融公庫が行うスタートアップ支援の全体像について、成長ステージごとに分かりやすく解説します。
日本政策金融公庫のスタートアップ支援の全体像
スタートアップは、事業の成長に応じて、一般的に次の4つのステージに分類されます。
- シード:創業準備期
- アーリー:事業立ち上げ期
- ミドル:成長期
- レイター:経営基盤確立期

シード期|創業準備・研究開発を行う段階
シード期は、事業を立ち上げる前後の段階です。
商品・サービスの企画や研究開発、試作品の制作、市場調査などを行う一方で、まだ十分な売上が発生していないケースも少なくありません。
そのため、自己資金をはじめとした手元資金を使いながら、事業化に向けた準備を進めることになります。
この段階は「魔の川(Devil River)」と呼ばれており、研究開発から実際の事業化までを乗り越えられるかどうかが一つのポイントになります。
アーリー期|事業を立ち上げ、売上を作る段階
研究開発や試作品の制作を終え、実際に商品・サービスを市場へ投入するのがアーリー期です。
しかし、商品を販売できるようになったからといって、すぐに十分な利益が生まれるとは限りません。
広告宣伝費や人件費、仕入資金などの支出が先行する一方、売上が安定するまでには時間がかかります。
そのため、資金繰りが厳しくなりやすく、この時期は「死の谷(Valley of Death)」とも呼ばれています。
創業時に調達した資金が減少するなかで、追加の運転資金をどのように確保するかが重要になります。
創業前後から創業初期の事業者については、日本政策金融公庫の国民生活事業による「新規開業・スタートアップ支援資金」などが資金調達の選択肢となります。
新規開業・スタートアップ支援資金の概要はこちら
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 以下のいずれかに該当する方が対象です。 🔷これから新たに事業を始める方 🔷事業開始後おおむね7年以内の方 |
| 融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金は4,800万円まで) |
| 金利 | 基準金利:2.50~5.20% *決算が2期未満の方は、原則として0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)引下げ |
| 返済期間 | 🔷設備資金:20年以内 🔷運転資金:10年以内 *うち据え置き期間5年以内 |
| 担保・保証人 | 原則不要 |
| 自己資金 | 要件は明記されていませんが、融資希望額の30%程度が望ましいです |
*参照:日本政策金融公庫|新規開業・スタートアップ支援資金
新規開業・スタートアップ支援資金の詳細については、こちらの記事をご確認ください。
👉新規開業・スタートアップ支援資金(日本政策金融公庫)を税理士が分かりやすく解説
ミドル期|人材・設備への投資が増える成長段階
商品・サービスが市場で受け入れられ、売上が伸び始めるとミドル期に入ります。
事業が順調に成長しているように見える一方で、
- 従業員の採用
- オフィスや店舗の拡張
- 生産設備の導入
- システム開発
- 広告宣伝
- 新規拠点の開設
など、事業拡大のための投資も増えていきます。
売上が増えていても、成長スピードに資金調達が追いつかなければ資金繰りが厳しくなる可能性があります。
こうした成長段階の企業に対する資金供給も、日本政策金融公庫によるスタートアップ支援の重要な役割です。
レイター期|経営基盤を確立し、さらなる成長を目指す段階
レイター期になると、一定の売上や事業基盤が確立され、企業としてさらに大きな成長を目指す段階になります。
IPO(株式上場)やM&A、全国展開、海外進出などを視野に入れる企業も増えてきます。
日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金の対象にならない場合は一般貸付が対象となります。
日本政策金融公庫の追加融資についはこちらの記事で詳しく解説しています。
👉日本政策金融公庫の追加融資の条件や審査のコツを解説
日本政策金融公庫のスタートアップ支援を利用する際のポイント
日本政策金融公庫では、創業前後の事業者から成長段階にあるスタートアップまで、事業のフェーズに応じた融資制度が用意されています。
ただし、制度上の融資限度額や返済期間などの条件が、そのまま実際の融資条件として認められるわけではありません。
融資を検討する際には、次のポイントを押さえておきましょう。
融資制度にはそれぞれ融資限度額が設定されていますが、限度額は「申込みをすればその金額まで借りられる」という意味ではありません。
実際の融資額は、
- 必要な資金額
- 資金の使い道
- 自己資金の状況
- 創業者の経験や経歴
- 事業計画の実現可能性
- 売上や利益の見込み
- 借入金の返済可能性
などをもとに審査されます。
新規開業・スタートアップ支援資金では、かつて設けられていた「創業資金総額の10分の1以上」といった形式的な自己資金要件はありません。
しかし、これは「自己資金がなくても問題ない」という意味ではありません。
自己資金は、創業に対する本気度や計画性を計る指針となり重要視されるポイントです。
自己資金の目安や、公庫の審査で自己資金がどのように見られるのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
👉起業で必要な自己資金の目安はいくら?開業資金の平均値も解説
融資制度では、返済期間や据置期間の上限が定められています。
ただし、すべての申込者が最長の返済期間や据置期間を利用できるわけではありません。
実際の返済条件は、融資額や資金使途、収支計画、返済能力などを踏まえて決定されます。
そのため、事業計画を作成する際には、「最長期間で借りられること」を前提にするのではなく、多少返済期間が短くなっても資金繰りに問題がないよう、余裕を持った計画を立てておくことが重要です。
まとめ
今回は、日本政策金融公庫のスタートアップ支援について、スポットをあててみてきました。スタートアップ企業にとっては、追い風となる支援と言えますね。
| 🔶日本政策金融公庫の創業融資に強い 一般的に、公庫の創業融資が通る確率は1~2割とも言われています。 しかし、駒田会計事務所では通過率90%以上の実績でフルサポートいたします。 🔶成功報酬型で安心。最短三週間のスピード対応! 成功報酬型なので、安心してご依頼ください。 万が一、融資が通らなかった場合には、成功報酬は発生しません。 公庫での面談がご不安な方には、面談時の同席サポートもしております。 🔶会社設立や税務会計もまとめてワンストップで提供いたします! 会社設立や税理士顧問、許認可の申請など、ご要望に応じて創業時に必要なサービスをまとめて提供いたします。 弊社は税理士・会計事務所であり、司法書士・社会保険労務士・弁護士・行政書士など、経験豊富なパートナーと共に、ワンストップで対応いたします。 |
創業者の皆様は「必ずこの事業を成功させたい!」という熱い思いで、弊社に相談に来られます。このお気持ちに応えるため、私どもは、事業計画を初めて作成されるお客様でも、丁寧に一つ一つ確認しながら、一緒に事業計画書の作成や創業融資の申請をサポートいたします。
そして、お客様のビジネスが成功するために、創業融資、会社設立、経理、税務申告など、創業者に必要なサポートをさせていただいております。
まずは創業・起業のこと、融資に関することなどお気軽にご相談ください。お客様にとって最適なアドバイスをさせていただきます。
駒田会計事務所【コマサポ】
代表 駒田 裕次郎
(税理士・公認会計士・認定支援機関)

| 監修: 駒田 裕次郎 駒田会計事務所【コマサポ】代表 | ||
| 【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金サポートを中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。 【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2026年4月末現在) 【所有資格】 ・日本公認会計士協会 東京会所属(第26214号) ・東京税理士会所属(第118805号) ・経営革新等支援機関(認定支援機関) | ![]() | |
| 「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。 | ||

駒田裕次郎 


























