創業融資

創業融資の据置期間とはなんだろう?メリット・デメリットについて詳しく解説!

この記事でわかること

🔹創業融資における据置期間の意味や、元本返済を先延ばしにできる仕組みについて

🔹据置期間を設けるメリット・デメリットや、返済負担を踏まえた適切な考え方

日本政策金融公庫などの創業融資の審査に申込みをする時、借入申込書などで「据置期間」という言葉が出てくることがあります。
融資に携わってきたことがない方にとっては「据置期間とはなんだろう?」という方がほとんどかもしれません。

しかしながら、据置期間は資金調達においては、非常に重要なポイントとなります。
正しく理解していれば、資金繰りに困ることなく事業を軌道に乗せる事が出来るかもしれません。
そこで今回は創業融資の据置期間について解説してきます。
据置期間について正しく理解して、適切な期間を設けるようにしましょう。

据置期間とは利息だけ返済する期間

据置期間とは元本の支払いをせずに、利息だけを返済する期間のことをいいます。

本来金融機関からお金を借りた場合、最初の返済から元本+利息を返済しなければなりません。

しかしながら、開業間もない時期売上がほとんどたたないという事はよくみられます。下手をすれば返済で運転資金がなくなってしまい事業を続けられなくなってしまう事も珍しくはありません。

そういった開業間もない時期は元本の返済は免除して、事業に集中してもらおうという期間が据置期間です。
据置期間は創業融資のみならず、他の融資制度や日本政策金融公庫以外でも出てくることがあります。
今後も使う可能性がありますので、必ず内容を把握しておいてください。

なお、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」の概要には、返済期限の欄に「据置期間5年以内」という記載があります。

据置期間のメリット

据置期間のメリットは主に下記の通りです。

  • 事業開始期の返済負担が少ない
  • 事業に集中できる

具体的に解説していきます。

事業を開始して間もない時期の返済負担が少ない

事業を開始したばかりの時期の返済負担が少ないというのが据置期間を設ける最大のメリットといえるでしょう。

事業を始めたばかりの頃というのはお金がかかります。
認知度をあげるための広告宣伝費や店舗の初期費用など、様々な支払いをする必要があります。事業を開始するためのイニシャルコストを多く負担する必要があるため、特に支払いが多くなります。

また、開業当初というのはお金はほとんど入ってきません。
売上を軌道に乗せるのも時間がかかりますし、売掛金の回収をするのも時間がかかるためです。

このように事業開始期はお金がかかるのに、お金が入ってこないという事態に陥りやすい傾向があります。
据置期間を設けるとこのように資金に余裕がない時期に元本の返済をする必要がありません。余裕をもって、資金を利用することができます。

特に売上見込みがたっていない、運転資金に余裕がないという場合は据置期間を設けるようにするとよいでしょう。

事業に集中できる

据置期間を設けることで、事業に集中することができます。
当面は、元本の返済が必要ないため資金に余裕が作れるからです。
事業を開始して、一番苦労することの一つに資金調達・資金繰りがあります。
資金調達は創業前後の最も大きなストレスとなりかねません。

資金が苦しくなれば、銀行周りや事業規模の縮小など本来の事業以外の様々なことに対応をしなければなりません。
事業に集中できなくなってしまいます。

据置期間を設けると、資金繰りが楽になるため、リソースを全て本来の事業に充てることができます。
事業を伸ばすことに集中できれば、結果的に資金に余裕がでる可能性が高くなります。

将来に備えるためにも無理せず据置期間を設けることを検討すべきでしょう。

据置期間のデメリット

据置期間のデメリットは下記の通りです。

  • 後の支払いが厳しくなる
  • 据置期間が希望通りならないことも

具体的に解説していきます。

後の支払いが厳しくなる

据置期間を設定すると後の支払いが厳しくなります。

据置期間を長く設定すれば、長く設定するほどこの特徴は顕著にでてきます。
7年間の融資で2年間の据え置き期間を設定した場合、本来7年で返済する物を5年間で返済するということになります。

例えば、1,000万円の融資を受けた場合でシミュレーションを行います。

※融資額1,000万円 元金均等、返済期間7年、金利3.4%で試算

返済総額そのうち利息
据置期間なし11,204,167 円1,204,167 円
据置期間あり(2年間)11,544,158 円1,544,158 円

据置期間なし▼

年数返済額元利計うち元金うち利息
1年目1,746,309円1,428,571円317,738円
2年目1,697,738円1,428,571円269,167円
3年目1,649,166円1,428,571円220,595円
4年目1,600,594円1,428,571円172,023円
5年目1,552,024円1,428,571円123,453円
6年目1,503,452円1,428,571円74,881円
7年目1,454,884円1,428,574円26,310円

据置期間あり▼

年数返済額元利計うち元金うち利息
1年目339,996円0円339,996円
2年目339,996円0円339,996円
3年目2,308,833円2,000,000円308,833円
4年目2,240,833円2,000,000円240,833円
5年目2,172,834円2,000,000円172,834円
6年目2,104,833円2,000,000円104,833円
7年目2,036,833円2,000,000円36,833円

7年であれば年間約143万円の元本支払いとなりますが、据置2年間5年返済であれば年間200万円ずつ返済しなければなりません。
返済期間が始まってから、思ったよりもお金がない!という事態を防ぐためにも据置期間は適切な期間で設けることをおすすめします。

日本政策金融公庫の公式ページで返済シミュレーションが可能です。

ぜひご利用ください。

据置期間が希望通りならないことも

据置期間は必ずしも希望通りになりません。
本来1年の据置期間を希望していたものの、3か月や6ヶ月の据置期間にしかならなかったというケースは少なくありません。

日本政策金融公庫の創業融資では最大2年間の据置期間の設定ができますが、必ずしも希望通りにはならないということは理解しておきましょう。

据置期間の決め方については、こちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひご確認ください。

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まとめ

今回は創業融資の据置期間の概要、メリット・デメリットについて解説させていただきました。
ポイントは下記の通りです。

  • 据置期間とは、元本の返済が猶予され、利息のみ支払う期間である
  • 据置期間を設けることで、事業開始期の資金繰りが楽になる
  • 後の支払いが厳しくなったり、希望通りの期間を設定出来ない事もあるというデメリットもある。

据置期間は事業開始間もない資金繰りに苦労しやすい時期に支払いを伸ばすことができる制度です。
事業を始めてみると、想定以上に支出が増え計画通りいかないというケースは少なくありません。
本来の事業に集中するためにも、必ず据置期間の設定を検討してみてください。

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駒田会計事務所【コマサポ】 
代表 駒田 裕次郎
(税理士・公認会計士・認定支援機関)

創業融資代サービス【コマサポ】メンバー

   監修: 駒田 裕次郎 駒田会計事務所【コマサポ】代表
【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金サポートを中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。
【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2026年4月末現在)
【所有資格】
・日本公認会計士協会 東京会所属(第26214号)
・東京税理士会所属(第118805号)
・経営革新等支援機関(認定支援機関)
コマサポ代表 駒田裕次郎
「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。