創業融資

改正商工中金法が可決されて何が変わる?商工中金とは?分かりやすく解説します

6月14日、政府が保有する商工中金の株式売却を含む改正商工中金法が可決、成立しました。

公布から2年以内に政府の株式46.5%が売却され、4年以内に政府による代表取締役の認可も不要になります。

売却先は地方の商工会議所や企業団体に限定され、政府の経営への関与が減り、民間金融機関との連携や中小企業支援が強化されます。

出資上限も引き上げられ、危機時の中小企業への資金支援は継続されます。改正法の成立により、商工中金は経営の自由度が高まり、経営改革が進むことになります。

上記のようなニュースがあったことから、今回は、商工中金について取り上げていこうと思います。

商工中金とは

商工中金とは、中小企業への融資を目的とした政府系金融機関(上述のとおり、今後完全民営化予定)で、正式名称は「株式会社商工組合中央金庫」です。一般的には商工中金と略称されています。

商工中金は中小企業団体やその構成員に対して取引を行い、資本構成は政府出資が46.5%を占めています。

2008年に株式会社に移行し、完全民営化を目指していましたが、リーマンショックや東日本大震災等の影響で延期されました。

商工中金は預入業務も提供し、民間の銀行と同様の業務を行っています。

民間の金融機関及び日本政策金融公庫との違いは?

民間の金融機関との違いは?

商工中金は、融資の対象が組合員である以外は預金や決済、運用の方法などは民間金融機関とほぼ同じです。

しかし、商工中金には特有の役割があります。その役割は、危機対応の貸出制度です。

大災害によって経営に支障をきたした中小企業に対して、運転資金を貸し出す制度があります。この点において商工中金は民間の金融機関と異なる役割を果たしています。

日本政策金融公庫との違いは?

商工中金日本政策金融公庫は現時点ではどちらも、政府系金融機関ですが、機能などにおいて一部違いがあります。

今回は以下の4つの観点からご紹介します。

商工中金日本政策金融公庫
主な取引対象ある程度、経営実績のある企業(目安年商5億円以上)

個人・中小企業

保証協会の保証は必要か審査で必要となった場合はある

必要なし

預金・決済機能はどうかありなし
創業融資として利用できるか基本的に出来ない

出来る

日本政策金融公庫の創業融資についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

新創業融資制度が廃止!?公庫の新創業融資制度が変わります!事業を新たに始められる方が資金調達をする際、日本政策金融公庫(以下「公庫」)からの融資をご検討されることはよくあることかと思います。 ...

① 主な取引対象

日本政策金融公庫は個人・中小企業に対し広く取引を行っています。

しかし商工中金は上記の通り、「ある程度の経営実績」が必要になります。

融資取引の規模5,000万以上であることが多いことから、年商5億円以下の小規模企業は融資を受けづらい傾向にあるようです。

つまり、数期の決算が終わっていて、それなりに売上が立っている企業が主な取引先となります。

こうした点から商工中金から融資を受けることは日本政策金融公庫の場合と比べて難しいと言えます。

② 保証協会の保証は必要か

日本政策金融公庫の融資は原則として原則保証協会の保証を受ける必要はありません。

商工中金の場合は、審査の状況により保証協会の保証を受ける必要が出てきます。

他の民間金融機関などから、保証協会の枠を目一杯使って融資を受けている場合には、結局は保証協会の審査も入ってくるので、当然審査が厳しくなってきます。

③ 預金・決済機能について

商工中金には預金・決済機能があるので、手形割引・短期融資を行うことができます。この機能は日本政策金融公庫にはありません。

この点は、商工中金を利用するにあたってのメリットと言えるでしょう。

④ 創業融資として利用できるか

日本政策金融公庫は事業として創業融資に力を入れています

そのため、創業融資の申し込み先として利用できます。

しかし、商工中金はその性質から取引対象が既存の中小企業(組合員である必要あり)なので創業融資の申し込み先としては不向きといえます。

以上のことから新規開業者の方は日本政策金融公庫からの融資を考える方が現実的かと思われます。

そして、ある程度経営実績を積んだ後により良い条件の商工中金からの融資を視野に入れていくとよいでしょう。

最後に

今回は商工中金についてご紹介させていただきました。各々の事業者の方の状況により最適な融資の申込先は違います。
迅速で円滑な融資の申し込みのためには、専門家の意見を参考にすることも一つの手です。
専門家に依頼することのメリットについてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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 税理士・公認会計士 駒田裕次郎

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