開業・起業

【融資先別 最大/平均融資額表アリ】個人事業主の開業融資、いくら借りられる?確実に借りるための方法も解説!

この記事で分かること

個人事業主の開業融資、最大いくら借りられる?

  • 新規開業・スタートアップ支援資金:7,200万円
  • マル経融資:2,000万円
  • 制度融資
    東京都:東京都中小企業制度融資「創業」:3500万円
    大阪府:「開業サポート資金」:3,500万円
    神奈川県:創業支援融資:3,500万円
  • 銀行の融資:目安500万円

日本政策金融公庫の平均借入額は800万円

申込金額の算出方法と申請時の注意点

どの業種で起業・開業する場合も開業資金が必要です。開業資金を融資で用意する方が多いですが、実際いくら借りられるか気になりますよね。
今回は、起業・開業を検討中、または開業して間もない方に向けて、開業時の融資はいくら借りられるのか解説します。

監修:駒田 裕次郎
駒田会計事務所【コマサポ】代表

【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金サポートを中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。
【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)
【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関
「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。

開業資金に融資を検討しているけれど、どの融資を選べばいいのか悩む方は多いです。
融資先によって条件や融資上限が異なるため、いくら借りたいのか、ご自身の条件だといくら借りられるのか、知ることが重要です。
また、開業融資(創業融資)にも審査があり、必ずしも希望額を借りられる訳ではありません。事業計画書が審査のポイントになりますので、希望融資額が借りられるようプロのサポートを受けることをおすすめします。
コマサポでは創業融資の申請サポートを行っておりますので、お気軽にご相談ください。

創業融資の種類別に見る限度額と特徴

新規開業・スタートアップ支援資金マル経融資制度融資
例:東京都中小企業制度融資『創業』
制度融資
例:大阪府「開業サポート資金
制度融資
例:神奈川県「創業支援融資」
銀行
対象者下記のどちらかに該当する
・新たに事業を始める方
・事業開始後おおむね7年以内の方
商工会、商工会議所又は都道府県商工会連合会の実施する経営指導を受けている小規模事業者(商工業者に限る。)であって、商工会、商工会議所等の長の推薦を受けた方事業計画書を策定し、認定支援機関の指導を受けている中小企業①事業を営んでいない方
②以下の条件に当てはまる方
・事業を開始する場合
・事業開始後5年未満の場合
下記のどちらかに該当する
・創業予定の方
・創業後5年未満の方
銀行により異なる
融資上限7,200万円
(うち運転資金4,800万円)
2,000万円3,500万円3,500万円3,500万円目安500万円
返済期間設備資金20年以内
運転資金10年以内
※うち措置期間5年以内
10年以内
※うち措置期間2年以内
設備資金10年以内
運転資金7年以内
※うち据置期間1年以内
10年以内分割返済
※1年以内の据置き可
銀行により異なる
金利基準利率
2.90~4.10%
特別利率F
2.00%
0.27%~1.72%1.4%(固定金利)

2.0%以内
創業特例の場合は年1.8%以内

目安1.0〜3.0%
担保・
連帯保証人
原則不要原則不要担保:既存・新規の保証付融資額が8000万以下まで不要
連帯保証人:法人代表者のみ必要な場合がある
自己資金
条件により:創業資金総額の1/10以上の自己資金が必要
連帯保証人:法人代表者のみ必要
条件を満たせば法人代表者の保証も不要
担保:不要
連帯保証人:法人代表者のみ必要
条件を満たせば法人代表者の保証も不要
銀行により異なる
特記事項・融資申請から実行までの期間が短い
1カ月半
経営改善に必要な資金が対象・融資申請から実行までの期間が長い
約3カ月
信用保証料:
1.0%が必要
信用保証料率:
0.40%が必要
多くの場合は上限金利に近い値が適用される

※金利は4月1日時点のものです。

おすすめの創業融資は新規開業・スタートアップ支援資金

上記の限度額や特徴を踏まえると、マル経・制度融資や銀行の融資は、日本政策金融公庫に比べて限度額が低かったり、条件が厳しかったりする場合があります。 そのため、創業融資を検討するなら、日本政策金融公庫の利用がおすすめです

日本政策金融公庫の平均借入額は?

日本政策金融公庫の融資上限は7,200万円ですが、実際の平均借入額は約800万円程度となっています。詳しくは下記の表をご確認ください。

年度金融機関からの借入金額
2014年928万円
2015年866万円
2016年931万円
2017年891万円
2018年859万円
2019年847万円
2020年825万円
2021年803万円
2022年882万円
2023年768万円

参照:日本政策金融公庫「2023年度新規開業実態調査」

希望する融資額を借りられる訳ではない

平均借入額から分かる通り、融資上限の7,200万円を借りられるわけではないため、注意しましょう。
融資額は、日本政策金融公庫の審査で自己資金の割合や事業計画の内容に基づいて決定されます。希望する融資額を借りるためには、審査に通過することが前提となるため、申請前にしっかりと準備を行うことが重要です。
また、公庫の創業融資と制度融資を同時に申し込むことは可能ですが、返済が2重になるため、返済計画をよく確認してから申し込むことをおすすめします。

公庫と信用金庫(保証協会付き)における創業融資の同時申し込みは可能か??今回は、タイトルにもあるとおり日本政策金融公庫と信用金庫(保証協会付き)の創業融資の同時申込は可能かどうかについて取り上げていこうと思い...

創業融資の上限額の目安

自己資金の3倍

創業時に準備できる自己資金の約3倍が、融資の上限額の目安となります。

:自己資金が300万円の場合
融資上限額は900万円
自己資金300万円×3=融資上限額900万円

自己資金の要件が撤廃されているものの、融資を受けるためには十分な自己資金を用意することが重要です。

希望融資額に対して自己資金が少ない場合の対処方法を下記の記事で詳しく解説しています。ご興味がございましたらご一読ください。

創業融資サポート
自己資金なしでも創業融資は受けられる?融資を受ける方法と注意点を解説 { "@context": "http://schema.org", "@type": "WebPage",...

創業資金総額から自己資金を引いた金額

融資額の目安は、創業資金総額(=創業に必要なすべての資金)から自己資金を差し引いた金額です。
日本政策金融公庫から融資を受ける場合は、原則としてこの創業資金総額から自己資金を引いた金額を借りることになります。

:申込者の条件が「創業資金総額1,000万円」「自己資金500万円」の場合
融資額の目安は500万円
創業資金総額1,000万円-自己資金500万円=融資額の目安500万円

自己資金が多ければ融資額は少なくなりますが、希望融資額に対して自己資金が少ない場合は融資が通らない可能性があるため、自己資金を十分に準備しておくことが大切です。

創業融資は最大1,000万円までが一般的

1,000万円を超える融資を受けるのは、一般的に非常に難しいと言われています。その理由としては、1,000万円を超える融資案件が支店長の決済権限を超えるため、本部での審査が必要になるからです。
1,000万円を超える融資を受けるためには、支店での審査を通過した後、さらに本部の審査を通過しなければなりません。
融資額の目安として「自己資金の3倍」という基準がありますが、自己資金の3倍が1,000万円を超えていた場合でも、実際に融資される金額は1,000万円以内に抑えられるケースが多いです。

自分に適した申込金額は?申込金額の算出方法

事業計画書を基に融資額を算出する

創業計画書の「必要な資金と調達方法」の項目には、下記のように設備資金と運転資金を記入する欄があります。それぞれの内訳を記入し、合計金額を算出することで、創業時に必要な資金(創業資金総額)がわかります。

日本政策金融公庫の創業計画書のテンプレートはこちらからダウンロードできます。
出典:日本政策金融公庫
制度融資の事業計画書は書式が異なりますが、記載事項はほぼ同じです。

創業計画書の項目・書き方については下記の記事で詳しく紹介しています。業種別テンプレートも多数掲載していますので、参考にしてみてください。

【すぐ使える!15業種無料テンプレ有り!】創業計画書とは?記入例と書き方をわかりやすく解説 { "@context": "http://schema.org", "@type": "WebPage", ...

自己資金

自己資金として認められるもの
自己資金として認められるのは、出所が明確であり、返済の義務がない、つまり「純粋な自分の財産」と言える資金です。

  • 預貯金
  • 贈与により取得したお金
  • 退職金
  • 相続したお金
  • 生命保険の解約返戻金
  • 不動産や財産を売却して得たお金
  • 創業準備のために既に使った費用(みなし自己資金)
  • 第三者割当増資によって出資者から得たお金

自己資金と認められないもの
自己資金と認められないものは、現状では手元にあってもいずれ返済しなければならないお金など、第三者から借りていて返済が予定されている資産です。

  • 他の金融機関から借りたお金
  • 親族や知人から借りたお金
  • 自宅に保管していたタンス預金(出所が明確でないため×)

運転資金・設備資金

設備資金には、機械や店舗設備、家具・備品などの購入費用が含まれます。
運転資金には、仕入れ資金、賃料、給与、光熱費などの日々の運営に必要な資金が含まれます。
どちらも正確に記述することが重要です。

記入例
  • 設備資金:〇〇万円(内訳:〇〇設備〇〇万円、〇〇機械〇〇万円)
  • 運転資金:〇〇万円(内訳:仕入れ資金〇〇万円、賃料〇〇万円、給与〇〇万円)
  • 合計必要資金:〇〇万円
  • 資金調達方法:
    自己資金:〇〇万円
    融資:〇〇銀行から〇〇万円(融資条件:利率〇〇%、返済期間〇年)

創業融資(日本政策金融公庫)の注意点

必要条件をクリアすることが最重要

日本政策金融公庫では、基本的に担当者から提案された融資制度に申し込むことになります。
例えば、申請時に「新規開業・スタートアップ支援資金」を希望していても、利用条件を満たしていない場合など担当者の判断で「一般貸付」への申し込みを勧められることがあります。その場合、「新規開業・スタートアップ支援資金」で申請することはできず、一般貸付での申し込みとなります。
そのため、希望する融資制度を利用するためには、事前に必要条件をしっかり確認し、準備を整えておきましょう。

他社借入がある場合は融資額が下がる可能性がある

審査によりますが、他社借入があると希望額を借りられない可能性があります。理由として、他社借入があることで、日本政策金融公庫の担当者が「月々の返済負担が大きい」と判断するケースがあるためです。借入件数や借入残高が多ければ多いほど、審査に通りにくくなることがあります。
もし他社借入がある場合は、融資希望額を調整するなど、事前に対策を考えておきましょう。

2期以内でも開業後は実績が求められる

新規開業・スタートアップ支援資金はこれから開業する、または開業から2期以内であれば、無担保・無保証など有利な条件で申し込むことができます。
ただし、開業から2期以内であっても、一度開業してしまうと実績が求められるため注意が必要です。開業後、業績が順調であれば問題ありませんが、業績が悪化している場合は、融資審査が厳しくなる可能性があります。
開業から2期以内で業績が悪化している場合は、今後の改善見込みなどをしっかり説明する必要があるため、申請前にしっかりと対策を講じ、万全の体制を整えましょう。

開業に必要な資金総額より、開業に使える資金が多い場合

開業資金の計画を審査される際、開業に使える資金が開業資金総額を上回ると「借りすぎ」と判断されることがあります。この場合、必要性を説明できない借り入れは認められず、融資が通らない可能性があります。
そのため、借入金額を減額し開業に必要な資金総額と開業に使える資金総額が一致するように調整しましょう

開業に必要な資金総額より、開業に使える資金が不足している場合

開業資金総額よりも開業に使える資金が少ない場合、実質的に開業が困難な状態と判断され、資金調達が難しくなります。
前述した通り自己資金が不足している状態で、借入金額が自己資金の3倍以上になると、融資審査の通過率が下がるため注意が必要です。この場合、開業資金総額を見直して必要額を抑えるか、自己資金を増やすことで融資の可能性を高めることが重要です。

自己資金の増やし方としては下記の方法があります。

詳しくは前の項「創業融資の上限額の目安 自己資金3倍」の参考記事をご確認ください。

創業融資申請の成功事例

未経験でも創業融資を活用し、不動産賃貸業を開業

他業種での勤務経験はあったものの、不動産賃貸業の事業経験がなかったAさん。
創業融資の審査の際に開業する業種での事業経験は審査において重要なポイントです。
しかし、弊社のサポートのもと、希望額での融資に無事成功しました

希望融資額で審査に通過するためのポイント

Aさんは開業エリアで塾講師をしていた経験を活かし、大学進学を目指す生徒や保護者のニーズを深く理解しており、ニーズに合わせて提案できることを強みとした事業計画を作成しました。
さらに弊社のサポートを受けながら、競合他社との差別化を明確にし、自社の強みを際立たせることに成功しました。

さらに、弊社サポートのもと「受注見込みと集客戦略」についての具体的な資料を準備し、事業の成長性安定した収益見込み具体的に示すことで、融資審査を通過することができました。

このように開業する業種での実務経験がなくても、事業計画の明確さ将来の見込みを具体的に示すことで、融資を受けられる可能性は十分にあります。

創業融資の申請はプロに代行依頼がおすすめ!コマサポでも申請サポートを行っております

コマサポに依頼するメリット

審査の通過率が大幅アップ
融資審査で求められるポイントを押さえた事業計画を作成し、通過の可能性を高めます。

希望額での融資獲得が期待できる
自己資金や事業計画をもとに、適切な融資額を設定し、希望額での融資実行を目指します。

事業計画書の作成をサポート
自分で作成するのが難しい事業計画書も、プロのアドバイスを受けながら、具体的かつ説得力のある内容に仕上げます。

必要書類の準備をサポート
申請に必要な書類を事前に把握し、スムーズに準備できるようサポートします。

面接対策も万全
日本政策金融公庫などの融資面談で聞かれやすい質問や、その適切な回答を事前に準備し、スムーズな対応ができるようサポートします。

創業融資を成功させるために、プロの力を借りて万全の準備を進めましょう!

まとめ

今回は、個人事業主の開業融資ついて紹介しました。
ポイントは以下の通りです。

  • 開業融資は「融資上限7,200万円」「担保・連帯保証人不要」の新規開業・スタートアップ支援資金がおすすめ
    創業融資は日本政策金融公庫がおすすめ!
  • 日本政策金融公庫の平均借入額は約800万円だが、融資額は自己資金の3倍を目安にしましょう
  • 審査通過には自己資金だけでなく、事業計画書の出来栄えも重要なポイントとなるため、専門家のサポートを活用することを検討しましょう

開業融資を受けるためには、事業計画書の作成や自己資金の準備など、さまざまな準備が求められます。
コマサポでも申請サポートを行っていますので無料相談にお気軽にお問い合わせください。

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駒田会計事務所【コマサポ】 代表 駒田裕次郎 税理士・公認会計士

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