開業・起業

車屋(中古車販売業)の開業資金は●円だった!手続き、成功のポイントを紹介します!

 

この記事でわかること
  • 車屋の設備資金の目安は店舗型で約2,000万円。ネット店舗という方法も検討しよう。
  • 開業資金の調達方法は、まずは自己資金を準備、その上で日本政策金融公庫の創業融資が最もおすすめ。専門家のサポートで融資獲得の成功率アップを。
  • 開業の手続きは、①古物商許可を取得、②リサイクル法引取業登録、③自動車リサイクルシステムの登録、④オークション会員登録、⑤保険代理店登録、⑥税務署への届け出、⑦オートローンの代理店登録。その他あると役立つ資格や許認可を紹介。
  • 車屋を成功させるポイントで最も大事な点は資金調達や資金繰り。

「車が好きだから」「独立して自由に働きたい」そんな思いから、車屋(中古車販売業)の開業を考える方は少なくありません。しかし、開業には多くの準備が求められます。

本記事では、車屋の開業資金がどのくらい必要なのか開業までの手続きの流れ成功のポイントなどを詳しく解説します。これから中古車販売業を始めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

監修:駒田 裕次郎
駒田会計事務所【コマサポ】代表

【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金サポートを中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。
【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)
【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関
「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。

車屋の開業で鍵となるのは、やはり資金調達の部分です。コマサポでも融資を受ける際の書類作成や面接対策などのサポートしておりますので、お悩みの際はぜひ一度ご相談ください。

車屋の開業に必要な資金は?

商品である車自体が高額である車屋(中古車販売業)というビジネスですが、実際に開業するにはどのくらいの資金が必要なのでしょうか。
設備投資や運転資金はもちろんのこと、在庫車両の仕入れ費用も必要となります。資金計画をしっかり立て、事業が軌道に乗るまでの資金繰りを考慮することが重要です。ここでは、開業に必要な具体的な資金について詳しく解説します。

設備資金

中古車販売業の設備資金は高額になりがち

設備資金とは、一時的に必要となる資金のことを指します。中古車販売業では商品(車)がそもそも高額なこと、在庫を置いておく場所の広さが必要なことから設備資金が高額になりがちです。

目安は約2,000万円

立地や規模によっても異なりますが約2,000万円の資金が必要です。以下に、店舗型で必要となる目安金額をまとめました。

項目金額
物件取得費500万
内装工事・設備費100万〜500万
仕入費(車両)1000万
広告宣伝費(HP作成など)20万
消耗品・備品30万
合計1650万~2150万

物件取得費や、内装、設備費は中古車を陳列するために必要なスペースも大きく、商品整備のために設備や機材も必要になるのでコストが大きくなってしまいます。

また、中古車展示販売場も併設する場合、更地や砂利の場合に土地の舗装費用(コンクリートやアスファルト舗装)や宣伝用ののぼり旗が必要になることもあります。

仕入れ費用については後述にもありますが、開業時は1,000万円ほどみておくのが無難でしょう。

店舗を持たずに販売することも可能

上記は店舗型での目安ですが、実店舗を構えずに、ネット店舗(EC販売)で販売する方法もあります。その場合のメリット・デメリットも認識しておきましょう。

メリットデメリット
全国の顧客にアプローチできる実物を見てもらえず、信頼性の確保が課題
店舗運営コストを抑えられる状態の認識違いなどによるトラブルのリスク
24時間販売可能(営業時間に縛られない)納車や陸送の手配にコストと手間がかかる
在庫管理や価格比較がしやすい整備やアフターサービスの提供が難しい
内装工事費が不要集客方法を工夫する必要性

また、ネット店舗(EC販売)の場合、お客様から受注が入ってから仕入発注を行う業務フローも可能であり、その場合は在庫を持たずに事業が行えるため、少ない資金で開業することも可能です(在庫を持たない場合であっても、中古車の保管料などはネット販売事業者の負担になることが多いようです)。

運転資金

運転資金は事業において継続的に必要となる資金です。車屋を開業するにあたり必要となる運転資金としては、以下の項目があります。

車屋を運営するための運転資金
  • 買掛金(商品となる車両の仕入れ費用)
  • 広告宣伝費(カーセンサーやグーネットなどへの掲載費等、継続的にかかる広告費)
  • 人件費(整備士など雇用する場合)
  • 店舗の家賃(ネット店舗の場合は駐車場代など)
  • 水道、光熱費
  • 通信費

売上金が顧客から入金されるタイミングが、仕入れ代金を支払うタイミングより遅い場合には、事前に仕入れ代金を支払うためにより多くの運転資金が必要になります。車屋の場合は仕入れ費が高額なため、注意が必要です。

在庫車両の仕入れ資金について

車屋を運営するためには、販売する車両を確保するための資金は不可欠です。販売する車がなければ事業として成り立たないですね。そのため、開業時点で一定数の在庫車両を揃えるための資金を用意しておく必要があります。

また、事業を継続するためには、定期的に在庫(車両)を補充する資金も必要です。仕入れ資金が不足すると、販売機会を失う可能性があり、経営に大きな影響を与えます。

では、実際にどれくらいの資金が必要になるのでしょうか?これは車屋の規模や扱う車種、仕入れる台数や単価によって変わりますが、最低でも「月額固定費の半年分」+「開業時に確保する在庫車両の仕入れ費用」を確保するのが理想です。

もし「月額固定費」が100万円、「開業時に確保する在庫車両の仕入れ費用」が1,000万円だとすると、1,100万円を用意できると、事業が軌道に乗るまでの資金繰りを安定させることができます。

開業資金の調達方法はどうする?

中古車販売業の開業においてはかなりの金額が必要なことがわかりました。では、必要な資金はどのように調達すればよいのでしょうか。

第一優先は自己資金

まず第一に自己資金が必要となります。自動車販売業では必要となる開業資金が高額となることから、自己資金+借入を行い資金調達をされる方がほとんどです。

借入を行うためにも、最低でも借入金額の3割の自己資金を準備しましょう。

自己資金について、貯め方などはこちらの記事をご参考ください。

起業に必要な自己資金の貯め方はどうする?資金調達方法まで紹介します!独立や起業を考えている方にとって、みなさん必要となるのが資金調達です。 起業資金の調達には様々な方法がありますが、そのうちのひとつ...

次に日本政策金融公庫

自己資金の準備ができれば、次に融資としておすすめなのは日本政策金融公庫です。

様々な融資元がありますが、日本政策金融公庫は、個人事業主向けの融資制度を提供しており、比較的低金利で借入れが可能です。日本政策金融公庫が融資先としておすすめな理由はこちらでも説明しています。

新規開業・スタートアップ支援資金では最大で限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)の融資を受けることが可能です。

ただし、融資を受けるには創業計画書などを提出し、審査に通ることが必要です。

専門家のサポートで確実な資金調達を

日本政策金融公庫の審査を確実に通過するためには、書類の作成、面接準備などにポイントがあるため、専門家のサポートを受けたほうが確実だといえます。

弊社駒田会計事務所でも融資代行サポートを行っておりますので、お気軽にご相談ください。中古車販売業の方の融資代行サポートについても実績があります。

専門家に依頼することのメリットをこちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

日本政策金融公庫の融資申請は専門家に相談するべきか!?分かりやすく解説します日本政策金融公庫(以下、公庫)の融資を受けるために、ご自身で申請するか専門家に依頼するかお悩みになる方も多いかもしれません。 はじ...

資金調達には選択肢がいろいろあるため、各制度のメリットだけでなく、デメリットまで十分に理解したうえで選ぶことが大切です。

補助金、助成金も活用しよう

補助金・助成金は国や自治体が提供している補助制度です。

国の施策や自治体によって様々な補助金・助成金が提供されているので、自社が条件に合致する場合は積極的に活用するべきです。補助金について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

個人事業主が開業する際に活用できる助成金・補助金・支援金まとめ 個人事業主や企業が開業や事業運営を進める上で活用できる制度として「助成金」「補助金」「支援金」があります。 これらの資...

車屋を開業するための手続きの流れ

資金調達と並行して、その他の手続きについて計画的に進めましょう。

STEP1. 古物商許可を取得する

中古車販売には、警察署での「古物商許可」の取得が必須です。申請には、以下の書類が必要になります。

  • 申請書
  • 住民票
  • 身分証明書
  • 登記されていないことの証明書(法人の場合は登記簿謄本)

取得には19,000円の手数料がかかり、審査期間は約40日です。詳細な情報についてはお住まいの都道府県警HPを参照ください。

申請先:店舗の所在地を管轄する警察署
古物商許可のなかでの「自動車商」

中古自動車を扱う「自動車商」については、大抵の警察署において他より申請者の状況等を厳しく確認がなされることが多い品目です。盗品を持ち込むケースなど、犯罪につながりやすいためです。古物商許可証を発行するにあたり、その人物が十分な注意を持って売買ができる能力があるか質問や確認がなされることが多いため、申請の前にはしっかりと準備しましょう。

STEP2. 自動車リサイクル法引取業登録

自動車の売買のみでなく、敗者の引き取りを行うためには、環境省および経済産業省が管轄する「引取業登録」が必要です。廃車の引き取り業務を行う場合は、事前に登録を済ませましょう。

申請先:役所や保健所にある自動車リサイクル担当窓口

STEP3. 自動車リサイクルシステムの登録

使用済自動車の引取・解体(部品取り含む)を行う場合は、自治体への登録・許可と「自動車リサイクルシステム」への登録も必要となります。

申請先:自治体の環境関連窓口

STEP4. オークション会員登録

中古車販売業では、オートオークションを利用することで仕入れコストを抑えられます。会員登録には、実務実績や保証金(数十万円~)が必要になることがあるので注意が必要です。

申請先:オートオークション運営企業(USS、ガリバー、CAAなど)

STEP5. 保険の代理店として登録する(自賠責)

自賠責保険は自動車購入の際に加入が必須となる保険です。自賠責保険の代理店登録を行うことで、顧客がスムーズに保険加入できるようになります。保険代理店としての収益も見込めるため、登録を検討しましょう。

申請先:損害保険会社

STEP6. 税務署への届け出

開業届を税務署に提出し、青色申告の申請を行うことで節税効果を得られます。法人設立をする場合は、法人登記も必要です。

申請先:税務署
個人開業に必要な書類
  • 個人事業の開業届出書
  • 青色申告承認申請書
  • 所得税、消費税の納税地の変更に関する届出書
  • 事前開始届出書

法人開業で必要な書類
  • 法人設立届出書
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(任意)

STEP7. オートローンの代理店登録

顧客がローンを利用できるように、金融機関と提携してオートローンの代理店登録を行うのもおすすめです。これにより、販売機会を増やすことにつながります。

申請先:オートローン提供企業

その他、あると役立つ資格や許認可

その他にあると役立つ資格や許認可をご紹介します。これらを取得することで、顧客の信頼アップや自身の能力向上につながる可能性があるため、興味のある方は詳しく調べてみるといいでしょう。

第一種フロン類充填回収業者

引き取った車のフロン回収を自社で行う場合に必要となる許可

回送運行の許可(車検切れの車で走行)

車検切れや抹消登録済みの自動車を一時的に公道を運行できるようにするための許可

「自動車整備士」資格

自動車の点検や整備、修理などを行い、自動車の安全な走行を確保する国家資格

「中古自動車販売士」資格

車両の状態を正しく評価し、必要な情報を適切に提供できるスキルを高める民間資格

「中古自動車査定士」資格

車両の状態を正しく評価し、中古車の価値を的確に査定できる民間資格

車屋の開業、成功のポイントは?

サービスの独自性

競合との差別化を図るためには、独自のサービスを提供することが重要です。顧客のニーズに応じたカスタマイズやアフターサービスを充実させることで、リピーターを増やすことができます。例えば、四駆系車両の種類を豊富にそろえたり、スポーツカーを専門的に扱うなどで独自性をアピールしましょう。

集客

車屋の集客には、オンライン広告やSNSを活用することが必須と言えます。また、店舗型の場合には地域密着型のイベントやキャンペーンを行うことで、認知度を高めることも可能です。

集客についての詳しい記事はこちらをご参考ください。

開業時の集客方法を解説!知っておくべき効果的な集客方法とは? 開業時の集客方法は、事業成功のために非常に重要な要素です。 適切な集客方法を選ぶことで、ターゲットとなる顧客層に効果的...

立地・競合調査

車屋の開業において、店舗の立地は成功に大きく影響します。競合の状況を調査し、適切な場所を選定することが重要です。

例えば、人目につきやすい場所(ロードサイドなど)は集客効果が高く、顧客が来場しやすいが、物件費用が多くかかる点はデメリットです。そのため資金調達についてはしっかりと行う必要があります。

目立たない、分かりにくい場所は物件費用は安く抑えられますが、集客効果については自らSNSで発信するなどの工夫が必要となります。同じエリアに多くの中古車販売店がある場合、顧客が分散され売上も上がりにくくなるため競合店の調査についても行う必要があります。

弊社コマサポでは競合他社の調査、比較についても創業融資サポートの一環としてサポートしています。

フランチャイズでの開業も可

車屋の開業においても、フランチャイズという選択肢をとることができます。フランチャイズ加盟は、ブランド力やノウハウを活用できるメリットがありますが、加盟料がかかるため慎重に検討する必要があります。フランチャイズについてはこちらの記事を参考にしてください。

フランチャイズの開業・起業について説明いたします!フランチャイズでの開業・起業は、すでに確立されたブランドやビジネスモデルを活用して、比較的スムーズに開業できます。開業資金に関しては、必...

中古車販売業では資金繰りがとても重要

資金繰りはどの業種であっても重要ですが、商品単価が高額である中古車販売業においては特に重要であると言えます。

資金繰りを軽視すると、収入と支出がうまく噛み合わず、結果として資金不足に陥ることになります。

収入と支出の流れをしっかりと把握し、資金調達の準備も早くからすすめることがポイントとなります。

資金調達

前述にもある通り、資金調達は開業の成功に欠かせません。特に、中古車販売業については必要となる資金が多いことから、資金調達においての失敗は致命的となります。自己資金や融資を活用し、必要な資金を確保することが重要です。

弊社、【コマサポ】での融資代行サポートを利用し、資金調達に成功して中古車販売業を開業されたお客様もいらっしゃいます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

コマサポで融資サポートを受けて成功した例

中古車販売業 開業 A様

Aさんは数社の中古車販売業で従業員として勤務したのち、弊社のサポートを受けて中古車販売店を店舗を構え開業しました。

当初、ご相談いただいた際は、資金調達に不安を持っていましたが、当社のサポートを受けて、自社の強みを認識、近隣店舗との差別化を図り、資金調達に成功しました。

まとめ

今回は、車屋(中古車販売業)の開業に必要な資金にスポットをあてて説明しました。ポイントは以下の通りです。

  • 商品(自動車)が高額なため、車屋の開業資金は高額になりがち。
  • 開業時の資金調達は①自己資金、②日本政策金融公庫、③その他の順番で検討しよう。
  • 開業までの手続きは①古物商許可を取得、②リサイクル法引取業登録、③自動車リサイクルシステムの登録、④オークション会員登録、⑤保険代理店登録、⑥税務署への届け出、⑦オートローンの代理店登録 など多岐にわたる。
  • 成功のポイントは、やはり資金調達!

車屋開業の準備は資金調達を含め効率よく行いたいですね。コマサポでも創業時の資金調達サポートを行っていますので無料相談にお気軽にお問い合わせください。

「コマサポの創業サポートナビ」を運営する駒田会計事務所は、これから創業される方・創業5年以内の皆様に対して、創業時における資金調達のサポートを行っております。日本政策金融公庫の創業融資の支援を始め、多くの創業融資のサポート実績があります。

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駒田会計事務所【コマサポ】 代表 駒田裕次郎 税理士・公認会計士

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