「自宅で雑貨屋ってできるの?」
「大きなお金をかけずに始められないかな…」
「趣味で終わらず、ちゃんと収益になるのか不安…」
このように感じている方はとても多いです。
特に、子育てや家庭と両立しながら「好きなことを仕事にしたい」と考える方にとって、自宅での雑貨屋開業は魅力的な選択肢に見える一方で、
- 本当にお客さんは来るのか
- お金が足りるのか
- 失敗したらどうしよう
といった不安もつきまといます。
結論からお伝えすると、自宅で雑貨屋を開業することは可能です。
ただし、「なんとなく始める」と失敗しやすく、資金・売上・リスクをきちんと整理することが重要です。
この記事では、これらを実務の視点から初心者の方にもわかりやすく解説します。
🔸自宅雑貨屋のリアルなメリット・デメリット
🔸開業に必要な資金と売上の目安
🔸見落とされがちなリスクと対策
🔸少ない資金でも始めるための創業融資の考え方
| 監修: 駒田 裕次郎 駒田会計事務所【コマサポ】代表 | ||
| 【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金サポートを中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。 【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2026年4月末現在) 【所有資格】 ・日本公認会計士協会 東京会所属(第26214号) ・東京税理士会所属(第118805番) ・経営革新等支援機関(認定支援機関) | ![]() | |
| 「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。 | ||
目次
自宅での雑貨屋開業は可能ですが、「コンセプトの設計」と「無理に自己資金だけで始めない」ことが大切です。
まだ「やるかどうか迷っている段階」でも大丈夫です。
むしろ、この段階で整理しておくことで、失敗を大きく減らすことができます。気になることは、まずは無料相談までお問い合わせください。
雑貨屋は自宅でも開業できる?【結論と現実】

自宅で雑貨屋は開業可能(ただし条件あり)
自宅で雑貨屋を開業すること自体は、法律上も現実的にも可能です。
ただし成功するかどうかは、
- 商品の魅力
- 集客の仕組み
- 資金計画
によって大きく変わります。
「始めること」は簡単ですが、「続けること」が難しいのが雑貨屋の特徴です。
向いているケース・難しいケース
雑貨屋は「センス」よりも、数字で考えられるかどうかが分かれ道になります。雑貨屋を「経営」として考えられる方が、お店を継続できる傾向にあります。
| 向いているケース | |
| 🔸すでにハンドメイドや販売経験がある | |
| 🔸SNSやECサイトを活用できる | |
| 🔸小さく検証しながら進められる | |
| 難しいケース | |
| 🔹「お店を開けば自然に売れる」と考えている | |
| 🔹在庫リスクを軽く見ている | |
| 🔹数字(売上・原価)を把握していない | |
自宅雑貨屋のメリット・注意点
「固定費が低い」ことは、黒字化の大きなポイント!
しかし、自宅は「偶然の来店」が期待できないため、SNSの活用やECサイトでの販売は必須。
| メリット | |
| 🔸家賃が不要・低コスト(最大のメリット) | |
| 🔸自分のペースで働ける | |
| 🔸小さく始められる | |
| 注意点 | |
| 🔹立地と集客力の弱さ | |
| 🔹在庫リスクと資金回収の難しさ | |
| 🔹SNSやECサイトが必須になる | |
「借金」ではなく「手元資金の確保」という考え方
売れ残り=そのまま損失です。
とはいえ、売れ筋や新商品の拡充は常に必要なため、手元資金が少ないと商品を充実させられません。
そこで、有効なのが「自己資金と融資を組み合わせて開業する」という考え方です。
<例>
開業資金100万円の場合
自己資金100万円 + 融資100万円 → 100万円が手元に残る
融資に対して「借金=怖い」と感じる方は多いですが、実務では「手元資金を厚くして安全に運営するための手段」と考えます。
融資は、軌道に乗るまでの資金として、むしろリスクを下げる効果があります。
自宅開業で見落とされがちな3つのリスク
主なリスクは以下の3つです。
- 顧客心理の壁(人の家に入る抵抗)
- プライバシー・防犯リスク
- マンションの規約や用途地域の法令違反
それぞれ、具体的にみていきましょう。
1.顧客心理の壁(人の家に入る抵抗)
意外と大きいリスクがこれです。
- 「本当に入っていいのかな?」
- 「買わないと気まずい…」
といった状況になり、店舗と違って「お邪魔する感覚」がハードルになります。
2.プライバシー・防犯リスク
店舗スペースと家族の生活動線を完全に切り離すことが重要!
知人・友人の紹介であっても、第三者に住所を公開するリスクはありますし、家族の生活動線との切り分けも重要課題です。
店舗の入り口が家族と共用になる場合、来客中のルールを決めるなどご家族の協力を得ることがポイントになります。
3.マンションの規約や用途地域の法令違反
事業としての利用が可能かどうかを、ご自宅の所有形態と、行政の用途地域の2つの面から確認する必要があります。
- 賃貸
契約書を確認しNGの場合、大家さんに交渉 - 分譲マンション
管理規約でNGの場合、リアル店舗の開業不可
住宅地でも営業は可能ですが、都市計画法の用途制限がかかっている可能性があるため、自治体への確認が必須
用途地域は自治体に事前確認を!
例えば、第一種低層住居専用地域では原則として商業利用が制限されますが、次の場合は商業利用が認められます。
- 延床面積の一部のみ店舗利用
- 住居併用店舗(兼用住宅)
計画の段階で、必ずお住まいの自治体に確認しましょう。
撤退ラインを決めておく重要性
開業前にあまり考えたくないことですが、「いつやめるか」を決めておくことは、ご自身やご家族を守るための経営判断です。
<例>
■3ヶ月連続赤字なら見直す
■月◯円以上の赤字で一旦停止
など、開業前に条件を決めておくと判断がしやすくなります。
雑貨屋開業に必要な資金はいくら?
開業資金の目安(50万〜300万円)
自宅開業の場合は比較的少額で始められます。
| 設備資金 | |
| 棚・什器 | 5〜20万円 |
| 簡易内装(軽く手を加える程度) | 10〜50万円 |
| ECサイト登録費 (楽天、Creema、メルカリ等) | 0~数万円 |
| 運転資金 | |
| 初期仕入れ | 10万〜100万円 |
| 消耗品・光熱費・雑費 | 数万円 |
| ECサイトシステム利用料・月額出店料 | 数千~数万円 |
| ECサイト決済手数料 | 3.0%~ |
| 予備資金 | 50万円前後 |
自宅改装費は融資対象になる?
改装費は融資対象になるかは、「事業に直接必要な部分かどうか」で決まる!
店舗スペースの内装や陳列棚、照明などは融資の対象になりやすい一方で、生活部分との区分が曖昧な場合は、金融機関の判断が難しくなります。
- 持ち家の場合
店舗として使用する部分の改装費は、設備資金として認められる可能性が高い - 賃貸の場合
原状回復義務や契約内容の制約があるため、全額が対象にならない・一部のみ対象になるケースが多い
実務上よくある注意点は以下3点です。
- 「どこまでが店舗か」を図面で説明できる
- 家賃や光熱費などの家事按分ができている
- 賃貸の場合は大家の許可がある
経費の家事按分は、融資申請時の事業計画書に盛り込む必要があり、また、確定申告の際にも必要になるものです。
詳しくは以下の記事の「家事按分の考え方」をご覧ください。
売上はいくら必要?利益の考え方
基本は「価格×客数」
雑貨屋の現実は、「客単価」の低さにあり。
低い単価を補うために、いかにリピーターを作るかがポイント!
例えば、ハンドメイド雑貨や文房具を販売するお店で試算してみると、以下のようになります。
■客単価:1,500~3,000円
■ひと月あたりの購入者数:100人
単価3,000円 × 客数100人 = 300,000円
客単価3,000円の場合、ひと月の売上は30万円です。
原価率の考え方
雑貨屋の利益は、次の順番で考えます。
- 売上 − 原価 = 粗利益
- 粗利益 − 経費 = 最終的な利益
以下の例で考えてみましょう。
1️⃣粗利益を出す
■客単価:3,000円
■原価率:30%
<原価>
3,000円 × 30% = 900円
<粗利益>
売上3,000円 − 原価900円 = 2,100円(=70%)
この2,100円がそのまま利益になるわけではなく、ここから経費を引いた残りが「本当の利益」です。
2️⃣最終的な利益を出す
■粗利益:2,100円/人
■経費:1,500円/人
<経費の例>
・家賃(または自宅按分)
・光熱費
・通信費(EC・SNS)
・梱包費・送料
<最終利益>
粗利益2,100円 − 経費1,500円 = 600円/人
購入者が月100人の場合、ひと月の最終利益は6万円になります。
この例のように、原価率が低くても、経費が高いと利益は残りません。しかし、経費を抑えられるのが「自宅開業の強み」です。
よくある失敗が、
- 「売上がある=儲かっている」と勘違いする
- 原価だけ見て、経費を考えていない
です。
雑貨屋は「いくら売るか」より「いくら残るか」が大切で、経営上、「好き」よりも「売れるもの」を優先させる場面がでてくることに注意しましょう。
仕入れ方法と在庫リスクの現実
主な仕入ルートは、
- 卸サイト(NETSEAなど)
- 展示会
- 海外仕入れ
などです。商品の差別化や仕入価格の調整のため、独自ルートの開拓も重要です。
売れない在庫の対処法
うまく販売が進まない商品がある場合、
- リアル店舗 → 陳列方法を変える
- ネットショップ → 写真や紹介文を変更する
- SNS → 実際の使用シーンをアピールする
など、少し見せ方を工夫するだけで改善する場合があります。
それでも難しい場合は、
- セット販売
- 値下げ
- SNSで「ラスト〇個」など告知する
といった、価格や品薄感で訴求する方法があります。
自己資金が少なくても開業できる?【創業融資】
日本政策金融公庫の創業融資とは
日本政策金融公庫(以下、公庫)は政府系金融機関で、国の政策を反映し、国民の創業を後押ししています。
そのため、民間の金融機関では融資が難しい実績がない段階からでも融資を受けられますし、小規模・個人の開業でも融資対象になります。
日本政策金融公庫の創業融資について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「創業融資」の審査における「自宅」の扱い
公庫の融資を検討する場合、自宅店舗は「固定費が低い」と評価される一方、「公私の区別」を厳しく見られます。
そのため、自宅開業のリスクでも述べましたが、
- 家族の生活動線との切り分け
- 店舗の入り口が家族と共用になる場合、来客中のルールを決める
などの取り組みをしっかりと説明できることが重要です。
自己資金は「金額より積み上げ方」
実務では、融資希望額に対する目安の自己資金額はありますが、金額そのものよりも重要なのが「どう貯めたか」です。
融資の審査では、「コツコツ貯めてきた = 計画性がある人」と評価されます。その場しのぎの見せ金は必ず発覚するばかりか、その後どこからも融資を受けられなくなりますのでご注意ください。
見せ金については、こちらの記事で詳しく解説しております。
「審査に落ちてしまう人の5つの共通点」の②をご覧ください。
自宅雑貨屋で融資を受けるためのポイント
コンセプト設計が重要
雑貨屋は参入しやすい一方で、「どこにでもあるお店」になってしまうと、継続が難しくなります。
そこで重要になるのが、5W1Hでコンセプトを明確にすることです。
5W1Hで考える雑貨屋の基本設計
「誰に」「どんな価値を提供するか」で考えるのがポイント!
1️⃣誰に(Who)
- 10~20代の若い女性に
- 未就学~小学生のご家庭に
- アンティーク好きな大人に
2️⃣何を(What)
- 手ごろなアクセサリーを
- 入園・入学時に必要になる品を
- 海外から輸入したアンティーク雑貨を
3️⃣どう提供するか(How)
- 対面販売(会話・接客重視)
- 受注販売(店舗・ネット双方で)
- SNS・ネット販売
ターゲットが決まると、コンセプトも決まります。
コンセプトが決まると、商品選択や店づくり、値付けなどに迷いがなくなります。
「誰にでも伝わる」事業計画を立てる
コンセプトに基づき、品揃えや価格、販売方法を決めたのち、それを事業計画に反映させます。
事業計画は融資を受けるためにも、ご自身の事業を把握するためにも必要なものです。
- 計画に根拠があるか
- 生活と両立できるか
- 数字を説明できるか
これらを、「誰が読んでも納得できる計画」にすることが重要です。
販売実績の活用(メルカリ等)
メルカリや他ECサイトでの過去の販売数は、立派な実績になります。
事業計画の数字の裏付けになりますので、しっかりとアピールしましょう。
失敗しないための始め方
可能であれば、まずは手数料などの費用が安いECサイトで実験的に販売してみましょう。
<検証項目>
- 人気商品は?
- 売れる価格帯は?
- 一人当たりの購入点数は?
検証結果をみてから、本格的に開始するかどうかを判断しても遅くはありません。
雑貨屋開業の流れ
開業までの大まかな流れは、以下のようになります。
- Step3、8、9は経営や営業に関する準備
- その他は店舗に関する準備
| Step 1 | お店のターゲットとコンセプト設計 |
| Step 2 | 店名を決める |
| Step 3 | 事業計画・資金計画・融資準備 |
| Step 4 | 仕入れ先ルートの選定 |
| Step 5 | 内装工事 |
| Step 6 | 開業準備① 備品の整備 |
| Step 7 | 開業準備② ECサイト、SNSの準備 |
| Step 8 | 助成金・補助金の申請 |
| Step 9 | 開業届などの提出 |
| Step 10 | 宣伝開始(SNS・紹介依頼など) |
| 営業開始 | |
まとめ
自宅で雑貨屋を始めることは可能です。
ただし、資金・売上・リスクを整理しないまま始めると、失敗しやすくなります。
一方で、きちんと準備すれば、小さく、堅実にスタートすることも十分可能です。
もし、
- 自分の場合いくら必要なのか
- 融資が使えるのか
といった点で迷われている場合は、一度、第三者と整理するだけでも大きく前進します。
まだ検討段階でも問題ありません。当社コマサポは「相談=申込」ではありませんので、お気軽に無料相談にご連絡ください。
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代表 駒田裕次郎 税理士・公認会計士・認定支援機関

駒田裕次郎 




























