◻️日本政策金融公庫は消費者金融があっても融資は通る?
◻️消費者金融と住宅ローンの違い
◻️「消費者金融=即NG」は誤解!ネット情報が極端になりやすい理由
◻️消費者金融の利用歴がある場合に特に重要なこと
◻️返済能力に不安があると判断されやすいケース
◻️消費者金融を「隠す」となぜ不利になるのか
◻️消費者金融がある場合の自己診断チェック
◻️よくある質問Q&A
開業のために融資を検討しているけれど過去に消費者金融の利用歴がある…。
現在も消費者金融から借入がある…。
そんな不安があり融資の申請に進めない方のためにこの記事を作成しました。
この記事では消費者金融の利用歴があっても日本政策金融公庫の融資は通るのか?
審査の現実と自己診断の方法を分かりやすく解説します。

監修:駒田 裕次郎 駒田会計事務所【コマサポ】代表
【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金サポートを中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。
【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)
【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関
「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。
目次
この記事は、認定支援機関・税理士監修のもと作成しています。公的な情報に基づき、正確な情報を提供します。
日本政策金融公庫は消費者金融があっても融資は通る?
消費者金融の利用歴があっても、日本政策金融公庫の融資に通る可能性はあります。
ただし、審査ではマイナス評価になるのが現実です。
まずは消費者金融について理解しましょう。
消費者金融と住宅ローンの違い
消費者金融と聞くと、「借金」というネガティブなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
一方で、借入の代表的なものとしては住宅ローンや自動車ローンがあります。
これらも「お金を借りる」という点では同じですが、消費者金融の借入とは目的や仕組み、考え方が大きく異なります。
消費者金融と住宅ローンの違い
| 項目 | 消費者金融 | 住宅ローン・自動車ローン |
| 目的 | 生活費・急な出費など、使い道は自由 | 住宅や自動車など、特定のものを購入するため |
| お金の使い道 | 自由 | 用途が明確に決まっている |
| 借入の性質 | 一時的なお金の不足を補うため | 高額な買い物を分割で支払うため |
| 貸し手 | 消費者金融会社 | 銀行・信用金庫などの金融機関 |
| 想定される期間 | 短期〜中期 | 中期〜長期 |
| 審査の難易度 | 緩い | 厳しい |
住宅ローンや自動車ローンは、銀行などの金融機関が、長期返済を前提に厳しく審査する借入です。
その分、金利は低く、借入でも融資審査に影響は少ないとされています。
一方、消費者金融は、今すぐ必要なお金に対応するための借入で、金利が高い分、審査は緩く比較的簡単に借りることができます。
このような性質から、同じ借入であっても、消費者金融の利用については金融機関が慎重に判断する傾向があります。
つまり、銀行の厳格な審査を受けている住宅ローン・自動車ローンと、消費者金融の借入とでは、金融機関から見た信用度が大きく異なるのです。
よくある誤解「消費者金融=即NG」
「消費者金融を利用していると、融資審査は即NGになる」というイメージを持っている方も多いですが、実は正確な情報ではありません。
実際に日本政策金融公庫へ問い合わせたところ、次のような回答がありました。
▼日本政策金融公庫の回答
「融資を受けられるかどうかは審査次第ですが、消費者金融から借り入れしている人も申し込むことは可能です」
このことからも分かるように、消費者金融の利用=即NG(申請不可)というわけではありません。
あくまで、借入状況や返済状況、事業計画の内容などを総合的に見たうえで判断されます。
ネット情報が極端になりやすい理由
消費者金融という言葉にはネガティブなイメージがつきまとう。
融資審査に落ちた原因が明確ではないため、「消費者金融を利用していることが原因かもしれない」と考えてしまう方がいるから。
ただし、実際の審査では信用情報に登録されている利用履歴だけではなく、さまざまな情報から総合的に判断されるため、消費者金融が原因とは言い切れない。
その他の条件で審査基準を満たしていなかった場合や複合要因も考えられる。
重要なのは「説明」と「返済能力」
融資審査で特に重視される項目の一つが、返済能力です。
消費者金融の利用歴そのもので審査に落ちるわけではありませんが、借入件数・借入残高・毎月の返済額といった情報は、返済能力を判断する要素として審査に含まれます。
そのため、審査への影響がまったくないとは言えません。
重要なのは、その状況を踏まえたうえで、担当者に「問題なく返済できる」と納得してもらえるかどうかです。
担当者に納得してもらうために重要なこと
▫️借入状況を整理し担当者に説明する
▫️融資金の返済をきちんと行えることを示す
消費者金融の利用歴についての曖昧な説明は、かえって信用を損ねてしまいます。
現状を正しく説明したうえで、返済計画に無理がないことを数字で示すことで、マイナスの影響を少なくすることが可能です。
返済能力に不安があると判断されやすいケース
融資審査において、返済能力は最も重視される項目です。
日本政策金融公庫に限らず、返済能力に不安があると判断されると審査通過は非常に厳しくなります。
▫️返済能力を超えた借金がある
▫️信用情報に傷がある
▫️消費者金融を「隠す」
ここでは、どのようなケースが返済能力に不安があると判断されやすいのか解説します。
返済能力を超えた借金がある
消費者金融かどうかに関わらず、現在の収入や事業計画に対して返済額が過大な借入がある場合、審査通過は難しくなります。
なぜなら、金融機関としては「融資を実行したとしても資金の使用目的に合わない使い方をされる可能性がある」と判断するためです。
そのため、返済能力を超えた借金がある場合は返済能力に不安があると判断され、審査通過は非常に厳しいです。
信用情報に傷がある
融資審査では、信用情報機関に登録されている情報が必ず確認されます。
信用情報とは
信用情報とは、クレジットカードの利用履歴や各種ローン、分割払い(割賦販売)などの契約内容や支払い状況などが記録された取引履歴のことです。
過去の延滞履歴など、信用情報に傷がある場合は返済能力に不安があると判断され、審査通過は非常に厳しいです。
ご自身の信用情報に少しでも不安がある方は、自分で信用情報を確認することができるので、申請前に必ず確認しましょう。
主な機関は次の3つです。
| 信用情報機関 | 情報登録期間 | 主な登録内容 |
| CIC (株式会社シー・アイ・シー) | 5年 | クレジットカード、ショッピングローン、携帯電話の分割払いなどの情報が中心 |
| JICC (株式会社日本信用情報機構) | 5年 | 消費者金融、キャッシング、銀行系カードローンなどの情報が中心 |
| KSC (一般社団法人全国銀行協会) | 5~7年 | 銀行のローン(住宅ローン、マイカーローンなど)、奨学金などの情報が中心 *自己破産、個人再生の情報は7年間登録 |
各機関の公式サイトからオンライン・郵送で開示請求が可能です。
あなたが利用した金融機関が加盟している機関を選んで照会しましょう。
なお、本人確認書類と手数料が必要です。
もし手続きが不安な場合は、弁護士を通じた開示請求も可能です。
また、信用情報では、借入の状況や返済状態がいくつかの区分で記録されます。
融資審査において特に重要となる 「完済」「延滞」「現在進行形」 の違いを解説します。
| 項目 | 内容 |
| 完済 | 借入金をすべて返し終えている状態 ▫️現在の借入残高は0円 ▫️過去に借入はあったが、すでに返済終了している |
| 延滞 | 過去に返済期日を守れなかった履歴がある ▫️支払期日を過ぎて返済したことがある ▫️現在は完済しているが、過去に遅延履歴が残っている |
| 現在進行形(延滞中) | 現在進行形で返済が遅れている状態 ▫️支払期限を過ぎても、まだ返済できていない ▫️延滞が解消されていない状態 |
融資審査では、「現在の借入状況」「今後も延滞などの問題なく返済できるか」が重視されます。
現在は完済していても、過去に延滞がある場合、その情報は一定期間、信用情報機関に履歴として登録されます。
そのため、完済=問題なしと安心するのではなく、情報登録期間が終了するまでは審査に影響する可能性がある点に注意が必要です。
消費者金融を「隠す」
消費者金融を利用している場合は、必ず正直に申告することが重要です。
利用している事実を隠すことは、審査において大きなマイナスになります。
後の章で詳しく解説します。
消費者金融を「隠す」となぜ不利になるのか
消費者金融は「ほぼ確実に把握される」
消費者金融を利用すると、その情報は信用情報機関に登録されます。
▫️借入金額
▫️借入件数
▫️返済状況・返済履歴
日本政策金融公庫の審査では、信用情報は必ず確認されるため、消費者金融の利用歴は把握されると考えておきましょう。
致命傷は「不誠実」
日本政策金融公庫が最も嫌うのは、「嘘をつくこと」「後出しで事実が判明すること」です。
そのため、消費者金融の利用自体よりも、次の場合は信用を大きく損ないます。
信用を大きく損なう対応
▫️利用事実を隠していた
▫️担当者に聞かれてから渋々認めた
▫️説明が曖昧
消費者金融の利用歴がある場合は、消費者金融の利用の内容と返済計画を説明することで、担当者に誠実さと返済可能であることを示しましょう。
【図表】消費者金融がある場合の自己診断チェック
消費者金融の利用があると、「自分は融資を受けられるのだろうか?」と不安に感じる方は少なくありません。
そこで、あなたの状況から、審査上どの位置にいるのかを確認できる自己診断チェック表を用意しました。
まずは客観的に自分の状況を整理してみましょう。
あなたの状況はどこに当てはまる?
| 状況 | 審査難易度 | 専門家の実務アドバイス |
| ▫️少額 ▫️完済済み ▫️延滞なし | 影響は比較的少ない | 利用した経緯を説明する融資の返済計画をしっかり提示する |
| ▫️現在も借入中(残高あり) ▫️複数社から借入がある | 厳しい | まずは返済を優先 申請前に信用情報・借入整理が必須 |
| ▫️残高が比較的大きい ▫️返済比率が高い ▫️延滞履歴がある | 非常に厳しい | まずは返済を優先 信用情報(延滞履歴)が消えるまでは、申請は控えることをお勧めします |
よくある質問(Q&A)
ここでは、よく目にする質問にQ&A形式でお答えします。
はい、影響します。
すでに返済済みで、借入が少額、延滞なしであれば、致命的にならない可能性もあります。
いいえ、問題ないとは言い切れません。
信用情報に利用歴は残っている場合は、消費者金融を利用していた期間と理由の説明は必須です。
まとめ:一人で悩まず、申請前に状況を整理するという選択
今回は、消費者金融の利用歴について解説しました。
記事の詳細は下記の通り。
◻️日本政策金融公庫は消費者金融があっても融資は通る可能性はあるが、審査にはマイナスの影響
◻️消費者金融の利用歴があっても「説明」と「返済能力」を示すことで可能性が開ける
◻️住宅ローンや自動車ローンは同じ借入でも融資審査に影響は少ない
◻️返済能力に不安があると判断されやすいケース
▫️信用情報に傷がある
▫️返済能力に不安があると判断されやすいケース
▫️消費者金融を「隠す」
◻️消費者金融は「ほぼ確実に把握される」ので隠すのはNG
消費者金融の利用歴があっても申請は可能ですが、実際のところ、審査にマイナスの影響はあります。
だからといって必ず審査に通らないというわけではありません。
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代表 駒田裕次郎 税理士・公認会計士・認定支援機関



































