起業を考えている多くの方にとって資金集めはとても重要です。
起業直後は売上が不安定になりがちであり、起業後に事業が軌道に乗るまでには時間がかかることを考えると、資金は多いに越したことはありません。
また、金融機関は「晴れている時は傘を貸してくれますが、雨が降ると傘を貸してくれない」といわれる通り、計画的に経営をしている事業者には優しいのですが、無計画な経営を行っている事業者には厳しいです。
また、積極的な事業展開をしていく際にも、資金は重要になってきます。
そこで、これから起業をしたいというの方には起業する際に創業融資という融資を受けることをおすすめします。
今回は日本政策金融公庫の創業融資の一つ、新規開業資金についてご紹介します。
新規開業資金とは?
新規開業資金とは日本政策金融公庫が実施している融資制度の1つです。
同じく日本政策金融公庫の融資制度である新創業融資制度と併用されることが多く、日本政策金融公庫の創業融資としてはとてもメジャーなものです。
※2024年3月に、公庫の「新創業融資制度」が廃止となり、それにともない、4月より「新規開業資金」が「新創業融資制度」の要素を引継ぐ形で一部拡充されました。
融資を受けるためにはいくつかの条件をクリアする必要があります。
以下、具体的な内容やメリット・デメリットなどについてご紹介していきます。
新規開業資金の具体的な内容
①対象者要件(一部抜粋)
新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
「雇用の創出を伴う事業を始める方」
「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」
※上記の「事業を始める方」には、事業開始後おおむね7年以内の方も含む。
以上の条件の、いずれかに該当する方が対象者となります。
➡ 難しく書いてありますが、これから創業される方であればほとんどの方が対象になると思いますので、ぜひ創業融資にチャレンジしてみてください。
②資金の使いみち
……新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金及び運転資金。
➡ 何が「運転資金」で何が「設備資金」なのか、わからない方も多いと思いますが、まずはあまり気にしないで良いと思います。
また、「設備資金の方が削られにくいので、まずは設備資金中心が良い」という話もありますが、設備資金と運転資金のバランスが悪いと元も子もありません。そのようなバランスの悪い事業計画は、やはり評価が悪くなって強いますので、まずは経験ある専門家に相談してみましょう。
③融資限度額
……7200万円(うち運転資金4800万円)。
⇒制度上はかなり高く設定されていますが、担保や保証人がない場合には最大でも1000万円が限度額だと捉えてよいでしょう。1000万円を超えますと、公庫では支店決裁ではなく、本店決裁になるため一気にハードルが上がります。
また、実際に借入することができる融資額は審査の際に提出する自己資金の額の約2~3倍であることが多いようです。
④返済期間
……設備資金は20年以内、運転資金は107年以内。据置期間は52年間。
➡ 据置期間については実際のところ半年~1年の場合が多いようです。ただし、コロナの特別貸付の場合には、最大3年間の据え置きが可能となります。
※現在の新型コロナウイルス感染症特別貸付の詳細はこちらをご確認ください。
⑤利率
……利率は事業者の方によって変動しますが、基準金利で2%台前半となってるようです。(令和4年11月22日現在)
また、条件付きで特別利率が適用される場合があり、その場合には利率は下がってきます。
➡ 例えば、女性・若者・シニアに該当すれば、特別金利が適用され、~0.5%程度、金利が下がります。振興事業貸付の制度を利用すれば、飲食業や美容業の業種について、最大で基準金利よりも1%前後、金利が下がることもあります。
どのような制度を利用すれば、最も有利な金利で借りられるのか、一度専門家にご相談いただいても良いと思います。
※女性、若者、シニアの方で創業する方はこちらをご参照下さい。
⑥担保・保証人
……公庫の担当者との相談の中で決めます。担保の提供や保証人を立てることで融資額を増やすことも可能です。
➡ 基本的には、創業融資においては担保や連帯保証人を立てる必要はないと考えて大丈夫です。
以上が、新規開業資金の概要です。審査のハードルは低いと思われがちですが、十分に準備をしませんと簡単には通過できません。確実な融資のためにしっかりと準備をしましょう。
利率等は各々の事業者の方によって変わってきてしまうことが多いので、専門家に相談をすることをおすすめします。
最後に
新規開業資金を含めた創業融資は、実際の申請や条件などに関してパンフレット通りではないことが多いです。
創業融資の内実や、申請のノウハウなどを知るためにも専門家に相談をすることをおすすめします。
創業融資 代行サポート(CPA)では、多くの事業主様から、公庫の創業融資を含む、創業時の資金繰りのご相談を承っており、多くのノウハウや情報を持っております。
まずはお気軽にご相談ください。万全の態勢で日本政策金融公庫の審査に挑むことができるようになります。
以下のリンクでは創業融資についてご紹介しております。
リンク:制度融資(創業融資)とは?【起業時の資金調達】
リンク:公庫の新創業融資制度とは?【起業時の資金調達】
リンク:創業時の融資【東京都創業サポート事業とは?】