「自宅で書道教室を開いてみたい。」
そう思い始めたとき、楽しみな気持ちと同時に、
お金のことが気になって不安になる方は少なくありません。
いくらあれば始められるの?
自宅だと融資は難しいのでは・・・?
そもそも習い事の教室が「事業」として認められるの?
こうした疑問を感じるのは、ごく自然なことです。
実際、創業前のご相談では「まだ早いかもしれない」「もう少し自分で調べてから」と迷われている方が大半です。
この記事では、これまで創業融資の実務支援に携わってきた会計事務所の視点から、
自宅で書道教室を開業する場合の資金の考え方と、創業融資という選択肢を、判断材料として整理します。
今すぐ決める必要はありません。
まずは全体像を、一緒に確認していきましょう。
🔶書道教室を自宅で開業する際の資金の目安(初期費用・運転資金)
🔶自宅開業と賃貸テナントの違いと選び方
🔶自宅開業でも創業融資は使える?
🔶創業融資と補助金・助成金について
🔶書道教室の創業計画書で押さえるべき重要ポイント
🔶融資を利用すべきかどうかの判断基準
| 監修: 駒田 裕次郎 駒田会計事務所【コマサポ】代表 | ||
| 【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金サポートを中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。 【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在) 【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関 | ![]() | |
| 「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。 | ||
目次
日本政策金融公庫の創業融資には、書類作成段階からいくつかのポイントがあります。公庫の認定支援機関でもある弊社コマサポでは、事業計画書の内容から融資審査の面談まで、手厚くサポートさせていただいております。まずは無料相談にお気軽にご連絡ください。
自宅で書道教室を開業したいと考えたとき、なぜ不安になるのか

書道教室は「事業として弱いのでは?」という不安
書道教室のような習い事は、「規模が小さい」「売上が大きくなりにくい」というイメージから、事業として評価されにくいのではと感じやすい分野です。
ですが、創業融資の現場では、最初から大きな売上を求められるわけではありません。
重視されるのは、次のような点です。
- どんな人に、どんな内容で教えるのか
- その対価として、どの程度の収入を想定しているか
- 生活と無理なく両立できる計画になっているか
「小さい=ダメ」ではなく、説明できるかどうかが重要になります。
自宅開業だと融資は難しいと思われがちな理由
もう一つ多いのが、「自宅だと趣味扱いされるのでは」という不安です。
確かに、事業と私生活の境界が曖昧だと評価が難しくなることはありますが、自宅だからNGという話ではありません。
次の章から、賃貸テナントを借りた場合と比較しながら、実際にどんな点が見られるのかを整理していきます。
自宅 or 賃貸テナント|開業形態別の特徴
自宅での開業を考えているものの、賃貸で開業する場合はどうなのかも気になりますね。この選択は、単に「どちらが良さそうか」で決めるものではなく、初期費用・毎月の固定費・融資の使い方によって、向いている開業形態が大きく変わります。
開業形態別の特徴は以下のようになります。
| 比較項目 | 賃貸テナント | 自宅開業 |
| 初期費用 | 保証金・礼金・内装工事費などが別途必要 | 内装工事などが発生するが必要最低限 |
| 毎月の固定費 | 光熱費・通信費に加え、家賃が発生 | 光熱費や通信費など |
| 融資の考え方 | 固定費を含めた余裕が必要 | 借入額を抑えやすい |
| 融資審査の評価 | 事業計画による | 事業計画によるが大きな問題なし |
| 開業初期のリスク | やや高い | 低い |
| 向いている人 | 早期に売上が見込める人 | 慎重に始めたい人 |
賃貸テナントを選ぶ場合は、融資や自己資金で最低でも6か月分以上の固定費を見込めているかが一つの判断基準になります。
賃貸テナントと自宅開業のメリット・注意点
賃貸テナントと自宅開業の最も大きな違いは、チラシやホームページに「所在地」を出せるか否かです。自宅開業の場合は、自宅住所を公にするとリスクがありますので、問合せからの流れを考えておく必要があります。
賃貸テナントの場合

| 賃貸テナントのメリット | |
| 🔸事務所住所を明確に打ち出せる | |
| 🔸広告・宣伝がしやすい | |
| 🔸保護者からの信頼を得やすい | |
| 賃貸テナントの注意点 | |
| 🔹保証金・礼金・内装工事費など初期費用がかかる | |
| 🔹売上が安定する前から毎月家賃が発生する | |
| 🔹融資を受けても固定費が重荷になるケースがある | |
自宅開業の場合

| 自宅開業のメリット | |
| 🔸家賃が不要 | |
| 🔸生徒数が少なくても黒字化しやすい | |
| 🔸副業から開始できる | |
| 自宅開業の注意点 | |
| 🔹住所の扱いに工夫が必要(HP・チラシなど) | |
| 🔹生徒数を増やすのに時間がかかる | |
| 🔹家族との生活スペースの切り分けが必要 | |
| 🔹家事費と事業費が混在しやすい | |
| 🔹防音・近隣住民への配慮が必要 | |
ご自宅の場所が、実は集客しにくい立地である場合もあります。
その場合、公民館やコミュニティセンター、民間レンタルスペースを借りるほか、学童サービスの会社に営業をかける方法などもあります。
書道教室の自宅開業の流れ
開業までの流れは、以下のようになります。
小規模な開業であっても、市場調査を行って地域で継続できそうかどうかを確認することをお勧めいたします。
①市場調査
↓
②ビジネスプランの作成
↓
③開業手続き(個人事業主、法人)
↓
④教材や設備の準備
↓
⑤宣伝活動
1. 市場調査
- ターゲット層の特定
未就学児、小・中・高校生、社会人など、対象者を決める - 競合分析
周辺の教室の種類や授業料などを調査し、差別化ポイントを見つける
書道教室は個人開業のほか、公文式の教室が講座を持っていたりします。地域の状況を知り、他の教室にはない特色を出していくことが重要になります。
ご自身の強みを明確にするためには、競合他社の分析が必須です。以下の記事では、事業の強み、競合相手、市場規模の分析に最適な方法を詳しく紹介しています。
2. 事業計画の作成
- 教室の目的と教育方針
個別指導や超少人数指導、オンライン授業など、提供するサービスの形態と、どんな成果を目指すのかを決定する - 対象者と指導科目の決定
市場調査をもとに対象者を絞り込み、指導内容を決定する - 料金の決定
競合との比較、市場の需要を考慮し、授業料や入会金、教材費などの価格を設定する - 集客方法の決定
集客から入室までの流れを考え、その計画に必要なもの(ホームページの整備や広告展開など)を具体的に決定する
3. 開業手続き
事業を開始する際には、個人事業主か法人を選ぶことになります。規模が小さい創業の場合は、個人事業主で開始される方がほとんどです。
個人事業主での開業の場合、以下のような手続きがあります。「開業届」と「事業開始等申告書」、「青色申告承認申請書」は同時に提出すると一度で済ませられます。
【必須】
- 開業届の提出
届出先:税務署
開業日の1か月前までに、税務署に提出する - 事業開始等申告書の提出
届出先:都道府県税務署
事業所がある都道府県税務署が定める期限内に提出する
【任意】
- 青色申告承認申請書
届出先:税務署
新規開業の場合は、業務を開始した日から2か月以内に提出
白色申告に比べ節税効果が高い - 商号登録
教室の名称を商号としたい場合は、商標登録を検討する
青色申告承認申請書の提出についてはこちらをご参照ください
→国税庁|青色申告制度
開業届の提出についてはこちらをご参照ください
→国税庁|個人事業の開業届出等手続
商号登録はこちらをご参照ください
→商標登録のいろは|特許庁
青色申告のメリット
- 最大65万円の特別控除
- 赤字を最大3年間繰り越し可能
- 家族の給与を経費計上できる
- 30万円未満の資産を一括で経費にできる など
個人事業主と法人、何が違う?
両者の大きな違いは税金で、個人事業主が所得税(累進課税、最高45%)であるのに対し、法人は法人税(比例課税、15~23.2%*)になります。まずは個人事業主で創業し、所得が年800万円を超えたあたりで法人化を検討されるのがよいでしょう。
*参照:国税庁|法人税の税率
4. 設備と教材の準備
書道教室開業の準備は、大きくは環境と設備・備品、教材の3つに分けられます。
ここでは、1レッスンあたりの生徒数が1~6人程度の教室の開業に必要な内容をご紹介いたします。
1. 環境
準備の中で最重要項目なのが、生徒が集中して授業を受けられる環境整備です。
注意すべきは次の3点です。
- 書道を習うにふさわしい内装・雰囲気である
- 他の家族の生活音や動線対策がなされている
- トイレや水廻りに清潔感がある
2. 設備・備品
環境整備の延長線上にあるのが、具体的な設備や備品です。生徒が集中できる快適な空間で、必要なものが整っている状況を目指しましょう。
一般的な書道教室を想定した設備・備品は以下の通りです。
- 冷暖房
- 空気清浄機
- 適切な照明
- 手や汚れものを洗える洗面台
- トイレ
- 机・椅子・座卓
- 収納棚
- 予備の筆や硯、半紙など
- 消毒、除菌用器具
3. 教材
所属団体の教本など、必要応じて用意します。在庫リスクもありますので、都度入手しやすいものがお勧めです。
5. 宣伝活動
肩書(受賞歴や師範の称号など)をお持ちの場合は、積極的に掲載を!
開校日を決め、生徒の募集を開始します。最寄りの学校近辺などでのチラシ配布、ホームページの作成、SNSなどで集客を図りましょう。
無料体験や紹介割引キャンペーンも有効ですが、無料体験はひやかしも含まれます。ワンコインでも有料にして体験してもらうほうが、入室意欲の高い方を集客できる可能性が高いです。
書道教室を自宅で開業する場合、開業資金はいくら必要?
初期費用の内訳
自宅書道教室の開業資金は、賃貸テナントと比べると抑えやすいです。
一方で、自宅内の動線確保用の備品や墨汚れ対策など、自宅開業ならではの費用もあります。
- 教材費(教本、半紙、墨、筆、下敷きなど)
- 机・椅子・座卓
- 収納棚、掲示物
- 内装・模様替え
- 玄関から教室までの動線確保(パーテーションなど)
- 墨汚れ対策(床シートや壁の養生など)
- ホームページ、チラシなどの広告宣伝費
- 看板設置費用
規模・内容により差がありますが、目安としては20〜80万円程度で始める方が多いようです。
意外と見落としがちな「運転資金」
最初は初期費用ばかりを見てしまいがちですが、実は重要なのが運転資金です。
- 生徒が安定するまでの数か月分の生活費
- 教材の追加購入費
- 広告費の継続支出
など、「最初は生徒が少ない」ことを前提に、最低でも3〜6か月分は備えておきたいところです。しかし、日本政策金融公庫(以下、公庫)の創業融資は運転資金にも使えるため、すべて自己資金でまかなう必要はありません。
自己資金はどのくらいあればよい?
創業時の自己資金については、融資希望額の約30%が目安です。
これは、公庫の場合、融資実行額が自己資金の3倍程度になることが多いためです。
公庫の調査でも「自己資金がまったくない」ケースは少数派で、ここ数年間は250万円未満の方が約20%前後で推移しています。

一方で、「すべて自己資金でまかなう」ことが必ずしも安全とは限りません。なぜなら、生活資金まで削ってしまうと精神的な余裕がなくなり、判断を誤りやすくなるからです。
ここでお勧めなのが、公庫の創業融資という選択肢です。
自宅の書道教室でも創業融資は使える?
結論|自宅開業でも創業融資の対象になり得る
結論から言うと、自宅での書道教室開業でも創業融資の対象になります。重要なのは「自宅かどうか」や「教室の規模」ではなく、「事業として説明できるか」どうかです。
日本政策金融公庫の創業融資の考え方
公庫の創業融資は、正式名称を「新規開業・スタートアップ支援金」といい、個人事業主の方にも数多く利用されています。
さらに、女性や35歳未満・55歳以上の男性の創業を、基準金利より0.4%低い特別利率で支援しています。
「自分は対象外では?」と感じている方ほど、実際は検討余地があるケースも多く見られます。
▼創業融資の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 以下のいずれかに該当する方が対象です。 🔷これから新たに事業を始める方 🔷事業開始後おおむね7年以内の方 |
| 融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金は4,800万円まで) |
| 金利 | 基準金利:2.30~4.90% *決算が2期未満の方は、原則として0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)引下げ |
| 返済期間 | 🔷設備資金:20年以内 🔷運転資金:10年以内 *うち据え置き期間5年以内 |
| 担保・保証人 | 原則不要 |
| 自己資金 | 要件は明記されていませんが、融資希望額の30%程度が望ましいです |
*参照:日本政策金融公庫|新規開業・スタートアップ支援資金
▼女性、35歳未満・55歳以上の男性
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 🔷新たに事業を始める方 🔷事業開始後おおむね7年以内の方 ➕下記の条件を満たす方 ◻️女性 ◻️35歳未満の男性 ◻️55歳以上の男性 |
| 融資限度額 | 7,200万円 運転資金は4,800万円まで |
| 金利 | 特別金利A 1.90~4.50% *決算が2期未満の方は、原則として0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)引下げ |
| 返済期間 | 🔷設備資金:20年以内 🔷運転資金:10年以内 *うち据え置き期間5年以内 |
| 担保・保証人 | 原則不要 |
*金利は令和8年2月2日現在のものです。最新の金利情報を公庫のHP(金利情報 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】)でご確認ください。
*参照:日本政策金融公庫|新規開業・スタートアップ支援資金
補助金や助成金もあわせてチェック!
補助金や助成金は受け取るまで時間がかかりますが、返済不要という大きなメリットがあります。融資とあわせて検討することをおすすめいたします。
補助金とは
主に経済産業省が管轄し、事業の立ち上げや拡大、研究開発などを支援する返済不要の資金のこと。審査を経て、採択された事業者に支給される。
助成金とは
主に厚生労働省が管轄し雇用促進や待遇改善を目的とした、返済不要の資金のこと。条件を満たせば支給される。
▼おすすめの補助金・助成金
| 名称 | 種類 | 概要 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 補助金 | 小規模事業者に対し、要件を満たす取り組みに使った経費の一部を補助する。 |
| IT導入補助金 | 補助金 | ITの導入に関連する経費を対象に、その一部を補助する。 |
| 創業助成金(東京都中小企業振興公社) | 助成金 | 都内の創業者に対し、対象経費のうち400万円までを助成する。 |
補助金や助成金は、返済不要という大きなメリットがある一方で、以下のような注意点もあります。
- 後払いの形式で提供され、立替金が発生する
- 申請には必要な書類や情報提供が多く、手続きが複雑で時間がかかる
- 補助金は採択される必要があり、申請すれば受給できるものではない
- 受給後に、実施内容や成果を報告する必要がある場合があり、報告内容が不十分な場合は減額される可能性がある
詳しい内容は以下の記事で解説しております。
融資の審査で見られるのは「教室の規模」ではない
審査では、主に次のような点が整理されているかが見られます。
- どんな生徒を想定しているか
- 月謝設定と生徒数の見込み
- 家計と事業をどう分けて考えているか
これらが曖昧だと、「自宅=趣味」と見られてしまう可能性があります。
書道教室の創業でつまずきやすいポイントと失敗回避策
売上見込みを楽観的にしすぎてしまうケース
「すぐに生徒が集まるはず」と考えてしまうのは、よくある落とし穴です。
- 生徒募集には時間がかかる
- 最初は体験が多く、収入になりにくい
これらを踏まえて現実的な数字を想定することが、結果的に安心につながります。
借入額を抑えすぎることのリスク
「借金は少ない方がいい」と考え、必要最低限しか借りない方もいらっしゃいます。しかし、運転資金が足りず、途中で資金繰りに困る方も少なくありません。
「借りない=安全」ではない、という点に注意が必要です。
公庫の創業融資は、運転資金も対象になっています。借金=リスクではなく、経営を安定させるための “心の保険” として考えることが大切です。
家族との関係・家計との境界線が曖昧になる問題
自宅開業では、家族の理解が非常に重要です。
自宅に生徒が来るわけですから、家族に配慮を求める時間帯も出てきますね。家族の生活時間帯に応じた時間割を組むなど、よく話し合うことが重要です。
そのほか、よくある課題としては次のようなものがあります。
- 家計と事業のお金が混ざってしまう
- 「どこまでが仕事?」と曖昧になる
これらは、融資を受けるための創業計画書に記載していく内容でもありますので、創業計画書は融資のためだけでなく、家族に説明するための資料としても役立ちます。
他人の自宅に子供を預けることを不安に思う保護者の問題
子どもをターゲットにしている場合、短時間とはいえ他人の自宅に子どもを預けることに抵抗がある保護者の存在は無視できません。
そこで、保護者の不安解消に積極的に取り組み、チラシやSNSで発信することがとても重要になります。具体的には、以下の内容です。
教室の取り組み方針や理念
サポート体制(内容の報告や休んだ時の振替など)
空間の安全性(生活空間との分離、防犯カメラの設置など)
入退室時の保護者への連絡サービス
最近は、生徒の管理や月謝の請求、入金管理、保護者への入退室連絡サービスなどがパッケージになっているツールやシステムがあります。導入を検討されるのも一つの戦略です。
自宅書道教室の創業計画書で押さえるべきポイント
創業計画書は「上手く書くもの」ではない
創業計画書というと、立派な文章を書く必要があると思われがちですが、実際は説明資料です。「誰に・何を・いくらで・どうやって」を自分の言葉で説明できることが大切です。
創業計画書の書き方は、以下の記事で詳しく解説しております。
書道教室ならではの強みの整理方法
ご自身の経歴を整理して「強み」の文章化を!
- 書道歴・資格
- 指導経験
- 地域とのつながり(学校・地域行事との関係など)
何かを習うとき、経験豊富な方から教わりたいと思うのは自然なことです。ご自身のこれまでの歩みを振り返り、「強み」を見つけましょう。コーチングやカウンセリングの経験も、「うまい導き方を知っている」という評価につながります。
整理した「強み」を文章化することで、公庫の創業計画書の動機欄をしっかり書けます。動機欄には、次の2点をはっきり書くことがポイントになります。
- なぜこの事業を始めるのか
- 今までの経験が今回の事業にどう活かせるのか
実務上、つまずく方が多いポイント
実際のご相談では、
- 売上と生活費の区別
- 教室収入だけでなく家計全体の整理
で止まってしまう方が多く見られます。
売上に関しては、教室専用の銀行口座を作ることで対応可能です。
ここでのポイントは経費の「家事按分」で、これを整理することで事業計画をスムーズに立てることができます。
経費の家事按分とは?
家事按分とは、例えば光熱費やスマートフォンの通信費など、事業と生活の両方で使用する「家事関連費」を、プライベートでの利用分と事業での利用分に振り分けることを言います。
経費の家事按分は、融資申請時の創業計画書(事業計画書)に盛り込む必要があり、また、確定申告の際にも必要になるものです。
家事按分できる経費とできない経費について
家事按分できる主な費用
事業用に使っていることが明確なものは、家事按分が可能です。
- 地代家賃(自宅の家賃や住宅ローンの金利、固定資産税など)
- 水道光熱費(電気、水道、ガス代など)
- 通信費(スマートフォンの利用料金、インターネット回線料など)
- 車両費(ガソリン代、駐車場代、有料道路の通行料、車検費用など)
家事按分できない主な費用
事業と直接関連がなく、プライベートな支出と見なされる場合は家事按分の対象になりません。所得税法では、経費として認められるのは「所得を得るために直接必要であった費用の額」と定められていますので、以下のような内容は経費計上できません。
- 完全にプライベートな支出
家族旅行・レジャー費、私用の衣服、私的な交際費など - 生活費そのもの
食費、日用品費、医療費・健康診断(一般的なもの)など - 家族のための支出
家族専用のスマホ・通信費、子どもの学費・習い事、配偶者の交通費・衣服代など - 所得税・住民税・罰金など
税金や制裁的な支出は、経費にできない
*事業税・固定資産税(事業用部分)は按分可能 - 事業に直接関係しない保険
個人名義の生命保険、医療保険、がん保険は経費にできない
*自宅兼事務所の火災保険、自動車保険は按分可能
これらは、たとえ事業で使っていても合理的な基準が説明できないと確定申告時に否認リスクがあります。按分比率には明確なルールはありませんが、誰が聞いても納得できる客観的かつ合理的な基準で計算していることが重要です。
家事按分の計算方法
家事按分の計算では、光熱費であれば使用した時間を、家賃であれば事業用スペースの面積を、というように経費の性質に応じた基準を使って実態に即した割合で算出します。
| 使用時間 | 利用時間の割合に基づいて按分する |
| 使用面積 | 使用している面積の割合に基づいて按分する |
| 使用量 | 利用した量の割合に基づいて按分する |
以下の点に不安がある場合は、家事按分は避けましょう。
- 事業に使っていると言い切れるか
- 割合を数字で説明できるか
- 税務署に聞かれても説明できるか
創業融資を使うかどうか、どう判断すればいい?
融資を利用する場合・利用しない場合の比較
融資は無理に利用するものではありませんし、どちらが正解かという話でもありません。
利用した場合としなかった場合、それぞれ比較してみましょう。
| 融資を利用する場合 | 融資を利用しない場合 |
| 生活に余裕を持ってスタートできる | 借金の心理的負担がない |
| 初期の判断を落ち着いて行える | 資金不足のリスクがある |
書道教室の収入をどこまで家計の柱にしていくか、という視点で考えてみるとご自身の納得がいく選択につながります。
「今すぐ決めなくてもいい」という考え方
創業融資の相談は「相談=申込み」ではありません。
実際、弊社に相談に来られる方の多くはまだ悩まれている段階で、目的は「自分が今どの段階で、今後どうしたいのか」を整理するきっかけを得ることです。
談した結果、状況によっては
- 今は借りない
- もう少し準備してから考える
という判断が最善な場合もあります。
無理に融資につなげるのではなく、「リスクも含めて一緒に考えること」が弊社コマサポのような専門家の役割です。自治体や税理士事務所などの無料相談サービスを利用し、ご自身の現在地を確認してみることから第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
【Q&A】よくある質問
認められる可能性は十分あります。ポイントは説明できるかどうかです。
規模よりも計画の妥当性が重視されます。
問題ありません。むしろ安定収入があることが安心材料になる場合もあります。
多くの方が同じ悩みを抱えています。整理するところからで大丈夫です。
その必要はありません。判断材料を得るための相談という位置づけで構いません。
【まとめ】迷っている段階だからこそ、整理する意味がある
自宅で書道教室を開業することに不安を感じるのは自然なことですし、制度やお金の話は分かりにくくて当然です。
大切なのは、以下の3点です。
- 不安を放置しないこと
- 一人で抱え込まないこと
- できる範囲で市場調査をしてみること
判断材料を整理することで、無理のない選択肢が見えてきます。
税理士など、融資に詳しい専門家に「一度話を聞いてみる」という選択肢も、その一つです。今すぐ決断しなくても大丈夫です。まずは、ご自身の状況を整理するところから始めてみてください。
弊社コマサポは、認定支援機関でもありますので、まずはお気軽に無料相談にお問い合わせください。
| 👑日本政策金融公庫の創業融資に強い 通常、公庫の創業融資が通る確率は1~2割とも言われていますが、駒田会計事務所では、通過率90%以上の実績でフルサポートいたします。 👑成功報酬型で安心。最短三週間のスピード対応! 成功報酬型なので、安心してご依頼ください。万が一、融資が通らなかった場合には、成功報酬は発生しません。 公庫での面談がご不安の方には、面談時の同席サポートもしております。 👑会社設立や税務会計もまとめてワンストップで提供いたします! 会社設立や税理士顧問、許認可の申請など、ご要望に応じて創業時に必要なサービスをまとめて提供いたします。弊社は税理士・会計事務所であり、司法書士・社会保険労務士・弁護士・行政書士など、経験豊富なパートナーと共に、ワンストップで対応いたします。 |
創業者の皆様は「必ずこの事業を成功させたい!」という熱い思いで、弊社に相談に来られます。このお気持ちに応えるため、私どもは、事業計画を初めて作成されるお客様でも、丁寧に一つ一つ確認しながら、一緒に事業計画書の作成や創業融資の申請をサポートいたします。
そして、お客様のビジネスが成功するために、創業融資、会社設立、経理、税務申告など、創業者に必要なサポートをさせていただいております。
まずは創業・起業のこと、融資に関することなどお気軽にご相談ください。お客様にとって最適なアドバイスをさせていただきます。
駒田会計事務所【コマサポ】
代表 駒田裕次郎 税理士・公認会計士・認定支援機関


































