起業時に有利な条件で借りられる日本政策金融公庫の創業融資は必ず活用したい資金の一つです。
しかしながら、創業融資を申し込んだ人の中には残念ながら審査に通過しなかったという方もいらっしゃるかと思います。
今回は創業融資の審査に落ちてしまった方に向けて、審査に落ちた理由と今後の対策について解説していきます。
本記事を参考にして次回の審査では必ず創業融資を獲得できるようにしましょう。
目次
審査に落ちた理由を分析する
創業融資の審査に落ちたときに最初にやるべきことは通過しなかった理由を分析することです。
審査に落ちた理由を分析しなければ、適切な対策を練ることができないためです。
中には担当者に直接聞けばよいのではと思われた方もいらっしゃるかと思います。
しかしながら、日本政策金融公庫の担当者は審査に通過しなかった理由を教えてくれないケースがほとんどです。
融資の審査は一つの要素ではなく、総合的に判断しています。
どれか一つを直せば審査に通過するというものではありません。
ですので、公庫の担当者は申込者に誤解を与えないように詳しい内容を話さないことが多いです。
ですので、審査に落ちた理由は自分で分析をしなければいけません。
とはいっても、何で審査に落ちたか見当もつかないという方も少なくないかと思います。
そこで次の章では審査に落ちる原因と対策について解説していきます。
創業融資の審査に落ちる5つの理由と対策
創業融資の審査に落ちる理由は主に下記の5つです。
- 自己資金が足りていない
- 見せ金をする
- 斯業経験がない
- 信用情報に傷がついている
- 創業計画書と面談の話に整合性がない
具体的な内容と対策について解説していきます。
自己資金が足りていない
創業融資では自己資金が足りていないために審査に落ちるケースがあります。
自己資金が足りないと起業に向けてしっかりと準備をしていない、会社が傾いたときに耐えられないという様にみられてしまうためです。
もし、自己資金がほとんどない状態で審査に落ちた場合、自己資金を貯めてから審査に申し込みをするようにしましょう。
見せ金をする
見せ金をするとほとんどのケースで融資の審査には通過しません。
見せ金とは銀行の預金残高を増やすために一時的にお金を借りて、自己資金を大きく見せ、融資が決定したら返済するお金のことをいいます。
金融機関をだます行為のため、絶対してはいけません。
見せ金を使ったことが原因で審査に通過しなかった場合、次回の審査も非常に厳しくなります。
公庫の情報は一度審査に落ちたからといって消えることはありません。
見せ金を使い、信用を大きく失ったという事実は残り続けます。
もし、見せ金を使ってしまった場合は真摯に謝りましょう。
事業と関連している仕事の経験がない
斯業経験がないため、審査に通過しないケースがあります。
斯業経験とはこれから起業しようと考えている事業との関連した仕事の経験のことをいいます。
公庫の調査では斯業経験がある人の方がない人よりも起業が成功する可能性が高いというデータがでています。(資料:開業者の斯業経験と開業直後の実績 日本政策金融公庫総合研究所)
ですので、創業融資の審査では斯業経験がどのくらいあるのかという点も重要視されます。
もし、斯業経験が全くない、または少なかった場合、斯業経験の少なさが原因で審査に通過しなったのかもしれません。
対策方法は「他のポイントをアピールする」がおすすめです。
斯業経験はあった方がもちろん良いですが、なければ審査に通過しないということではありません。
他にアピールポイントがあれば、十分に審査に通過する可能性はあるでしょう。
例えば、「本や聞き取りなどで業界知識を高めておく」「多めに自己資金を用意しておく」「固定した仕入先や売り先を構築しておく」など斯業経験がなくても成功する見込みが十分にあるということをアピールすることをおすすめします。
もし、時間に余裕があれば斯業経験をこれから積んでみても良いでしょう。
正社員で働くことが好ましいですが、難しいようであれば派遣社員やアルバイトなどでも大丈夫です。
1年以上の斯業経験があると審査にプラスに働きやすいです。
斯業経験がなくて審査に通過しなかった場合はこの2つの方法をとることで審査に通過する可能性は大きく上がるでしょう。
信用情報に傷がついている
信用情報に傷がついている場合は審査に通過する可能性が低くなります。
信用情報が傷つくケースはローンの返済の遅れ、任意整理、スマホの本体料金の割賦販売の遅れなどが代表的です。
公庫は創業融資の審査の時、必ず信用情報を照会します。
1~2回程度であれば大きな問題にはならないケースが多いですが、複数回延滞・遅延をしている場合、審査に通過するのは難しくなるでしょう。
もし複数回遅延・延滞をしている場合、1~2年間程度滞りなくお金を支払ってから審査に申し込みすることをおすすめします。
創業計画書と面談の数字に整合性がない
創業計画書と面談に整合性がない場合も審査に通過しにくくなります。
例えば、売上見込みや借入金の返済、利益目標などの数字を詳しく説明できないと審査に通過するのは難しくなります。
公庫は「なぜその数値になるのか」「もし見込みが外れた場合はどうするのか」など数字に関しては細かいところまで質問してきます。
しっかりと自分で考えて創業計画書を作りこまないと、実際の面談で正確に受け答えをするのは難しいでしょう。
創業計画書と面談で上手くいかなかった場合の対策は事前に面談の練習をすることです。
専門家に依頼することで、面談の練習をしてもらうことができます。
創業計画書の不自然な点や整合性がない部分などの問題点を把握できます。
次回の審査に向けてすべきこと2つ
審査に落ちてしまった場合、次回の創業融資の審査に向けてすべきことは下記の2つです。
- 期間を最低でも半年以上あける
- 専門家に相談をする
具体的に解説していきます。
期間を最低でも半年間、可能ならば1年間開ける
次回の創業融資の審査は最低でも半年間、なるべくなら1年間の期間を開けましょう。
公庫の創業融資の審査で落ちる場合、短期間で改善できないケースがほとんどです。
ですので、短期間で再申し込みしても、ほとんどの場合審査には通過しません。
前回の悪かったことを見直し、必要書類や面談などを改善して、万全な体制で次回の審査に臨むようにしましょう。
専門家に相談する
専門家に相談をして、創業融資のサポートをしてもらうのもおすすめです。
特に認定支援機関の公認会計士事務所や税理士事務所は創業融資に特化したスキルがあるため、創業融資の審査に通過する可能性は大きく上がるでしょう。
専門家にサポートを依頼するメリットは下記のとおりです。
- 創業計画書のサポートや添削ができる
- 融資面談の練習が可能
- 実際の融資面談に同席可能
創業融資で躓きやすいポイントを徹底的にサポートいたします。
まとめ
今回は創業融資の審査で落ちる理由5選と対策について解説してきました。
創業融資は創業時に有利な条件で借りることができるため、最も有効な資金調達の手段の一つといえるでしょう。
ですので、複数回の審査落ちは絶対に避けなければいけません。
本記事を参考にして、審査に落ちた理由を把握し、次回の創業融資では必ず融資を獲得できるようにしましょう。
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駒田会計事務所 代表
税理士・公認会計士 駒田裕次郎
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