日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の返済期間は何年?上限・決定基準・月額試算まで徹底解説

この記事でわかること
  • 日本政策金融公庫の創業融資における返済期間の上限
  • 設備資金・運転資金それぞれの返済期間の考え方
  • 返済期間はどのような基準で決まるのか
  • 何年返済が妥当かを判断するための実務的な視点
  • 返済期間によって変わる毎月の返済額の目安
  • 返済期間を決める際に注意すべきポイント
  • 返済が不安になったときの現実的な対処法

「日本政策金融公庫で創業融資を受けたいけれど、ちゃんと返していけるのか不安」
「毎月の返済額が資金繰りを圧迫しないか心配」

創業前〜創業直後の方であれば、こうした不安を感じるのはごく自然なことです。
特に、返済期間が何年になるのかは、融資を検討するうえで最も気になるポイントの一つでしょう。

本記事では、日本政策金融公庫の創業融資支援に特化したコマサポが、
日本政策金融公庫の返済期間について、

  • 制度上の上限
  • 返済期間の決まり方
  • 何年で返すのが現実的か
  • 月々の返済額の目安
  • 注意点やよくある疑問

まで、実務目線でわかりやすく解説します。

「日本政策金融公庫で借りる予定がある」
「返済できるかどうかを具体的に知りたい」

という方は、ぜひ最後までご覧ください。

   監修: 駒田 裕次郎 駒田会計事務所【コマサポ】代表
【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金サポートを中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。
【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)
【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関
「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。

目次

返済期間の考え方は分かっても、
「自分の場合は何年が妥当か」と悩むことも少なくありません。
そんなときは、認定支援機関など専門家への相談で、一度状況を整理してみるのも一つの方法です。

コマサポでもご相談を承っております。お気軽にご連絡ください。

日本政策金融公庫における返済期間の上限とは

「設備資金」は15年以内、「運転資金」は5年以内

日本政策金融公庫の創業融資は、民間金融機関と比べて返済期間が長めに設定されているのが特徴です。
これは、創業期の事業者が資金繰りに苦しみやすい点を考慮し、月々の返済負担を抑えながら事業を継続できるよう支援するという、日本政策金融公庫の政策的役割を反映したものです。

返済期間の上限は、資金の使い道(使途)によって異なります。

設備資金:据置期間(最大5年)を含めて 20年以内
実質の元金返済期間は 最長15年

運転資金:据置期間(最大5年)を含めて 10年以内
実質の元金返済期間は 最長5年

が基本的な上限となります。

設備資金とは

店舗の新築・改装、機械・車両・什器など、長く使う資産を購入するための資金

運転資金とは

商品仕入、人件費、家賃、広告費など、日々の事業運営に使う資金

つまり、

長く使うもの(設備)ほど長期返済、
すぐ回収されるもの(運転資金)ほど短期返済

という考え方です。

運転資金と設備資金について、詳しくは以下の記事で解説しています。

融資の疑問
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融資制度ごとの返済期間上限

代表的な創業関連制度の返済期間上限は、次のとおりです。

融資制度名設備資金の返済期間上限運転資金の返済期間上限据置期間の上限
新規開業・スタートアップ支援資金20年以内10年以内5年以内
新規開業・スタートアップ支援資金
(再挑戦支援関連)
20年以内15年以内5年以内
再挑戦支援資金
(再チャレンジ支援融資)
20年以内15年以内2年以内

「新規開業・スタートアップ支援資金(再挑戦支援関連)」と
「再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)」の違いとは?

この2つの制度は名前が非常によく似ているため、
「結局、何が違うの?」と混乱される方が多いポイントです。

結論から言うと、大きな違いは「どの窓口(事業区分)で扱われる制度か」にあります。

国民生活事業と中小企業事業の違い

日本政策金融公庫には、大きく分けて次の2つの事業区分があります。

国民生活事業
主に、創業前〜創業間もない個人事業主小規模事業者比較的少額(数百万円〜数千万円)の融資を対象とした窓口

中小企業事業
主に、すでに一定規模で事業を行っている法人借入金額が大きいケース(数千万円〜億単位)を対象とした窓口

💡創業融資を検討している多くの方は、基本的に「国民生活事業」が対象になります。

それぞれの制度の位置づけ

この違いを踏まえると、2つの制度は次のように整理できます。

新規開業・スタートアップ支援資金(再挑戦支援関連)
国民生活事業向けの制度

  • 過去に廃業や事業失敗の経験がある方が、再チャレンジとして創業する場合に利用できる
  • 個人事業主・創業間もない法人が主な対象

再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)
中小企業事業向けの制度

  • 事業規模が比較的大きく、法人中心
  • 借入金額も大きくなる傾向がある
創業初期の方はどちらを意識すべき?

「創業前〜創業1年以内の個人事業主」の場合、多くのケースでは
👉 「新規開業・スタートアップ支援資金(再挑戦支援関連)」が現実的な選択肢
になります。

一方、
「再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)」は、
事業規模や借入額の点で、創業初期の個人事業主には該当しないケースが多いと考えてよいでしょう。

「据置期間(措置期間)」とは?

据置期間とは、融資を受けたあと、元金の返済が猶予される期間のことです。
この期間中も利息の支払いは必要ですが、元金返済がないため、資金繰りに余裕を持たせることができます。

創業期は売上が安定しないケースが多く、いきなり元金返済が始まると資金繰りリスクが高まります。
そのため、据置期間を上手に活用することは、創業融資では非常に重要です。

実務上、創業融資で設定される据置期間は、6か月〜1年程度が一般的です。

創業融資の返済期間は何年が妥当?

結論から言うと、返済期間に「◯年が正解」という一律の答えはありません。
事業内容や資金の使い道、収支見込みによって、適切な年数は大きく異なります。

重要なのは、自社にとって無理のない返済期間を、根拠を持って説明できるかどうかです。

返済期間の決め方

返済期間は、借入申込書に希望年数を記入しますが、
実際には日本政策金融公庫の担当者との面談で改めて協議することになります。

制度上の上限はありますが、「妥当な期間」は事業ごとに異なります。
最終的な返済期間は、審査を通じて日本政策金融公庫と相談しながら調整されるイメージです。

一般的には、

  • 事業リスクが高い(返済能力に不安がある)
    返済期間は短めに設定されやすい
  • 事業リスクが低い(返済能力に問題がない)
    返済期間を長めに設定してもらえる可能性がある

というイメージで考えると分かりやすいでしょう。

返済期間を決定する3つの主要要素

日本政策金融公庫の返済期間は、感覚や希望だけで決まるものではありません。
「この事業なら、この年数で返せそうか」という合理性が重視されます。
特に重要なのが、次の3つのポイントです。

① 資金の使い道(使途)

返済期間を考えるうえで、まず押さえたいのが
「そのお金は、どれくらいのスピードで回収できるか」という視点です。

  • 設備資金
    店舗の内装や機械、車両などは、
    売上を生むまでに時間がかかるため、回収も長期になります。
    そのため、10〜20年程度の返済期間が現実的な目安です。
  • 運転資金
    仕入れや人件費、家賃などは、
    比較的短期間で売上として回収されるお金です。
    このため、5〜10年程度の返済期間が目安になります。

👉「回収に時間がかかる資金ほど、返済期間も長くなる」
と覚えておくと分かりやすいでしょう。

② 借入希望額

次に重要なのが、借りる金額の大きさです。
当然ですが、借入額が大きくなるほど、
短期間で返そうとすると毎月の返済額が重くなります

  • 少額(〜300万円程度)
    月々の返済負担も比較的軽いため、
    5年程度の返済期間でも無理なく返せるケースが多く見られます。
  • 高額(1,000万円以上)
    5年返済にすると毎月の返済額が大きくなりすぎるため、
    10年超の返済計画を立てる方が現実的です。

👉「いくら借りるのか」と「毎月いくら返せるのか」は、
セットで考える必要があります。

③ 収支見込み・事業計画

返済期間を左右する最も重要な要素が、
収支見込み(事業計画)です。

「利益がまだ安定しない段階なのに、短期返済を設定する」
「楽観的な売上予測を前提に、返済期間を短くする」

こうした計画は、実務上かなりリスクが高いと判断されます。
創業直後は、

「思ったより売上が伸びない」

「想定外の支出が発生する」

といったことが珍しくありません。
そのため、
「事業が軌道に乗るまでにどれくらいかかるか」
を見据えたうえで、無理のない返済年数を設定することが重要です。

返済期間が長期の場合のメリット・デメリット

返済期間は「長いほうがいい」と単純に決められるものではありません。
それぞれにメリット・デメリットがあります。

メリット:毎月の返済額を抑えられる/資金繰りが安定しやすい

返済期間を長く設定すると、1回あたりの返済額が小さくなるなどのメリットがあります。

毎月の返済額が抑えられる
→ 売上が不安定な創業期でも、返済負担が重くなりにくい

キャッシュフローを圧迫しにくい
→ 家賃・人件費・仕入れなど、事業に必要な支出を確保しやすい

特に創業初期は、
「売上は月によってばらつくが、固定費は必ず発生する」
という状況になりがちです。

この段階で返済額が大きすぎると、
黒字なのに資金が足りないという事態にもなりかねません。

そのため日本政策金融公庫でも、
創業期は返済期間をある程度長めに設定すること自体は、必ずしもマイナス評価ではありません。

デメリット:総支払利息は多くなる

一方で、返済期間を長くすると、
支払う利息の合計額は増えるというデメリットがあります。

例えば、200万円を金利2.1%で借りた場合の利息をシミュレーションすると以下のようになります。

5年返済・・・利息106,750円 (返済総額2,106,750円)

10年返済・・・利息211,740円 (返済総額2,211,740円)

日本政策金融公庫の返済シミュレーション使用

これは、借入残高が長期間残るためです。
ただし注意したいのは、
「利息が増える=必ずしも悪い選択」とは限らない点です。

無理に短期返済を選んで資金繰りが苦しくなり、
事業継続そのものが危うくなってしまっては本末転倒です。

👉「利息を減らすこと」よりも、「事業を安定して続けられること」を優先する
これが、創業期の返済期間を考えるうえでの基本的な考え方になります。

最終的には日本政策金融公庫の担当者が決定する

申込者の希望は一定程度尊重されますが、最終判断は日本政策金融公庫の審査担当者が行います。

返済期間を希望どおりに設定してもらえるかどうかは、
事業計画書の内容に大きく左右されます。

  • なぜこの金額が必要なのか
  • どのように売上・利益を出していくのか
  • その結果、毎月いくらなら無理なく返済できるのか

これらが数字とストーリーで説明できていれば、
「この返済期間なら問題ない」と判断されやすくなります。

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返済シミュレーションで毎月の返済額の目安を試算する

ここでは、700万円を借りた場合の返済額イメージを見てみましょう。

700万円を借りた場合

(元金均等返済/年利2.6%で試算)

返済期間毎月の返済額支払利息合計(概算)
5年約118,000円〜130,000円約463,000円
7年約84,000円〜98,000円約645,000円
10年約59,000円〜73,000円約918,000円

※金利は変動するため、最新の金利は必ず確認してください。

日本政策金融公庫の公式シミュレーションも活用すると、より具体的にイメージできます。

返済期間を決めるときの注意点

無理のない返済計画を立てる

返済期間を短くしすぎると、月々の返済額が増え、資金繰りを圧迫する可能性があります。
「早く返したい」という気持ちだけで判断せず、事業を継続できるかどうかを重視しましょう。

専門家(税理士、公認会計士、認定支援機関)への相談を検討する

返済計画に不安がある場合は、専門家に相談することで、
自分では気づきにくいリスクや改善点が見えてきます。

コマサポでは、日本政策金融公庫の創業融資に特化した専門家が、

  • 事業計画書の作成支援
  • 面談対策
  • 借入後のフォロー

まで一貫してサポートしています。

「自分の返済期間は何年が妥当?」
「月々いくらなら無理なく返せる?」

そんな疑問がある方は、まずは無料相談・無料診断シミュレーションから検討してみてください。

こんなときはどうする?返済に関する疑問

返済が厳しくなった際の対処法

返済スケジュールの変更を融資担当者に相談する

日本政策金融公庫では、既存借入の返済条件変更に比較的柔軟に対応しています。
返済が難しくなった場合は、早めに相談することが重要です。

ただし、条件変更(リスケジュール)を行うと、次回の融資が難しくなる可能性があるため、慎重に判断しましょう。

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借入実行時に据置期間を活用する

最初から据置期間を設定しておくことで、資金繰りに余裕を持たせる方法もあります。

繰り上げ返済や一括返済で悩んだら

繰り上げ返済や一括返済はメリットだけでなくデメリットもあります。
総合的に判断することが大切です。

繰り上げ返済や一括返済について、以下の記事で詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。

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まとめ|返済期間は「続けられる年数」を基準に考える

日本政策金融公庫の返済期間は、制度上の上限だけで決まるものではありません。
資金の使い道や借入額、収支見込みを踏まえ、無理なく返済を続けられるかどうかが重視されます。

返済期間を長くすれば月々の負担は軽くなりますが、利息は増えます。
一方で、短くしすぎると資金繰りを圧迫するリスクもあります。

だからこそ大切なのは、
事業計画とセットで、現実的な返済期間を考えることです。

コマサポでは、日本政策金融公庫の創業融資に特化した専門家が、
「自分の場合、何年返済が妥当か」
「月々いくらなら安全か」
といった点から一緒に整理し、
無理のない融資計画づくりをサポートしています。

返済に不安を感じている方は、まずは一度、コマサポの無料相談で状況を整理してみてください。

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代表 駒田裕次郎 税理士・公認会計士・認定支援機関

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